サッカーW杯イラン代表、国歌斉唱「拒否」で自国の女性をサポート

サッカーW杯イラン代表、国歌斉唱「拒否」で自国の女性をサポート

  • コスモポリタン
  • 更新日:2022/11/28
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中東カタールで11月20日(現地時間)に開幕したサッカーワールドカップ(W杯)で、ハリファ国際競技場で行われた初戦に臨んだイラン代表チームが、試合前の国歌斉唱を拒否しました。

これは、国内で続く抗議活動への政府の対応に反対するとともに、命をかけて抗議活動を続けるイランの女性や学生たちをサポートする意思を示したもの。試合開始前、フィールドに並んだ選手たちは国歌を斉唱するのではなく、厳しい表情で前方を見つめていました。

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<ロイター>が伝えたところによると、競技場で試合を観戦したイランの男性ファンたちのなかには、音楽が流れても歌おうとしない選手たちに向かって怒鳴り声をあげ、親指を下げるしぐさを見せた人たちもいたそう。

一方、SNSでシェアされた動画には、選手たちの勇気ある行動に歓喜の涙を流し、拍手を送る女性の姿が映されています。

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また、客席にいたイラン代表のサポーターたちの一部は、デモ参加者たちが抗議活動のなかで叫ぶ「女性、命、自由」のスローガンを記した横断幕などを掲げていました。

当初から、大会の準備に関わった外国人労働者などに対する人権侵害の問題などを巡って論争が絶えなかったカタール大会は、さらに多くの問題に直面しています。

イランの人々は、「チーム・メリ」の愛称で呼ぶサッカー代表チームに対し、W杯出場を辞退するか、出場するならばそのプラットフォームを利用して、国内の混乱に注意を向けてもらうための行動を取るべきだと訴えていました。

イランでは9月、女性に着用が義務付けられている髪を覆うための「ヒジャブ」のかぶり方が不適切だとして、道徳警察に逮捕されたマフサ・アミニさん(22)が、拘束後に病院に搬送され、死亡。それをきっかけに発生したデモが、現在も続いています。

女性たちは各地で街頭に繰り出し、女性に対して差別的で、かつ不当に厳しい法律を維持する政府に抗議。路上でヒジャブを燃やしたり、自ら髪を切り落としたりするなどして、警察などに抵抗しています。

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イランの国営イスラム共和国通信(IRNA)は今月半ば、「公共の秩序や平和を乱した」などとして、デモ参加者に初めて死刑が言い渡されたと報じました。

また、イラン人権活動通信(HRANA)よると、デモに参加したことで逮捕され、その後に死亡した人は少なくとも410人にのぼり、そのうち58人は未成年だったといいます。

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イラン政府は、死亡したデモ参加者の正確な人数を公表していません。一方、デモを鎮静化させるため、国内全域でインターネットの接続を遮断し、SNSにもアクセスができないようにしています。

W杯の試合を観戦したファンのひとりは<ロイター>に対し、次のように語りました。

「私たちは皆、イランで人々が殺されていることを悲しく思っています。国歌斉唱を拒否した代表チームのことは、誇りに思います――政権にとっての国歌であり、私たちの“国歌”ではないからです」

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