
この記事をまとめると
■大好きな愛車の唯一の欠点を挙げていただく本連載
■今回はモータージャーナリストのまるも亜希子さん
■MINIクロスオーバー クーパーSDについて語っていただいた
デザイン性だけでなく実用性も兼ね備えている
自宅周辺の狭い道でも扱いやすく、長距離走行が多い仕事のアシとして頼もしく、冬にはスキーにも出かけるファミリーカーとして十分なユーティリティと走行性能を備えるSUV。おまけに、デザインがよくてシートが快適で、燃費もよい方がありがたい。という、とてもワガママな条件をすべてクリアして愛車となった1台が、MINIクロスオーバーのクーパーSDでした。当時はすでに新車の納期がとんでもなく長かったので、即納される中古車のなかからチョイス。前期モデルと後期モデルで悩みましたが、3軒目に見にいったショップでブラウンレザーシートのインテリアを持つ前期モデルにヒトメボレ! テールランプがユニオンジャックモチーフになる後期モデルも捨てがたかったのですが、MINIクロスオーバーではほとんど見かけないガラスルーフが装備されていたり、シートヒーターやパワーシートが装備されていたり、ブルーにブラックルーフという大人っぽいカラーコーディネートも気に入り、決めたのでした。
もともとはスポーティでシンプルなインテリアが好みなので、MINI全般のデコラティブな雰囲気は苦手だったのですが、実際に毎日使ってみると、スイッチひとつとってもただデザイン重視で作られたものではないということがわかります。走行中でも見やすいメーター、サッと手が届くスイッチや収納スペース。それがわかってくると、「これだけのMINI独自の世界観をデザインしながら、しっかりと実用性も兼ね備えている」ことに感心するばかり。ダッシュボードのセンターにデンと置かれている丸いディスプレイのなかにナビが表示されたり、車両設定などができるのも、慣れてくると使いやすくて今では気に入っています。

また、家族で出かける時には私が後席に座ることが多いのですが、座面長はちょっと短めかなと思うものの、足もとスペースは広いし、座り心地もいいし、後席のリクライニングもあってラクな姿勢で過ごせるのがありがたいところ。USBポートも2個あり、コンパクトクラスでは珍しく後席用のエアコンアウトレットもあるので、猛暑の日も快適でした。ラゲッジスペースはややフロアが高めなのですが、日常の買い物などの荷物は後席を使用していてもしっかり積めるし、6:4分割で倒せばちゃんとフラットになるので、家族3人+スキー旅行の荷物も入って大活躍しています。
ワイパーの作動タイミングが感覚と合わない!
2リッターディーゼルターボの走りは、パワフルのひと言。トルクが400Nmもあるので、ストップ&ゴーの多い市街地でもモリモリと余裕たっぷり。車線変更や合流の一瞬の加速が勇ましいので、ノーストレスです。高速走行はもう、AWDのドッシリ感とともに豪速球で駆け抜けていけるので、この時だけはもっと大型のクルマを運転している気分になるほど。18インチタイヤですが、道路の継ぎ目やうねりなどでちょっと跳ねるので、もう少し乗り心地がアップすればいいなと思うものの、おおむね満足しています。ちなみに現時点の平均燃費は、高速6:一般道4くらいの割合で16.5km/L。WLTCモード燃費が15.7km/Lなので、めちゃめちゃ優秀ですね。
ただ1つだけ不満なのは……雨の日。オートワイパーというか、一定間隔の設定も含めて、ワイパーの作動タイミングがまったく自分の感覚と合わないので困っています。オートワイパーをオンにしておくと、どんなに雨が強くても20km/h〜40km/hくらいまでの低速だとなかなか拭いてくれません。いつも、耐えきれず自分でワイパーのスイッチを押して拭いてしまいます。そして40km/h〜70km/hくらいになると、今度は一変して頻繁に拭きはじめるのでビックリ。小雨くらいでもガーガーとずっと拭いているので、ガラスに傷がつくんじゃないかと心配になってしまいます。

なので、仕方なくオートワイパーを切り、手動で自分が拭いて欲しいタイミングに合わせてスイッチを押すのですが、とても面倒。なんとかならないものかなと、いまだに試行錯誤しています。でも何回かに一度は、すごくタイミングよく拭いてくれる時もあるという、気まぐれがちょっと可愛いんですけどね。雨滴感知センサーの不良なのか、雨の当たる角度などが影響しているのか、原因はよくわかりませんが、大好きな愛車の数少ない不満点です。まぁ、昔乗っていたイタリア車や70年代のビートルなんかからすれば、これくらいの不満なんて不満のうちに入らないですね。というわけでMINIライフ、楽しんでいます!
※画像はすべてクーパーS


まるも亜希子