年金に所得税はかかる? かからない?

年金に所得税はかかる? かからない?

  • マイナビニュース
  • 更新日:2018/10/08
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年金は所得の中で雑所得の扱いになりますので、基本的には所得税がかかってくることになります。

ただし、年金受給の際には、所得税がかかってくる場合、かかってこない場合、所得税がかかってくる場合において確定申告が必要な場合、不要な場合があります。

どのような場合に所得税がかかってくるのか、など計算方法を含め少々ややこしく感じることがあると思います。

今回は順序立てて、そのあたりの理解を深めていきたいと思います。

○公的年金の所得はどう計算される?

公的年金等は、年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算します。

この雑所得となる主な公的年金等は、次のものです。

1.国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金

2.過去の勤務により会社などから支払われる年金

3.外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で(1)に掲げる法律の規定による社会保険又は共済制度に類するもの

公的年金等に係る雑所得の金額は、下記の表により算出します。

公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)

※年齢が65歳未満であるかどうかの判定は、その年の12月31日の現況によることとされています

例えば65歳以上の人で「公的年金等の収入金額の合計額」が200万円の場合、公的年金等にかかる雑所得の金額は次のようになります。

200万円×100%-120万円=80万円

例えば65歳未満の人で「公的年金等の収入金額の合計額」が200万円の場合、公的年金等にかかる雑所得の金額は次のようになります。

200万円×75%-37万5,000円=112万5,000円

○どのような年金受給者が所得税を払わなくてよい?

下記の表を見ていただければわかるように、65歳に満たない方は受給額が108万円(公的年金等控除額70万+基礎控除38万)以下、65歳以上の方は受給額が158万円(公的年金等控除額120万+基礎控除38万)以下の場合、所得税を払う必要がありません。

公的年金等に係る雑所得の速算表

平成30年度の国民年金の老齢基礎年金の満額は77万9,300円(満額)となりますので、老齢基礎年金のみの方には所得税はかかってこないことになります。

○公的年金から所得税が源泉徴収される人は?

前段で述べたように65歳に満たない方は受給額が108万円(公的年金等控除額70万+基礎控除38万)以下、65歳以上の方は受給額が158万円(公的年金等控除額120万+基礎控除38万)以下の場合、所得税を払う必要がありません。

それ以上受給している場合には所得税がかかってくることになります。この所得税が源泉徴収として公的年金の支給額から引かれることになります。

年金に係る所得税額および復興特別所得税額の計算は、課税対象となる方が提出された「扶養親族等申告書」をもとに行われています。

日本年金機構から、毎年、所得税の課税対象となる方に、「扶養親族等申告書」が送られてきます。平成31年分は、平成30年9月中旬より順次送られており、10月上旬までにはお手元に届く予定になっています。

こちらは、平成31年2月以降にもらうことができる年金から源泉徴収される所得税の計算のために必要な申告書になります。「扶養親族等申告書」を提出しなかった場合は、各種控除が受けられないだけでなく、源泉徴収税率も異なってきます。

○扶養親族等申告書とは?

扶養親族等申告書は、老齢年金に課税する所得税および復興特別所得税の計算を行うために必要なものです。 扶養親族等申告書を提出することで該当する控除が受けられ、税率が5.105%になります。

控除対象となる配偶者や扶養親族がいない場合でも、税率が5.105%になりますので、必ず提出しなくてはなりません。

提出がない場合は、該当する控除が受けられず、税率が10.21%になってしまいます。 これにより、所得税が多く源泉徴収される場合がありますのでご注意ください。

年金にかかる源泉徴収税額の計算方法は?

●扶養親族等申告書を提出した場合

源泉徴収税額=(年金支給額-社会保険料-各種控除額)×税率(5.105%)

●扶養親族等申告書提出しなかった場合

源泉徴収税額={年金支給額-社会保険料-(年金支給額-社会保険料)×25%}×税率(10.21%)

●計算式内の「社会保険料」とは、年金から特別徴収した介護保険料および国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)の合計額です。

各種控除額は以下の表となります。

※障害者控除は、扶養親族が年少扶養親族(16歳未満)である場合でも適用されます。

※同居特別障害者控除は、同一生計配偶者または扶養親族のうち特別障害者に該当する人で、受給者本人、その配偶者または受給者本人と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている人に適用されます。

○確定申告はどういったときにする必要がある?

一定の金額(65歳未満の場合は108万円、65歳以上の場合は158万円)を超える公的年金等や一定の生命保険契約等に基づく年金を受け取るときは、所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されますが、これらについては年末調整が行われないため、確定申告で1年間の税金を精算することになります。

この場合、源泉徴収票(原本)の添付が必要となってきます。

○年金所得者の確定申告不要制度とはどういうもの?

年金所得者の確定申告不要制度とは公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の各種の所得金額が20万円以下である場合には、確定申告をする必要がないというものです。

ただし所得税及び復興特別所得税の確定申告が必要ない場合であっても、所得税及び復興特別所得税の還付を受けるためには、確定申告書を提出する必要があります。

以上のように年金に対して、所得税がかかってくる場合、かかってこない場合、所得税がかかってくる場合において確定申告が必要な場合、不要な場合があるなど、パターンが多数あり、なかなか理解しづらいと思います。特に源泉徴収額の計算はかなり複雑で実際に計算するのはハードルが高いかもしれません。

源泉徴収額は日本年金機構において扶養親族等申告書をもって計算されることになります。不利にならないようくれぐれも提出を忘れないようにしてください。

○著者プロフィール

塚本泰久

ツカモト労務管理事務所 代表社会保険労務士・FP。関西地区を中心に、地域に密着した事務所を目指しています。会計事務所出身であるという視点から、企業の宝である人財と企業会計のバランスに重点を置くことで、より強い企業の体制作りをサポートしています。「ツカモト労務管理事務所」

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