渋滞車内でエコノミークラス症候群? 夏のロングドライブ、注意したい脱水とその対策

渋滞車内でエコノミークラス症候群? 夏のロングドライブ、注意したい脱水とその対策

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2017/08/15

車内の乾燥と、窓からの輻射熱に注意

お盆休みの帰省ラッシュやUターンラッシュ、行楽地の行き帰りの渋滞など、夏場はなにかとロングドライブになる機会もありますが、実はその車内に、恐ろしい健康上の危険が潜んでいるかもしれません。

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夏場のロングドライブ、車内の「乾燥」が思わぬ健康被害を呼ぶことも。写真はイメージ(画像:photolibrary)。

済生会横浜市東部病院 周術期支援センターの谷口英喜センター長によると、そうした渋滞中の車内において、「気づかないうちに脱水状態になってしまう」可能性があるといいます。その結果、「エコノミークラス症候群(旅行者血栓症)」を誘発することもあるとか。

エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢で座っていた結果、足が圧迫されてうっ血状態となったことで生じた血栓が、肺の血管に詰まって呼吸困難などを引き起こす疾患です。夏場のロングドライブと脱水状態とエコノミークラス症候群のあいだに、どのような関係があるのでしょうか。谷口さんに話を聞きました。

――そもそも、渋滞中の車内ではなぜ脱水状態になりやすいのでしょうか?

エアコンによる車内乾燥や、輻射熱(ふくしゃねつ。太陽光による熱)による体熱への影響などがあるからです。車内は狭い空間ですから、空気が乾燥すれば、背中や尻を除いて、汗をかいてもすぐに蒸発してしまいます。

人間の発汗には、暑いときや運動中にかく汗のほかに、不感蒸泄(ふかんじょうせつ)と呼ばれる、皮膚の潤いを保っている汗などがあるのですが、エアコンで乾燥した車内は、皮膚の熱を奪い乾燥させてしまうため、不感蒸泄が増えて脱水状態につながるというわけです。体重60kgの健康な成人の場合、不感蒸泄は1日に900mlに及び、体温が摂氏1度上がるごとに、15%増える(1035ml)といわれています。目に見えない汗だからといって、決して少なくない量です。

また、クルマの前後左右の窓から入ってくる輻射熱を浴び続けることも、体温を上昇させ脱水状態を招きます。このような状況に加えて、渋滞中は乗車する人たちがトイレに行く回数を減らそうと、水分を控えることもあり、こちらも脱水状態を招く形となります。

道路標識を見逃したら、脱水の恐れあり

――その脱水状態と、エコノミークラス症候群がなぜ関係しているのでしょうか?

体内の水分が奪われると血液がドロドロになり、エコノミークラス症候群の原因となる、血栓が生じやすくなるためです。

――脱水状態の初期症状はどのようなものでしょうか?

脳の水分が奪われるため、頭がボーッとして判断力が低下し始めます。ドライバーの場合、道路標識などを見逃したりするなど、とても危険です。

――脱水状態を防ぐ対策は何でしょうか?

すぐに取り掛かれるものとして、以下の対策があります。

・こまめに水分補給をする。
・1~2時間おきにサービスエリアやパーキングエリアに寄る。
・車内で適度に体を動かす。
・皮膚の露出が少ない服を着る。
・オートエアコンなどを使い、皮膚に当たる風量を調整する。
・窓ガラスに、遮光フィルムや遮光カーテンを取りつける。

※ ※ ※

谷口さんによると前述の環境下では、10時間程度でエコノミークラス症候群を発症する可能性があるといいます。特に高齢者に注意が必要と呼びかけますが、若者についても、油断することなく気を付けてほしいと話しています。

【図】2017年、お盆休みの高速道路渋滞予測

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NEXCO3社や道路各社による、2017年お盆期間に全国で10km以上の渋滞が予測される回数。NEXCO東日本はピークを避けた高速道路利用を呼び掛けている(画像:NEXCO東日本)。

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