アップル16インチ「MacBook Pro」キーボードが極楽に

アップル16インチ「MacBook Pro」キーボードが極楽に

  • ASCII.jp
  • 更新日:2019/11/13
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MacBook Pro 16インチ(2019) 筆者撮影

アップルは11月13日、同社のフラッグシップポータブルコンピュータ、MacBook Pro 15インチをモデルチェンジし、ディスプレーを拡大させた16インチモデルとして刷新しました。15インチモデルは販売終了となり、今後は16インチモデルに置き換えられます。

ニューヨークでブリーフィングを受け、発売前に試すことができたため、第一印象を、実際にMacBook Pro 16インチモデルで原稿を書きながらお届けします。

●注目は基本性能の大幅アップ

まず日本のユーザーにとって良いニュースは、ベーシックモデルの価格が引き下げられたこと。

6コアIntel Core i7プロセッサと16GBメモリ、512GBのSSDを搭載したモデルは、米国では価格据え置きの2399ドルでしたが、日本では24万8800円に引き下げられました。このモデルでもAMD Radeon 5000Mシリーズと4GB GDDR6のビデオメモリを備え、現段階で十分なパフォーマンスがあり、長期間にわたってメインマシンとしての役割を果たしてくれることになるでしょう。

もちろんターゲットはクリエイティブ・プロであり、製品自体も彼らのニーズに応える最高の1台を目指して開発されてきたことが語られました。しかし、クリエイティブ以外の仕事にとっても、マシンの買い替え周期を最大限に引き伸ばしながら、安定した仕事環境を提供してくれる、間口の広い製品と評価できます。

今回の注目は、ディスプレーの拡大と共に、パフォーマンスの大幅な向上とそれを支える排熱・電源システムの刷新といった基本性能を高めたこと。加えてメモリやVRAM、SSDストレージの最大搭載量を大幅に拡張したことです。

メモリは最大64GB、ビデオメモリは最大8GB、SSDに至っては最大8TBまでオプションで対応します。原稿執筆時点ではまだ各種オプションの金額が判明していませんが、フルオプションを装備したら、MacBook Pro 16インチの本体が少なくとも3台は買える金額が上乗せされることになるのではないでしょうか。

しかし、そのオプションを1台のマシンに搭載し実現できることは、場所を問わず仕事を続ける現代のクリエイターにとって重要、ということです。

●ノート型にMagic Keyboardが誕生

さて、MacBook Proの改良には、クリエイターの意見を大きく取り入れたそうですが、その中に快適なキーボードという要望があったそうです。これは主にアプリ開発などに携わるエンジニアから、キーボードの信頼性向上や、独立したESCキーなどのリクエストが上がっており、キーボードのエンジニアリングを通じて、新たなキーボードの開発に乗り出しました。

キーボードの研究においては、次の6項目に着目したそうです。

・ユーザーそれぞれのくせなどに起因する要因
・キーのデザイン
・キーの感触
・打鍵音
・タイピングの正確性
・ユーザー認知

これらの研究やユーザーからのフィードバックを得ながら行き着いたのは、iMac Proとともに出荷されたMagic Keyboardに着想を得たシザーメカニズムの新しいキーボードでした。

これまでのバタフライキーボードは、キーの安定性向上とデバイスの薄型化に大きく寄与してきました。その一方で打鍵音が大きくなりすぎたり、0.55mmの浅いキーストロークしか確保できなかったり、ホコリなどの影響を受けやすいといった問題点がありました。

そこでMacBook Pro 16インチ向けに開発されたMagic Keyboardは、キーキャップをデザインしなおし、ガタガタせず安定した感触を実現しつつ、独自にデザインしたラバードームに静粛性と圧力を逃す役割を持たせ、設計を見なおしたシザーメカニズムによって1mmのキーストロークを実現しています。

またキー配列では、独立したESCキーと、逆T型の矢印キーなどが復活しました。16インチMacBook Proのキーボードは、2015年モデルまで採用されていたMacBook Proのシザーキーボードに、Touch BarとTouch IDを加え、バタフライキーボード時代に拡大されたキートップの面積を踏襲した、まったく新しいキーボード、というプロフィールになります。

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Touch Barに吸収されていたESCキーが復活した

●新しいMagic Keyboardをさっそく試す

筆者は普段から、けっこう様々なキーボードを気分によって使い分けています。中にはHHKB(Happy Hacking Keyboard)などしっかりと打鍵感のある物もあれば、Razerのレーザースイッチを採用したメカニカルキーがあったり、何よりも長い時間をiPad ProのSmart Keyboardで過ごしています。そうした中で、2016年以降のMacBook Proのバタフライキーボードは、決して嫌いではなく、むしろ合理的で好きなキーボードですらありました。

0.55mmというストロークと軽い打鍵感を生かし、キートップを指でなぞるような弱い力でのタッチタイプを心がけると、スピードと正確さを保ちながら、疲れず長い時間タイピングすることができたからです。これが1mmのストロークに拡大され、メカニズムが変わったキーボードでどう変わったか。

MacBook Pro 16インチのMagic Keyboardでのタイピングのデモをビデオにまとめました。特にタイピングの音についても、確認することができます。

動画を別画面で再生する

これまでのバタフライキーボードに比べると、新しいMagic Keyboardはもう少し力をかけながらタイピングする感覚でした。ストロークが長くなったこと、ラバードームが割と反発してくることもあり、打鍵感はしっかりと伝わり、次のキーに向けて指を弾ませることができます。

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これまでより打鍵感がしっかりと伝わるようになった

以前のキーはどちらかというと自分でテンポやペースを作っていくタイプでしたが、Magic Keyboardはキーの反発にある程度委ねてテンポを作っていくと、良い感じでタイピングしていくことができるようになるはずです。

指先でラバードームの弾力を感じながらタイピングしていくようなイメージをつかむと、Magic Keyboard自身が、どんどんアイデアの明文化を、先へ先へ連れていってくれるような感覚になっていきます。

まだ3時間くらいしかタイピングしていないので、もっと良いコツのつかみ方や、その言語化ができるかもしれませんが、短時間でもうまくタイピングできる勘所がつかみやすいという意味でも、より多くの人にとって「使いやすいキーボード」に仕上がっているのではないでしょうか。

引き続き、MacBook Pro 16インチについては、レビューを進めていきたいと思います。お楽しみに。

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筆者紹介――松村太郎

1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログTAROSITE.NET
Twitterアカウント@taromatsumura

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