「医者イジメの村がまた医者を公募」はデマ 「噂に嫌な思いをし続けている」と役場担当者は頭を抱えた

「医者イジメの村がまた医者を公募」はデマ 「噂に嫌な思いをし続けている」と役場担当者は頭を抱えた

  • J-CASTニュース
  • 更新日:2017/11/13

「医者イジメの村、秋田県上小阿仁村がまた医者を大募集している」と、2017年11月10日からネットが騒がしくなった。J-CASTニュースが確認したところ、今回の医者の募集はデマで、12年の募集広告を引用した内容だった。

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上小阿仁(かみこあに)村については、ネット上の一部で、常勤医が配属されるたび住民によるイジメが起き、6年間で7人の医者が辞めて行った、との指摘も出ているが、村役場の担当者は取材に対し、「イジメが原因で辞めた方は一人もいません。こうした噂に、私どもも村民もずっと嫌な思いをし続けています」と困り果てていた。

「『いじめ』と思われるような電話も...」

「医者イジメで有名な上小阿仁村、また医者に逃げられ求人を出してしまう」。ネット掲示板やまとめサイトにそんな見出しが躍ったのは11月10日からだ。これに対しては、

「またイジメられるんだろ?」「ここまでして人間イジメたいとか異常」

などといった書き込みが出た。

この村では、07年4月以来、13年8月までに7人の医師が辞めている。中には就任1か月で辞めた医師も。「医者イジメの村」と認識されることになったきっかけは、07年に退職者が出た年に発行された村の広報誌で、村民に対する注意文が掲載されている。そこには村の財政の赤字に関し、高給取りの医者の存在が税金の無駄遣いではないか、という意見があり、医師を攻撃する村民がいるとして、

「まったく『いじめ』と思われるような電話もあるそうですが、このような不心得者は、見つけ出して、再教育の必要があるようです」

と書いている。村民の大多数は医師に心から感謝しているが、不心得者が5、6人いる。こうした状況が続く限りは、医師に敬遠され、無医村になってしまう、と警鐘を鳴らしている。こうした記述が後日、注目を集めて以降に辞めた医師も同様の理由だろう、と受け止められたのだ。

J-CASTニュースが17年11月13日に村役場に取材したところ、この広報文に尾ひれ羽ひれがつき、事実とは違うことが一気に広まった、と担当者は頭を抱えていた。確かに医師に対し嫌な言葉を投げかける人は存在したが、辞めたのは健康上の問題であり、イジメでは決してない。この警告文も当時の担当者がよかれ思って出したもの。そして、医師に対して嫌な言葉を投げかけたのはこれ限りだった、とし、

「医者イジメの村という噂に、私どもも村民もずっと嫌な思いをし続けているんです」

と語った。また、現在いる医師は仕事を続けており、新たに公募などしていない、とも述べた。

「事実とは異なる風評が広がり一人歩き」と指摘

しかし、なぜこれだけ立て続けに医師が辞めているのか。担当者は、

「それぞれ様々な理由があるようです。でも、13年8月に常勤医になっていただいた先生は現役ですし、78歳ですが、『まだまだ頑張れる』と継続を希望されています」

と話していた。

14年11月7日に日本公衆衛生学会に提出された奈良県立医大の「秋田県上小阿仁村における医師確保問題」には3回訪問した現地調査レポートがあり、同村に勤務した8人の医師への聞き取り調査も行っている。それによれば、07年4月に退職した医師から3人は、村当局、村民との関係性が退職に結び付いている可能性があるが、それ以降は見当たらない。そして住民とは関係なく、インターネット上で事実とは異なる風評が広がり一人歩きをしている、と書かれている。

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