
2021年10月18日に撮影されたシャオシャオ(左)とレイレイ(右)(Ph/(公財)東京動物園協会)
上野動物園にいる双子パンダのシャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)が、誕生から1年を迎えました。それを記念して、これまでの成長を振り返ります。
手に乗るほどの小ささで誕生
2021年6月23日に誕生した双子パンダ。生まれたばかりのシャオシャオは124g、レイレイは146gと手のひらに乗るほどの小ささでした。

2021年6月23日に撮影された、保育器に移される生まれたての子パンダ(Ph/(公財)東京動物園協会)
毛の薄い体表はピンク色で、生まれて2週間ほどで耳が黒くなるなど模様が出始めたといいます。

2021年7月6日に撮影された13日齢の子パンダたち(Ph/(公財)東京動物園協会)
1頭が母パンダ・シンシンの世話を受けている間、もう1頭は保育器へと、交互に過ごし、9月下旬には体重が5kgを超え、左下の犬歯も確認されました。
明るい未来を感じさせる名前
シャオシャオとレイレイの名前で親しまれている双子パンダですが、正式に名前が発表されたのは10月8日です。たくさんの応募のなか、多かった名前の上位150点から名前候補選考委員会で審議され、さらに中国側の確認も経て決まった名前だということを知っていましたか?
シャオシャオは漢字では暁暁と書き、“夜明けの光が差し、明るくなる”という意味を持っています。漢字で蕾蕾と書くレイレイは、“蕾(つぼみ)から美しい花が咲き、未来へつながっていく”という意味。
2021年10月18日に撮影されたシャオシャオ(左)とレイレイ(右)(Ph/(公財)東京動物園協会)
絶滅の危機にある野生パンダの保護へむけた大事な一歩としてジャイアントパンダの繁殖を行う、上野動物園の思いも感じられる名前がつけられたのです。
10月から母子3頭での生活がスタート
1頭ずつ、シンシンと過ごしていた双子パンダたちが3頭一緒に生活するようになったのは、誕生から4か月後の10月23日。

2021年10月25日に撮影された母子の様子(手前がシンシン。左奥からシャオシャオとレイレイ)(Ph/(公財)東京動物園協会)
11月の頭には、体重は2頭とも7kgを超え、20cmほどの段差を乗り越えたり、丸太に抱きついたり、2頭でじゃれ合ったりと、活発に動き回るようになっていました。
木登りをするなど活発な生活
レイレイは2022年1月30日、シャオシャオは2月1日に初めて運動場に出て、最初はすぐ室内に戻っていたものの、しばらくすると木登りをするようになったり、木の上で休んだりするようになったといいます。

2022年2月14日に撮影された木登りをするレイレイ(左)とシャオシャオ(右)(Ph/(公財)東京動物園協会)
2頭が仲良く1本の木に登っている姿も公開されました。
初めての氷を体験!
体格はシンシンに比べてかなり小さいものの、仕草や行動はすっかりパンダらしくなった2頭。2月には毎日の生活に刺激や変化を与える試みとして、室内展示場のプールに氷が入れられました。

2022年2月21日に撮影された、氷に近づくシャオシャオの姿(Ph/(公財)東京動物園協会)
レイレイは氷をかじったり、氷の上に乗ったりしていて、シャオシャオは恐る恐る氷にタッチする姿を見せますが、安全だとわかったのか、プールに入って遊んでいました。
母乳と人工乳ですくすくと成長
3月には、初めて運動場で授乳する様子が確認されました。シンシンが周りを警戒しながらレイレイに授乳し、いつもより短い8分ほどで終えたそうです。
体重の増加傾向をみながら補助的に人工乳も与えられている双子パンダたちは、人工乳もごくごくと飲み干し、食欲旺盛な一面も見せていました。

2022年5月23日に撮影された室内展示場での授乳の様子(左から、レイレイ、シャオシャオ)(Ph/(公財)東京動物園協会)
初めて食べた固形物はりんご
4月に入り、シンシンに与えられた旬の味覚・たけのこには興味があるようで、食べはしないものの、かじったり、器用に歯で皮をむいたり、おもちゃさながらに扱う姿も見られました。

2022年6月13日に撮影された、たけのこをかじるレイレイ(上)とシャオシャオ(下)(Ph/(公財)東京動物園協会)
そんな2頭は、5月にはじめて固形物のエサを口にしました。シャオシャオには5月13日、レイレイには5月10日にりんごの小片が与えられ、前足で持って少しずつ歯でかじりながら食べる姿が確認されています。
1歳になった双子パンダたちの個性
感情表現が豊かだというシャオシャオは、「楽しんでいる、怒っている、怖がっているというのがとてもわかりやすい」そうです。
一方、レイレイは2頭ともにお気に入りの擬木の上が取り合いになると、さっさと別の場所に移動して寝てしまうこともあり、要領よく行動している印象なのだそうです。

木登りを楽しむレイレイ(Ph/(公財)東京動物園協会)
シンシンからも飼育員からも大切に育てられた双子パンダの体重は順調に増え、誕生から1年経った今では、2頭とも30kgに近づいてきています。

母パンダのシンシンの背中にもたれるシャオシャオ (オス)と足元にいるレイレイ(メス)(Ph/(公財)東京動物園協会)
驚くほどのスピードで成長している双子パンダ。上野動物園では現在、シンシンと双子パンダに関しては抽選制で観覧を行っています。今後の成長を楽しみにしつつ、今だけしか見られない子供時代の姿を見に行くのもいいかもしれません。