30歳を前にフリーになった前田敦子、映画の世界へより深く「自主映画や学生さんの映画にも」

30歳を前にフリーになった前田敦子、映画の世界へより深く「自主映画や学生さんの映画にも」

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  • 更新日:2021/04/19
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映画『くれなずめ』に出演する前田敦子<画像をもっとみる>

昨年末まで所属していた事務所を離れ、新たなスタートを切った女優の前田敦子。AKB48卒業後、名だたる映画監督のもと、女優としてのキャリアを積んできた彼女だが、最新作映画『くれなずめ』では、こちらも実力派監督として注目を集める松居大悟のもと、男同士の青春物語の中、紅一点キラリと彩を添えた。映画という世界に魅了された前田が、これまでの女優人生、そしてこれからの未来について思いを語った。

【写真】優しい表情でほほ笑む 前田敦子インタビュー撮り下ろし

■成田凌に約20回もビンタ! ブチ切れキャラを熱演

映画『くれなずめ』で前田が演じたミキエは、成田凌ふんする主人公・吉尾が高校時代から憧れていた女の子。曲がったことが嫌いで、ふがいない男子にブチ切れまくるという、非常に個性的なキャラクター。成田のほか、高良健吾、若葉竜也らによって描かれる男同士の青春物語の中、強い印象を与える役だ。

前田も台本を読んで「ずっと怒っていて、かなりのインパクトがある役。作品の良いアクセントになればいいなと思って臨みました」と語ると、松居監督からは「勢いよく、切れまくってほしい」とアドバイスを受けた。

特に成田演じる和希の頬を叩くシーンでは「そこまでやるか…というぐらい叩きました。合計20回以上は…」と苦笑い。松居監督ならではの、野郎どもの悶々(もんもん)とした青春が昇華されていく展開に「撮影中は、男性陣が本当に盛り上がっていて、あのワチャワチャ感は男子校のノリというか、すごいパワーでしたね」と撮影を振り返る。

■生まれ変わるとしても女の子になりたい

さらに前田は「男性というのは、友達の存在というのがとても大きいんだなと感じました。間隔が空いても会った瞬間、当時にタイムスリップできるのは、男子ならではだと思います」としみじみ語る。

前田自身、AKB48という女性だけの集団で青春時代を過ごしているが「やっぱり女の子同士とはまったく違うと思います。AKB48の同期メンバーは、私を含めて子どもを産んでいる人も多く、会っても当時のことというよりは、いま現在の話が多いんです。ある意味では男性たちの友情ってうらやましい気もしますね」と胸の内を明かす。

それでも「やっぱり次に生まれ変わるとしても女の子がいいです」と笑うと「まだまだ、女性ならではの楽しみはたくさんあると思うし、もっと女の子の幸せを経験してみたい。それをやり切ったら、次は男の子になりたいですね」と語った。

■映画の世界の一員になりたいと思って卒業したAKB48

映画デビュー作となった『あしたの私のつくり方』(2007年公開)の市川準監督をはじめ、山下敦弘監督、廣木隆一監督、熊切和嘉監督、黒沢清監督、石井裕也監督、冨永昌敬監督ら映画好きにはたまらない監督たちのもと、経験を重ねてきた前田。

本作の松居監督も話題作を次々に世に送り出し、『バイプレイヤーズ ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』(公開中)では、名優たちが次々登場する作品で指揮をとるなど、いま最も注目度の高い監督の一人だ。

「松居監督とは、以前友達と下北沢を歩いているとき、偶然すれ違いました。その友達が松居監督と面識があって、そのときに監督が演出する舞台に私も一緒に誘っていただいたんです。その作品がメチャクチャ面白くて、いつかご一緒できたらいいなと思っていたので、監督の作品に参加できて本当にうれしかったんです」。

一流の映像作家からのオファーが絶えない前田。「映画の世界の一員になりたいという思いでAKB48を卒業したので、皆さんが温かく迎えてくれたことが、本当にうれしかった。少しずつですが、いろいろな方にご縁をいただき、こうして映画の世界でお仕事ができています。ありがたいことです」と感謝の言葉が止まらない。

■一人でやるなんて1年前にはまったく想像していなかった

そんな前田は、2020年12月末日で、これまで所属していた事務所を辞め、フリーランスとして新しいスタートを切った。そこには、枠にとらわれず、より深く映画の世界に没入したいという思いもあった。

「これまでは作品に呼んでいただくという形が基本でしたが、もっと手前での出会いも大切にできたらなと思っています。面白いと思ったらどんな形でも参加したい。それが自主映画や学生さんの企画でも、すてきだなと思ったところにはどんどん飛び込んで、活動の幅を広げたいです」。

こうした思いには「自分を枠に入れたくない」という前田の考え方が影響している。出会う人が多くなればなるほど、予期せぬ出来事にも遭遇する。そこを楽しみ、柔軟に対応し、規模の大小を問わず、面白いと思ったことに、積極的に参加する。そんな人々が映画業界にはたくさんいると前田は感じ、自分もその一人になりたいと願っている。「年を重ねると、なかなか無邪気になることって難しくなっていくのですが、そこを思い切り楽しめる人間になりたいです」。

今年の7月で30歳を迎える前田。「一人でやっていくということも、1年前の自分では想像できなかったこと。だから先のことはまったく分からないのですが、ずっとワクワクしていきたいです」と未来に思いを馳せていた。(取材・文:磯部正和 写真:ヨシダヤスシ)

映画『くれなずめ』は4月29日全国公開。

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