ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008、その個性を探るガストロノミー体験

ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008、その個性を探るガストロノミー体験

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2022/05/20
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「2008年」と聞くだけで、シャンパーニュラヴァーの誰しもが心躍らせる。生産者やスペシャリストはこの年を「世紀のヴィンテージ」と評しており、2008年ならではの凝縮したエネルギーと類稀なるポテンシャルを持ったシャンパーニュは、既に多くの愛好家を魅了してやまない。

この春、その年を掲げる「ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008」が満を持してリリースされた。奇跡の年が生んだ極上のブドウが、巧みなアッサンブラージュと長きに渡る瓶内熟成により、どのような変化を遂げているのか。はやる気持ちを抑えながら、お披露目会場となったコンラッド東京へ足を運んだ。

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「THE THRILL OF THE UNKNOWN」と題された今回のイベントは、単なるテイスティング会にとどまらない。ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008の世界観を表現した唯一無二のエンターテイメントとして提案され、ゲストは会場に足を踏み入れた瞬間から、めくるめくロゼの世界へと引き込まれてゆく。

注目はなんといっても、今年3月に発表された「アジアのベストレストラン50」で3位を獲得した「フロリレージュ」川手寛康シェフによるマリアージュの提案だ。

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川手寛康シェフ(左)

その前に、まずは単体でドン ペリニヨンをテイスティングしてみる。その特徴を端的に表現すると、ミステリアスという言葉が近いのかもしれない。ラズベリーやアセロラ、ヴァイオレットやグリーンハーブ、フルーツとシナモンをたっぷり含んだパンデピスやピンクペッパー、凛としたミネラルのニュアンスなど、香りの要素が実に豊富で複雑性に富んでいる。

成熟したブドウの個性を素直に表現したピュアな側面を持っているかと思えば、惹きつけて離さない蠱惑的な一面も見え隠れし、大らかさと緊張感、力強さと繊細さ、エキゾチシズムと郷愁が絶妙なバランスで共存している。

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このような、シャンパーニュが見せる変幻自在な表情を5つのフェーズに分け、川手シェフの料理とのペアリングによりそれぞれの個性を引き出すことが今回のテーマだ。ドン ペリニヨン ロゼ 2008のミステリーを紐解く、ガストロノミックな挑戦「5 PHASES」をここにご紹介したい。

CHIAROSCURO/光と闇のコントラスト 帆立

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ドン ペリニヨン ロゼを構成する白ブドウ シャルドネのライトな側面と、黒ブドウ ピノ・ノワールのダークな側面の両者にフォーカスしたアプローチ。

フレッシュな帆立がシャルドネの清々しさに寄り添うと同時に、海苔の繊細な磯の風味がピノ・ノワールの奥深さを引き出し、美しいコントラストが生み出される。谷崎潤一郎氏の随筆『陰翳礼讃』に謳われる、「光があるからこそ感じることができる闇の美しさ」を実感できた。

UNTAMED&CARNAL/大胆で野性的 ビーフジャーキー

次に登場した料理はまさにワイルド。サステイナビリティを提案する「フロリレージュ」の店舗ではスペシャリテに”経産牛”を取り入れているが、今回はその経産牛がビーフジャーキーとなって登場する。

その凝縮した旨みが、シャンパーニュに内包された凄まじいエネルギーを引き出している。黒トリュフやカブ、フェンネルの花のピクルスがあしらわれることで、単なるパワフルさだけではない複雑性をも保持。添えられた骨髄スープは滋味にあふれ、ドン ペリニヨン ロゼの旨みに寄り添う。

MAGNETIC/惹きつけるような魅力 ビーツ

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ビーツを塩釜でじっくり焼くことで表現される、完熟フルーツさながらの凝縮された甘味は、タイトル通り食する人を完全に虜にする。トレビスやエシャロットが奏でる香味も魅惑的で、ドン ペリニヨン ロゼと合わせることにより、ピノ・ノワールの華やかな果実味やジューシーさが引き出されていく。添えられたビーツのアイスクリームにはストロベリービネガーがあしらわれ、その甘酸っぱさはシャンパーニュの持つベリー系の果実味と酸味に見事に調和する。

VIBRANT/躍動感あふれる鮮やかさ 鴨

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油をかけながら香ばしく火を入れた鴨肉は、パプリカパウダーやカレーパウダー、唐辛子オイルを使った鮮やかなピューレと共に供される。上に鎮座するヒメニンジンのローストは、山椒、クミン、コリアンダー、そしてキャラメルでキャラメリゼされているのだとか。

様々なスパイスを纏ったニンジンが鴨の味わいにヴィヴィッドな色彩を与え、そこに活き活きとしたドン ペリニヨン ロゼが溶け込むことで、口中で新たな共鳴が生まれてゆく。

TACTILE/触感 アマゾンカカオ

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デセールはドン ペリニヨン ロゼの持つ様々な質感にフィーチャーしたアプローチ。カカオで作ったパイ生地のサクサクした食感、チョコレートのカスタードクリームの滑らかさ、キャラメルシートの艶やかさ、そしてクランチパウダーの弾ける食感……。それらがシャンパーニュのシルキーさやクリーミーさ、クリスプな発泡と同調し、甘美で儚い余韻に繋がっていく。

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ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008 |5万3130円

様々な表情を持つこのミステリアスなシャンパーニュは、多彩なエッセンスを内包しているがゆえ、あらゆる角度からのアプローチに柔軟に対応してくれる。川手シェフ曰く「様々な要素を受け入れてくれる懐の深さ」があるのだという。

どんな料理にも、季節にも、天気にも、シーンにも、さらりと寄り添ってくれる包容力を持ちながら、確固たる芯をあわせ持ち、常に飲み手を魅了してやまないドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008。今回は、このミステリアスなシャンパーニュの何層にも重なるヴェールを、少しだけ剥がすことができた。それでもまだ、知らない魅力が隠れているはずで、その未知なる部分をもっと垣間見たい。気づけば私は完全にこのシャンパーニュの虜になっていた。

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