2045年、映画の世界がやってくる?AIのこれまでと未来予想図

2045年、映画の世界がやってくる?AIのこれまでと未来予想図

  • ZUU online
  • 更新日:2020/09/16

執筆者:株式会社ZUU

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途HP等でご確認ください。

2045年ごろ、人工知能(AI)が人間の脳の働きを超える“シンギュラリティ”がやって来ると言われています。AIにはすでに「X線の画像から病気を発見する」「自動運転」「工場の生産工程で不良品を見つける」といった仕事を任せたときの知的能力や自律的な学習能力に、大きな注目が集まっています。この記事では、AIのシンギュラリティと、さらにその先には何があるのか展望します。

■人間を超える?AIの世界

人工知能(AI)が「優れた知的能力を持って人間を支配する」といった、SF映画のようなイメージになるかは別として、これからの時代はAIの動向を見据えることが避けられないでしょう。

今後、数10年間にわたりビジネスにかかわる20代の人たちにとって、自分の仕事とAIの発達は密接な関係があると見込まれるからです。

■AIにおけるシンギュラリティとは?

シンギュラリティは「技術的特異点」という意味です。

AIのシンギュラリティとは、AI進化が無限大に発散される点を指します。つまり、AIが自律的に進化し続けることで自らの知能を高め、人間に代わって知的な活動を行いはじめ、これまでとはまったく異なる世界が登場する――そのような時点をシンギュラリティと呼んでいます。

人工知能研究の第一人者レイ・カーツワイル博士が、その著書『ポスト・ヒューマン誕生-コンピュータが人類の知性を超えるとき』(原題『The Singularity Is Near : When Humans Transcend Biology』、2005年刊)でこの考え方を提唱し、2045年ころまでにシンギュラリティに到達することを予測しました。

■AIの歴史と現在、これから

AIという言葉そのものは、すでに1950年代から使われてきました。単純な作業をくり返すだけではなく、自ら考えるように動作するのを特徴とするコンピュータ技術です。

こうしたAIが、みずから判断基準やルールを見つけ出しながら自律的に課題解決を行えるように大きく進歩したのは、深層学習(ディープラーニング)という技術が導入された2010年代からです。

象徴的な出来事は、グーグルの関連会社が開発した囲碁用のAI「アルファGo」が次々と最強のプロ棋士に勝利したことでしょう。2017年にデビューした「アルファGoゼロ」は人間が手本を示さず、囲碁のルールを教えただけで、AI同士が対戦をくり返すという自律的な学習をして強くなっていきました。

これまで多くの企業などで使われてきたのは、人間が与えたプログラムを忠実に実行していくコンピュータです。囲碁でプロ棋士を破ったとしても、それはメモリ領域に記録されたプログラムを実行した結果に過ぎません。

一方でシンギュラリティへ到達するためには、人間と同様に“思考するAI”の登場を前提にします。

これは、人間の脳の仕組みをモデルに開発された「ニューロコンピュータ」で、2030年代には人間が持つ脳の神経細胞のネットワークをコピーできると予測されています。現在使われているコンピュータとは前提とする仕組みが本質的に異なるのです。

ニューロコンピュータは2030年代に、人間に近い知性を持ったAIを実現し、2045年には人間と同様に思考し、人間の知性を超えるシンギュラリティが起きるというシナリオです。もしかすると、カーツワイル博士の予測よりも早くシンギュラリティに到達するかもしれませんね。

●シンギュラリティに到達したらどうなる?

現在私たちの住む世界には、海、川、大地などの「自然」のほかに、建築技術や機械によって効率化された「人工の都市」、さらに物理的には存在しないが仮想的につくった「バーチャル」とも呼べる世界の3つがあると考えてみましょう。

このうち、シンギュラリティによって、バーチャル世界の割合が増大するのではないかと考えられているのです。

新しい世界観は新たなニーズを生み出し、既存の概念にとらわれている企業は衰退し、新たなビジネスモデルが生まれ、発展していくことが予測されるでしょう。

■AIの可能性とリスク、人間が取り組むべきこととは?

人間の知能とAIを上手に組み合わせることは、世界中に蔓延する多くの課題を解決できる可能性を秘めています。

例えば、情報分野、ロボット工学、ナノテクノロジー、医学、などの分野で実用化が図られ、成果を収めるでしょう。AIは人間の脳よりもはるかに多くの情報を処理でき、しかも“疲れ”を知りません。物理的な処理能力の大きさという点でもAIの活用は有効です。

シンギュラリティがやってくることによって、それまでは人間の能力の限界で実現できなかった情報処理の時間短縮、複雑な問題の解決、品質や生産性の向上、コスト削減、知識の集約などができるようになると期待されているのです。

●“AIの暴走”はありえるのか、それが現実とならないために

ここまで紐解いてきた通り、AIは基本的にはコンピュータやインターネットを介して業務を進めます。コンピュータなどを使った仕事に限定すれば、AIは多くの場面で人間以上の生産性と効率性を達成できるかもしれません。

一方で人間にはこのシンギュラリティを機に、グローバルで取り組むべきことがあるでしょう。

統計によって導き出した「結果」に基づいて思考する能力や、怒りや紛争を最小化して共感したり貢献したりする能力、人間の道徳的価値に基づいて考える倫理的な能力などを実装することなど、いずれも“まるで人間のよう”でハードルが高く感じられますが、これらがAIの暴走を防ぐことにつながるでしょう。

アメリカでヒットし、日本語版も出版されたジェイムズ・バラットの著書『人工知能 人類最悪にして最後の発明』などを見ると、知識人を含めて「コンピュータが世界を乗っ取る」といったリスクを本気でとらえているアメリカ人が少なくないことがわかります。

人間の脳を模しているという意味で、AIの技術的な危険性についても軽視することなく、継続的にウオッチしておく必要がありそうです。

■AIを使ってどう仕事を進めるかを考えることが20代にとって不可欠

20代の人たちは、上の世代に比べればすでにAIの扱いに慣れていると言えるでしょう。今後、人間に近い知性を持ったAIが登場する2030年には30代、AIが人間の能力を超えるシンギュラリティが起こるとされる2045年には50代となり、AIの進化とともに、キャリアを重ねていくメインの世代ということになります。

変化のスピードが加速している現代、企業が生き残っていくためにはイノベーションが重要です。20代の人たちには、AIが社会や働き方をどのように変化させるか、そのビジョンを描いていくことが求められるでしょう。

参考:「シンギュラリティとは〜2045年問題〜」(リコージャパン株式会社コンサルティング推進室 広口正之)
「シンギュラリティ後の新世界を創るのは『あなた』だ」(日本「IBM THINK Business」)
「富士通総研経済研究所 経済・経営・技術読本 2015.1」より

(提供=UpU/ZUU online)

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