「調教されて風俗入り」は意外と多い? “家畜部屋”で暮らした女性の“リアル”な過去とは

「調教されて風俗入り」は意外と多い? “家畜部屋”で暮らした女性の“リアル”な過去とは

  • サイゾーウーマン
  • 更新日:2018/05/14
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そのスマホ広告は、誰でも1度は見たことがあるはずだ。可愛らしくポップでライトなテイストの、風俗嬢が主人公の漫画広告を。引き込まれるように思わずクリックした人も少なくはないだろう。

どこにでもいる地味女子の、風俗嬢としての日常を描いたコミックエッセイ『リアル風俗嬢日記〜彼氏の命令でヘルス始めました』(竹書房)。

リリースされるや、電子コミックサイト「めちゃコミック」の総合週間ランキングでナンバー1にランクインし、現在も高順位をキープ。5月17日には単行本第2弾も発売される同作は、作者であるΩ子さんの実体験がベースとなっている。

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「彼氏の命令」という、聞けば聞くほど理解しがたい“風俗入りしたきっかけ”や、世間一般のイメージにある“やさぐれて闇を抱えた風俗嬢像”を塗り替える、仕事に対する思いなど、リアルな本音をΩ子さんにうかがった。――同作が漫画化された経緯を教えてください。

Ω子さん(以下、Ω) 働き始めた当初、風俗店特有のシステムや、変わった性癖のお客様と触れ合うなかで、「こういうことを漫画にしたら面白いのになあ」と思っていました。もともと漫画を描くのが趣味だったので、そうした、自分が面白いと思った日常を反映した4コマ漫画をTwitterアカウントにアップするようになったのが、2016年の春頃でした。そうしたら、それから2カ月足らずで現担当編集さんから「連載しませんか」と声をかけていただき、びっくりしました。まさか仕事につながるとは思っていなかったので。

担当編集 その頃、数人の風俗嬢の方のTwitterアカウントをフォローしていたんです。あるときを境に、みんな同じ漫画を「あるある!」「わかる!」なんて言いながらリツイートしだして。それが、Ω子さんの漫画でした。何度も流れてくるんですよ。風俗嬢の方々に、かなり刺さったんだろうなあ、と。

<プレイ中、感じていないのがバレるから目を開けられない>

<目は口ほどにモノを言う>

などの“風俗嬢あるある”を、わかりやすくユーモアたっぷりに描写した4コマが、瞬く間にバズった。『リアル〜』でも、嫌な客を満足させなきゃいけないときは、「『チンコ頑張れ! チンコ頑張れ!』とチンコと会話するようにしている」や、クリトリスと入り口をこねこねとする男に対し、「うどんか!!」とツッコミを入れるなど、ライトな下ネタは同業者でなくともくすりと笑ってしまうはずだ。

――同業者からの共感は、うれしかったですか?

Ω そうですね。当時は同業者や元同業者の友人が1人もおらず、1人で考えて1人で描いていたので、同業者の方に「面白い」と言っていただけたのはうれしかったし安心しました。

――電子コミックサイトのレビューを読むと、「こんな世界があるんだと、知らない世界を面白く知れてよかった」など、一般読者からも好評を博しています。

Ω それは意識して描かせていただきました。風俗を舞台にした漫画って、お客様をひどく描いたり、風俗嬢がやさぐれていたりする作風が多いな、という印象が強いですよね。でも実際に働いている身としては、「わりと楽しいこともあるのになあ」と。そういったことを伝えたくて、漫画にしたかったという側面もありますね。

――フラットで等身大で、作中の至る所にユーモアが散りばめられ、これまでの“風俗=闇”といった印象が払拭されるのが、Ω子さんの作風の特徴ですよね。一方、唯一、不穏な雰囲気を醸し出しているのが、風俗入りしたきっかけです。

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サブタイトルにもなっている通り、「彼氏の命令」が、風俗界に足を踏み入れたきっかけだ。が、第1話開始早々、「入店のきっかけは――…まあこういう暗い話は後ほど」と濁し、まずは入店面接をポップに回想する。そして数ページ後、「暗い話は後ほど」の約束通り、Ω子さんは明かすのだ。

『なぜ風俗嬢になったのか事情は様々だと思います

「借金」

「単純にお金が欲しい」

「夢のため」

「好きな人のため」』

Ω子さんは、「好きな人」という名の、“M奴隷”として主従関係を結んだ“ご主人様”のためだった。彼の命令で働き始め、売り上げも渡していた。しかし報われることなく、徐々に精神を病んでゆく。当時はそうした働き方に「何の疑問も持たなかった」と、Ω子さんは述懐する。

――ご主人様の描写は、少し触れただけでも異常さが際立っていました。“ご主人様”って、何者なんでしょうか? 「なんなんだこいつは!?」と、イチ読者としてつい腹が立ってしまいました。

Ω 読者の方からも、「この男、許せない!」といったご主人様への怒りのメールをいただきます(笑)。

――ご主人様とは、どういった経緯で出会ったのでしょうか?

Ω とある学校に通っていたときの臨時講師として、月に何度か講義を受けていました。そのときは普通に“講師と生徒”でしたが、卒業後、私含めて何人かが、個人的に先生の元で直接指導を受けるためのグループに引き抜かれたんです。

――それが世にも恐ろしき“奴隷グループ”だった……と!?

Ω いえ(笑)。男子生徒もいましたし、その時点で「女子をはべらすため」という印象はありませんでした。ですが次第に、男子含め数人が抜けたり、代わりに新たな女子が入ってきたり、グループがぐちゃぐちゃになってきた頃から、異変を感じるようになりました。そのひとつが、もともと、地味でおとなしかった女子が、みるみる派手になってゆき、垢抜けていったこと。そのときはまったく知りませんでしたが、実は彼女、在学中から調教され始めていたんです。最終的に、そのときいた4人が全員調教され、奴隷グループになってしまって。

――ちょ、ちょっと待ってください。さきほどから「調教」とサラッと言いますけど、いきなり「調教」するんですか? もともとSM愛好家の集まりなどなら理解できますが、Ω子さんたちはそうした趣旨で集まったのではないんですよね? 「調教」ってそんな日常的なものでしたっけ……?

Ω 私にとっては当たり前のことすぎるんですが、担当編集さんからも、いつも同じように突っ込まれています(笑)。

ご主人様は、人の心をつかむのが抜群にうまい、頭の良い人でした。思えば、引き抜かれてグループに入った当初から、徐々にマインドコントロールされていたんだと思います。ささいな失敗でも、「お前はダメな人間だ」と、ひどい言葉で責められる。私が原因ではなくとも悪い結果を招けば「おまえのせいだ」と、やっぱり責められる。そんなふうに罵倒され続け、「おまえはクズだから、俺がいないと生きていけない」と刻み込まれて、本当にそうなってしまいました。

――ささいな失敗とは、たとえばどんなことですか?

Ω 本当に細かいことです。「作業がもたついた」とか、「ご主人様の知人への事務メールの返信がちょっと遅かった」とか。

――そんなことで責められることに、疑問を抱かなかったのでしょうか。

Ω 疑問を持たせないようにしていたんだと思います。その手口のひとつが、グループ以外との接触を断つこと。バイトを辞めさせられたし、「ネット環境を切れ」と言われ、毎日ずっと閉鎖されたグループにいました。そういったごく狭い世界で「おまえは間違っている」と言われ続けると、「私が全部悪いんだな」と思い込んでしまって、「先生がいないと生きていけない」という心情になっていました。それが、調教序盤で、そうした日々が3〜4年続きました。

――それでまだ序盤……。

彼女たちは共同生活を送っていた。みな、Ω子さんと同じようにご主人様の命令で風俗店に勤め、売り上げを渡していた。作中、『私たちの存在価値は「常にご主人様の為に尽くすこと」風俗で働くこともその1つだった』と、彼女たちの勤務動機が描かれている。

――4人で一緒に住んでいたんですね。

Ω 実際には私は1人暮らししていて、ある日からもう1人が同居するようになり、それとは別に他2人が住む家畜部屋があって、そこでみんなでSMプレイをしていました。

――“家畜部屋”って、なんなのでしょうか……。そこでは何が行われていたんですか?

Ω SMプレイをするようになったのは終わりの1年ほどなんですが、私が初めてご主人様と体の関係を持ったのもそこでした。2人でいい雰囲気になっていると、ほかの子たちが帰ってきて。ぎょっとしていると彼が「おいで」と言い、彼女たちとおっぱじめたんです。で、「こいつらは、お前よりずっと前から調教済みなんだよ」とカミングアウトしてきて、さらにびっくり。「こいつらはおまえにとって先輩なんだから、おまえは俺とこいつらにも尽くさなきゃいけないんだぞ」と言いながら、乱交になりました。

――乱交の内容は、どんなものですか?

Ω ご主人様を含めた3〜4Pが主でした。ご主人様の命令で奴隷同士の女性器を舐め合ったり、ご主人様と代わる代わるセックスしたり。

――最初からそんなプレイをすることになるなんて、普通はドン引きしそうですが……。

Ω あ、でも、肉体関係を持つ以前から、「常に装着してすごすように」と命令されてアナルジュエリーや乳首クリップをしていて、M奴隷としてだいぶ調教されていたから、びっくりする程度でした。むしろうれしかったです。ちなみに、そういう器具って痛いじゃないですか。でもそれも、「ご主人様が私のために与えてくださった痛みなんだ」と脳内変換されていましたね。

――完全に仕上がっていたんですね。

Ω 私以外の3人は、もっとすごいんですよ。ご主人様が「おまえは、『3・2・1』と言われたら、イクんだからな? はい、3・2・1、イケ」と言った瞬間、指1本触れてないのに興奮しだしてイクんですよ。“脳イキ”というそうなんですが、あれを見たときは衝撃でしたね。

――魔法使いじゃないですか!

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知らずに“奴隷ヒエラルキー”の最底辺に位置付けられてしまったΩ子さん。毎日働いたが指名は増えず、比例してご主人様にむげに扱われ、嫉妬ゆえほかの女性とも衝突し、精神はみるみる疲弊してゆくのだった。

――彼の風俗勤務命令の目的は、なんだったのでしょうか? みなさんの売り上げが目的ですか? それとも「人間を思い通り動かす」ことの一環だったのでしょうか。

Ω SMプレイの一環としては、珍しくないようです。私の店にも同じような境遇の子がいましたし。でも、ご主人様はいいパソコンに買い換えたりしていたので、金銭搾取目的もあったのかもしれませんが(笑)。奴隷のなかの1人がタフで、朝から夕方までヘルスで働き、夕方から夜まではソープで働いていました。休みは4人とも生理中と週1回。売り上げはすべて渡し、そこから生活費だけをもらっていました。でもそれも、「これにいくら使いました」という申告制でしたね。

――「同じような境遇の子」について、作中では、暴力を振るわれていたような描写もあります。暴力って、普通に嫌というか、警察沙汰ではないかと思うのですが。

Ω ですよね。でも、調教やマインドコントロールされているときは、痛みを感じなくなっていました。今でも覚えているのが、私が落ち込んでいるのを態度に出したら、「被害者ぶるのか」と、ご主人様の怒りを買ったときのことです。つらい言葉で責められ続け、張り手をされました。そういったことが毎日続いていたので病んでいた私は、路上でヒステリーを起こし、「もう無理です」と泣き叫んだんです。「全部やめるのか」「やめます」というやりとりのあと、家まで送られ部屋に入った瞬間、抱きしめられ、こう言われました。「おまえはやめると言うが、俺から離れられるのか」。私は泣きながら、「無理です」と言いました。するとご主人様は、「そうだ、俺がいないと生きていけないよな。だから俺にご奉仕し続けろ」と。手を上げられた直後は、そうした“アメ”がありました。

――そこまでされても、なお離れられなかったご主人様への思いは、どんなものだったのでしょうか?

Ω 「とにかく愛されたい」に尽きます。「愛されたい」もおこがましい表現ですが。にもかかわらず、構われない日々が続き、病み、ずっと泣いていました。末期は、泣くことすらおこがましいと感じて、涙も出ず……何をしていたんだろう……ひたすら風俗で働いていましたね。泣けるようになったきっかけは、ゴールデンボンバーです。

――え?

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Ω 『元カレ殺ス』という曲をたまたま聞き、最初は「みっともない嫉妬をさらけ出して、なんて恥ずかしい歌詞なんだろう」と思っていたんですが、毎日聞くうちに「醜い部分があっても、生きていていいんだ」と衝撃を受け始め、ゴールデンボンバーにハマって毎日泣きながら聞きました。

――まさか鬼龍院翔さんも、ひとりの奴隷が解放されることになるとは思わなかったでしょうね。

Ω 笑っちゃいますよね(笑)。音楽を聞くことがこんなに楽しいのかと。こんなに楽しい世界があるのに、「もしご主人様といる時間が永遠に続くなら……」、それは、地獄だな、と。「捨てられたら生きていけないと思っていたけど、こんなに楽しいものがあるなら、捨てられても生きていけるのでは」という考え方に変われたんです。最終的に、あれだけ一緒にいたのに、メールで「やめます」「わかった」で、おしまい。マインドコントロールが解けた瞬間でした。

――今、ご主人様に対してどんな感情を持っていますか?

Ω 憎くもないけど、平和に生きていきたいから関わりたくないです。今ちょうど、こうしたご主人様とのエピソードを執筆中で、『リアル〜』と同じく「めちゃコミック」で先行配信される予定です。夏〜秋頃にはみなさまに読んでいただけるようになっていればと思います。

指名も少ない“お茶っぴき嬢”だったΩ子さんだが、マインドコントロールが解けたことで仕事へのやりがいが見え始める。仕事の楽しさを見いだした一方、“身バレ”攻防戦も勃発し……楽しみながらも波乱含みの風俗嬢ライフは、後編へ続く。

(文=有山千春)

後編は5月13日配信

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