『おかえりモネ』は天気予報への意識を変えてくれる 現実ともリンクする大型台風の接近

『おかえりモネ』は天気予報への意識を変えてくれる 現実ともリンクする大型台風の接近

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  • 更新日:2021/09/15
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『おかえりモネ』写真提供=NHK

過去にあまり例がないほどの大型台風12号が、日本列島に近づいていた。ウェザーエキスパーツでは「台風12号緊急対策室」を設立し、緊急会議を開く。気象庁も異例と言える台風に関する記者会見を準備。『おかえりモネ』(NHK総合)第88話では、百音(清原果耶)たちに、ただならぬ緊張が走る。

参考:『おかえりモネ』第89話では、朝岡(西島秀俊)が長野の河川の異変に気付く

この大型台風の注意すべきポイントは、発達しながら首都圏を直撃するおそれがあること。今までに経験したことのないほどの大雨が降るかもしれないことだ。そして、厄介なのが現時点で雨はほとんど降っていなく、視聴者が危機感を抱くのが難しいことである。

台風が上陸するまでのリードタイムは2日。百音たちの使命は、人々に避難の行動をしてもらうための注意喚起。しかし、外は快晴という天候に、高村(高岡早紀)をはじめとするJテレ気象班は頭を抱えていた。降り始めてからでは遅く、あっという間に暴風雨になって、避難しようと思った時には動けないーーそれをどのようにして伝えるかだ。

考えた末に、百音は映像で少し先の未来を見せることができないかと提案する。雨や風の強さを体験するリポートでその危険性を具体的に可視化すれば、「あの時、ああしていればよかった」を減らせるのではないかと百音は考えたのだ。結果的に、雨風シミュレーションを使った映像は視聴者に危機意識を持たせるのに成功する。朝岡(西島秀俊)からも「このタイミングでこれを見せるのはいいですね。具体的に何が起きるかイメージしやすい」といった評価を受け、汐見湯にテレビを観て近隣住民が避難をしに来たのはその結果の一例だろう。この3年で報道キャスターとしてすっかり信頼を得た神野(今田美桜)のアナウンスも、視聴者に危機意識を与える大事な要素だ。

実は「少し先の未来」というアイデアを百音に与えたのは、登米にいる菅波(坂口健太郎)だ。台風を心配する菅波からのショートメッセージ(成長!)、百音が無意識にわきに挟めていたサメのぬいぐるみを見て、百音は菅波に電話をする。

菅波が話すのは医者として、難しい状態にある患者には少し先の未来に起こるであろうことをできるだけ具体的に想像出来るように説明するということ。食事が取れなくなっているおじいちゃんの家族には、2~3週間後には体力が落ちて、起き上がることができなくなる、というように。何が起きるか分かっていた方が人間は心が安定し、ちゃんと行動ができるようになる。

「似てると思いますよ。医者と気象予報士」

菅波の言葉に2人は「どうかな」と照れ合う。この会話はいろいろな解釈ができる。気象予報士試験の本に書いてあった「気象予報士は命を守る仕事です」という文言を思い出せば、確かに似てるとも言えなくはない。あくまで似てるのは百音と菅波(の考え方)であって「どうかな」と言い聞かせているとも取れるし、正直言えばただの2人の惚気でも全然いい。

最後に記しておかなければならないのは、『あさイチ』(NHK総合)で鈴木奈穂子アナウンサーが伝えていたように、実際に、台風14号が週末にかけて西日本や東日本などに接近する見込みであること。特に青空を見せている関東ではイメージしにくいところが、奇しくも『おかえりモネ』のストーリーとリンクしている。『おかえりモネ』は日々、何気なく見ている天気予報への意識を変えてくれた。(渡辺彰浩)

渡辺彰浩

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