乾&浅野か、それとも原口&久保か。ベルギー戦へ、ハリルJの鍵になるサイドの人選

乾&浅野か、それとも原口&久保か。ベルギー戦へ、ハリルJの鍵になるサイドの人選

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  • 更新日:2017/11/12
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乾貴士、ベルギー戦には先発濃厚か【写真:Getty Images】

ベルギー戦は乾&浅野が両サイドで先発か

日本代表は11日、ブラジル戦から一夜明けて練習を再開した。次なる相手はベルギー。こちらも欧州で圧倒的な強さを見せつけてきた強豪中の強豪である。3バックの採用が予想される相手に対し、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はどのようなプランを用意しているのだろうか。鍵になるのは両サイドの人選かもしれない。(取材・文:元川悦子【リール】)

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ネイマール(PSG)、マルセロ(レアル・マドリー)、ガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)に3失点し、1-3で惨敗した10日のブラジル戦(リール)。日本代表から外れている本田圭佑(パチューカ)が「(ブラジルとの)差が縮まるどころか広がってる」とツイートするなど、日本の戦いぶりにはネガティブな評価が目立つ。

しかし、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は一夜明けた11日午前、リール市内でトレーニングに臨み、冒頭の17分間のミーティングで「前半の立ち上がりと後半の立ち上がりではだいぶ差があった。後半は改善点がたくさん見られた。せめてあのスタートでやらないといけない」と改めて選手たちを鼓舞。14日の次戦・ベルギー戦(ブルージュ)に強気の姿勢で挑むことを再確認した。

前日のスタメン組がリカバリーに努め、後半から出場した浅野拓磨(シュツットガルト)、乾貴士(エイバル)らが8対4、6対6+GKなど実戦に近いメニューを消化。ベルギー戦は彼らが両サイドでスタメン出場することが有力視されている。

ブラジル戦の浅野は先発した久保裕也(ヘント)に代わって後半頭から出場。持ち前のタテに抜けるスピードと相手の背後を突く推進力を前面に押し出し、攻撃を活性化した。

「ボールを奪った瞬間、持った瞬間から裏に飛び出せという指示を受けてピッチに入った。前半見ていてシュートがないなと感じていたので、たとえ入らなくてもムチャでもいいから1回シュートで終わろうかなと思いました」と後半開始3分の思い切ったアタックを述懐する。

これを手始めに、アグレッシブさを45分貫き、後半アディショナルタイムには森岡亮太(ベフェレン)とのワンツーで抜け出した酒井宏樹(マルセイユ)の折り返しに反応。ゴール前でフリーになる絶好のチャンスを迎えた。が、右足をうまくミートすることができなかった。

「すごく悔しいですけど、続けていくしかない。ああいう場面があったらどんどん中に入ってシュートが入るまでやるしかない」と浅野はへこたれずにチャレンジャー精神を持ち続けている。その前向きさは次につながっていくだろう。

3バック採用のベルギー。攻略のカギはサイド?

一方の乾も、70分に原口元気(ヘルタ)と交代。爆発的なスピードと高度なドリブル技術を駆使してリズムを変化させていく。82分には中央寄りの位置から杉本健勇(C大阪)に巧みなスルーパスを出し、88分には同じく杉本の「幻のゴール」をお膳立てするフリーキックを蹴る。

同じリーガ・エスパニョーラでプレーするカゼミーロ(レアル・マドリー)への果敢な仕掛けから得たチャンスだったが、こうした落ち着きはスペインで修羅場をくぐってきた経験値の賜物だろう。原口も試合開始時からハードワークでチームに貢献していたが、得点につながりそうな形は乾の方がより多く作っていたと言えるのではないか。

この戦いぶりを踏まえて、2人が両サイドでスタメン出場する場合には、前からのハイプレスとハードワークはもちろんのこと、より攻撃に関与する回数を増やさなければならない。そのためにも、相手の出方をしっかりと見極め、守備面ではプレスをかけにいくところと下がるところの意思統一を明確にし、守から攻への切り替えを普段以上に素早くしていく必要がある。日頃から欧州でプレーする2人はベルギーと対峙しても感覚的な違和感や戸惑いはないはず。強気のメンタルを貫けるはずだ。

2016年欧州選手権直後からベルギー代表を指揮するロベルト・マルティネス監督は3バックを採用している。ロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)、ミヒ・バチュアイ、エデン・アザール(ともにチェルシー)、ケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)といった攻撃陣の卓越した個の力を生かすスタイルを採っている。

3バックの性質上、両アウトサイドに能力の高いトマ・ムニエ(PSG)とナセル・シャドリ(ウェストブロムウィッチ)のような選手たちがいても、彼らの裏は空きやすい。浅野と乾にしてみれば、そこが大きな狙いどころになってくる。

酒井宏樹(マルセイユ)、長友佑都(インテル)ら背後にいるサイドバックとともに2対1の状況を作ったり、インサイドの選手との連係でゴール前に侵入したり、考えられる攻撃のパターンやアイディアはいくつもある。

振り返ってみると、2018年ロシアW杯アジア最終予選突破を決めた8月31日のオーストラリア戦(埼玉)でも、乾と浅野がスタートからピッチに立った。彼らは入りからスパートをかけ、力尽きるまで駆け回り、久保と原口と交代している。今回もそういうイメージで体力の続く限り、走り切ってほしいものだ。

W杯に向けて両サイドの人選に選択肢を

浅野と久保の右サイドを比較すると、ブラジル戦に先発した久保は45分間通して守備に忙殺され、攻撃時に孤立してしまった。不完全燃焼感を覚えたままピッチを後にしている。「もうちょっと前でボールを奪いたかったけど、全体に引いてしまっていた。ネイマールがボールを持った時に(酒井)宏樹くんと挟みにいくように言われていたので、それはできたけど、攻撃のところのクオリティを出せなかった」と本人も悔しさを吐露していた。

仮に浅野が試合の頭から出ていても、同じような苦しみを味わっただろうし、ブラジルの守備が緩くなった後半から久保が出ていれば、ゴール前でフィニッシュの精度の高さを発揮できた可能性もある。それを見極めるためにも、2人を反対の順番で起用するテストをこの機会にやっておくことは今後に向けて重要だ。

それは左サイドにも言えること。タッチライン際を上下動し、凄まじい勢いでとスプリントを繰り返せる原口は、ブラジルの右サイドバック・ダニーロ(マンチェスター・シティ)のマークと、ウィリアン(チェルシー)に対するプレスバックに追われて本来の攻撃の鋭さを出し切れなかった。乾が出てきた終盤の時間帯はブラジルも勝利を確信し、プレーの強度が下がっていたからドリブラーとしての力を発揮しやすかったのだ。

原口も後半に出れば、同じだけの仕事ができるポテンシャルはある。最近1ヶ月はヘルタ・ベルリンで2試合しか出場していないため、絶好調だった昨年同時期に比べるとゴールに向かうキレや感性がやや失われているところもあるが、ベルギーのアウトサイドや3バックの選手はブラジルほど攻撃的ではなく、日本側が主導権を握ってチャレンジできる可能性がある。

それを視野に入れて、乾と浅野が強度を落とすことなく、畳みかけていけば、サイドアタックの迫力は一層高まる。そんな形になれば理想的だろう。

ハリルホジッチ監督は、戦力をうまく回しながら強豪から勝ち点をもぎ取ることを考えている。そのためにも、両サイドの使い分けというのは考えていかなければならないテーマとなる。まずは浅野と乾の動向を見つつ、久保と原口をどう組み合わせていくべきか。そこに注目して日本代表のベルギー戦をチェックしたい。

(取材・文:元川悦子【リール】)

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