【作品レビュー】アニメ「東京マグニチュード8.0」9~11話あらすじ感想

【作品レビュー】アニメ「東京マグニチュード8.0」9~11話あらすじ感想

  • 防災新聞
  • 更新日:2022/06/23
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8話までの内容をご紹介してきたアニメ「東京マグニチュード8.0」も、いよいよクライマックス。残り3話で完結です。お台場で被災した未来と悠貴、そして真理はそれぞれ自宅へ帰り、家族と再会することができるのでしょうか。

それでは、9~11話の内容をご紹介します。

※ネタバレを含む内容もありますので、ご注意ください!

9話レビューと感想

悠貴の病院での治療が終わり、三軒茶屋へとまた歩を進めだした未来たち。第9話「今日、さよなら」のあらすじは、以下の通りです。

あらすじ

ついに三軒茶屋にたどり着いた未来たち。しかし、想像をはるかに超える火災の被害に、真理は驚きを隠せない。がれきのなか、必死に娘と母を探し回る真理は、火災で燃えてしまった自宅にたどり着く。憶測や風評を耳にするが、結局真理の娘と母がどこにいるのか、生きているのかさえも不明だった。

9話の学び

三軒茶屋を目指して歩く途中、掲示板に張られたたくさんの尋ね人や「〇〇にいます」といった張り紙を目にする未来たち。電話が使えないと、こうした昔ながらの方法で離れ離れになった家族に居場所を伝えるしかないのだな、と感じました。

また、遺体を運ぶ家族に対し、「遺体は身元確認をしなければいけない」と語る警察官。「こんなところに娘を置いていけない」と家族は憤りますが、間違った遺体を運んでしまってはいけないので、必要な手続きなのだということがわかります。

火災現場では、地方からのボランティアの方が作業をしていました。発災から数日経つと、一般の方のボランティアも多く集まり、復興・復旧のための作業を手伝ってくれます。

感想

未来たちが避難所と遺体安置所になっている小学校へ行くと、身元不明の女性と少女の遺体のもとへ案内されます。遺体を前に嘆く真理を見ながら、悠貴は「もう少し探そう」と未来に提案。

未来は真理の娘と母を探し、隣の避難所へ足を運びます。未来の行動が功を奏し、真理は娘と母と再会。母は亡くなった真理の夫の位牌を持っており、いくつになっても子どもを愛する気持ちは変わらないのだなと、心が温かくなりました。

真理の母の入院する病院内で、何かがフラッシュバックする未来。悠貴が未来に何かを語ろうとするところで、9話は終わりました。

10話レビューと感想

続いて10話、「おねえちゃん、あのね」のレビューや感想をご紹介します。

あらすじ

真理たち家族と別れ、自衛隊の車で成城学園を目指す未来。友人との再会で、両親が生きていることを知る。自宅までもう一息のところまで来た未来は、母親も避難している悠貴の小学校へ立ち寄ることに。小学校に残された悠貴の軌跡を見て、未来は涙が止まらなくなる。

10話の学び

悠貴の友達、イツキが自宅へ「マロニエ日記」を取りに行きます。自宅の外には「危険」「入らないように」との旨が記された張り紙がされていますが、イツキは大丈夫だと自宅に侵入。しかし、余震で家屋が倒壊し、間一髪のところで未来とイツキは助かります。

侵入禁止と書かれた建物は、たとえ自宅であってもむやみに入ってはいけないということがわかりました。

感想

冒頭、車のなかで「おねえちゃん、あのね」と何かを話そうとする悠貴ですが、核心には触れません。友人と再会したり、両親が生きていることを聞いたりするなか、悠貴の姿は見えたり見えなかったり。未来は徐々に、悠貴がいない現実を受け入れはじめ、ついに最後に悠貴の口から「僕は死んだ」ということが語られます。

悠貴の教室には、習字で書かれた「未来」、家族で昔いった橋の絵、机に書かれたカエルの落書きなど、悠貴が家族、特に姉である未来をとても愛していたことが伝わってくる描写が多くありました。

11話レビューと感想

衝撃の事実が語られた第10話。最終話「悠貴へ・・・」はどのような内容になっているのでしょうか。

あらすじ

悠貴の死という現実に直面し、悲しみに暮れる未来。なかなか自宅へ足が向かない未来の前に再び悠貴が現れ「帰ろう」と声をかける。自宅にたどり着いた未来は、久しぶりに母親と再会。病院で父親とも再会した未来は、親子3人で悠貴のことを語り、涙する。時が過ぎ町が復興に向かうなか、心に空白を抱えた未来は、なかなか現実を受け入れられない。そんな未来がようやく1カ月ぶりに携帯電話の電源を入れると、そこには多くのメッセージが残されていた。

11話の学び

最終話は、未来とその周りの人たちのその後を描くお話で、特に防災に関する情報の描写はありませんでした。復興が進む町の様子や、ずらりと並ぶ仮設住宅など、震災の爪痕が残るなかでも、元の暮らしや街並みを取り戻そうという、前向きなシーンが見られたのは、よかったと思います。

感想

10話で悠貴が亡くなったことを思い出した未来ですが、現実を受け入れられません。そんな未来の前に現れた悠貴は、未来に手を差し伸べます。つなげない手をつなぐ2人の姿は、嗚咽するほど切ない気持ちにさせられました。

自宅に着くと、悠貴は最後の言葉を残し、消えてしまいます。悠貴との別れを悲しむ未来ですが、無情にも時は流れていきました。

未来たちが引っ越した先に真理がやってきて、未来に夫が亡くなったときの記憶を語りながら、「悠貴は未来のなかにいる」と話し、悠貴から預かった未来の携帯電話を渡します。悠貴が亡くなってから抜け殻のようになっていた未来。しかし、たくさんのメールを読み返しながら真理に悠貴との思い出を語り、「悠貴に会いたい」と大きな声で泣きます。

真理が帰ると、未来は母親に悠貴が選んだ誕生日プレゼントと絵を渡し、悠貴に前を向いて歩いていくことを誓うのでした。真理との再会をきっかけに、未来は悠貴の死を受け入れることができたようです。震災がつないだ絆が、失われてしまった絆をつなぐ架け橋となったことにも、感動を覚えました。

作品全体を通して感じたこと

震災の恐ろしい描写がやや怖くはあったものの、11話すべて一気に見てしまいました。作品のなかには、災害時に役立つ知識や情報が随所にちりばめられていたように感じます。また、災害時の描写もリアルで、このアニメをみてフラッシュバックしてしまう被災者の方もいらっしゃる、というのがよくわかりました。

しかし、これはただ震災の恐ろしさを伝えるだけでなく、未来という1人の少女の成長の物語であり、また真理や古市夫妻、そして未来の友人たちなど、震災の被害に遭った方々一人ひとりの物語でもありました。

家族が待っているという思いがありながらも、目の前にいる姉弟を助けた真理。最終的に無事に母と娘と再会することができました。ハッピーエンドのように思えますが、彼女も悠貴を救えなかった悲しみを未来と一緒に背負っていくのでしょう。

未来は両親と無事に再会することができましたが、最愛の弟を亡くしてしまいました。その悲しみを乗り越えることで、未来は震災を通しての成長の最終形を迎えたのではないでしょうか。両親も震災を通し、子どもとの向き合い方を見直すきっかけを与えられたように感じます。

悠貴の死は物語に必要だったのかについては、賛否があるようです。姉弟そろって家族と再会できるのが理想ですし、アニメであればハッピーエンドを望みたいですが、悠貴が亡くなることは未来の成長だけでなく、この物語に「震災の恐ろしさ」のリアリティを与えてくれたように思います。

どんな状況でも、助からない命があるのが現実です。一度は助かった悠貴が、二次災害の影響で亡くなってしまったのは非常に悲しく、子を持つ親である筆者は自分の子どもと重ねてしまい、最終話は終始涙が止まらなくなってしまうほどでした。

しかし、「地震がおさまったからといって安心してはいけない」「危険はすぐそばに潜んでいる」というメッセージを、悠貴は命をかけて伝えてくれたのではないでしょうか。

結局「東京マグニチュード8.0」はおすすめの作品なのか…

「トラウマアニメ」といわれる「東京マグニチュード8.0」。実際に視聴して感じることは多くありました。興味のある方にはおすすめしたい作品だといえますが、震災を経験された方や過激な描写が苦手な方は、注意しながら視聴されるようにしてください。

実際に大震災を経験された方は「こんなことはない」と思われる描写もあるかもしれませんが、筆者は震災の恐ろしさ、そして命の大切さを知るために、子どもたちともう一度視聴しようと考えています。

学びの多いアニメですが、引き込まれるストーリーで時間を忘れて見ることができるのではないでしょうか。災害について学ぶおすすめのツールだといえますので、興味を持った方はぜひ視聴してみてください。

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