住宅ローンを借り換える時に注意すべきポイント

住宅ローンを借り換える時に注意すべきポイント

  • @DIME
  • 更新日:2017/12/08

「住宅ローンを借り換えて月々の負担と総返済額を減らしませんか」という広告を見たり、営業を受けたりして、借り換えを検討したことはないだろうか。(1)1000万以上の残高があり、(2)残存期間が10年以上あり、(3)借り換え前後の金利差が1%以上ありの条件を満たせば、借り換える価値があるというのはよく聞く話だ。

ところで借り換えするときに注意して確認したいポイントはどこだろうか。保証料に手数料。司法書士報酬や火災保険の見直しなど様々なポイントがあるが、もっと重要で「お金」の本質を意識したポイントを紹介しよう。

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◎借り換えの提案書は「時間」が無視されているので「現在価値」に換算すべし

借り換えのシミュレーションや提案書に書かれている「総返済額」を見ると、数百万単位で支払額が削減できる。この削減額を鵜呑みにしてはいけない。総返済額は、住宅ローンを支払終えたときの結果でしかないだ。借り換えようとしている今現在の価値を考える必要がある。以下に例をあげて説明しよう。

●住宅ローン借り換え前後の比較(現在価値換算)

〇借り換え前
・残債2,000万円、残存期間30年、金利2.0%

〇借り換え後
・残債2,000万円、残存期間30年、金利1.0%

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総返済額や諸経費の計算は住信SBIネット銀行が提供している「住宅ローン-お借換試算」を用いて行った。その結果、総返済額の差額は「3,454,601円」。諸経費は「604,000円」となった。

ちょうど金利が1.0%下がる条件での借り換えを想定すると、総返済額の差額は約345万円になる。この差額は残り30年払い終わったときに出来上がる差額なので、今現在の価値に戻すと、345万円÷[(1+0.01)の30乗]=約256万円となる。これに対して諸経費が約60万円かかるとすれば、256万円-60万円=196万円が現在価値ベースでの返済差額となる。言い方を変えると、60万円を支払って、返済差額256万円(30年後の345万円)を購入していることになる。当然だが、総支払額の現在価値256万円を超える諸経費がかかるなら、住宅ローンの借り換えはしないほうがよい。

■現在価値とは?

現在価値とは、将来のお金の価値から金利分を割引して得られる今現在のお金の価値のことである。

例えば、金利5%の世界で今100万円もっていたとすると、1年後には100万円×(1+0.05)=105万円となる。この105万円のことを将来価値といい、今手元にある100万円は、1年後の105万円と同じ価値になる。
また将来価値から金利分を割り引けば現在価値となるので、105万円÷(1+0.05)=100万円。もし10年後の将来価値なら、100万円に、1.05を10回(10年分)かけるので、100万円×[(1+0.05)の10乗]=162.88万円となる。この例では、10年後の162.88万円は現在の100万円の価値と同じであることがわかる。

◎「期限の利益」を失わせず手元の現金を残そう

「期限の利益」とは住宅ローンの残債を分割で支払える期間のこと。30年のローンであれば期限の利益は30年となる。ちなみに住宅ローンを3ヶ月以上滞納した場合には「期限の利益の喪失」という通知が届き、一括で残債を支払わなければならなくなる。

ここで言いたいのは滞納してはいけない。ということではない。借り換えをするときに、期間を短くするのはもったいないということだ。例えば以下の借り換えの提案書を見てほしい。

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住宅ローンの借り換え提案書。5,253万円が借り換え前、4,716万円が借り換え後の総返済額である。尚この借り換えには、別途諸経費が約117万円必要になることがわかっている。

「出来上がりで総支払額が537万円も安くなります」という提案書だが、残返済期間のところをよく見ると「30年9ヶ月」だったのが、「30年」に短くされている。契約の都合、年単位でしか契約できないのなら「31年」にしてもらえればよいのだが…。

ところで、返済期間が短くなるとその分だけ金利の支払いが少なくなるので、総返済額が少なくなる。返済期間を短くし、総返済額を少なくした提案には要注意だ。せっかくあと30年9ヶ月かけて支払える「期限の利益」があるのに、期限を短くしてかつ、出来上がりの総返済額が安くなるようではどのくらいの価値があるか計算しづらい。この場合では金額が大きいので価値があるのかもしれないが、銀行で借り換えの相談をするときは、まず借り換え前後での返済期間を変更しない前提でのシミュレーションを要求しよう。シミュレーションすると月額1~2万円前後、返済額が減らせることになるはずだ。

返済期間を同じにした状態での月々の返済額がわかったら、その上で諸経費と見比べよう。そもそも諸経費を支払うことで貯金が底を尽きるなら、借り換えはやめた方がよい。「繰り上げ返済をオススメできない3つの理由」でも書いた通り、手元に残しておける現金を確保することを優先したいからだ。この例では、諸経費を約117万円支払って借り換えたとしても月額約5000円の負担軽減にしかならない。117万円の貯金を吐き出して月額5000円の負担軽減をするなら、117万円を手元に残しておいた方がよほど安心できる。子どもの進学や親の介護など、ライフイベントの中で大きなお金が必要になったときに取っておきたいからだ。手取り給与の6ヶ月分のお金は現金として手元に置いておきたい。

本記事は決して住宅ローンの借り換えを否定するものではない。ファイナンシャルプランナーや銀行員などから借り換えの提案を受けるときに意識したい「現在価値」と「期限の利益」と「手元に残しておける現金」の考え方を理解してもらえれば充分である。自分で計算できなくても大丈夫。読者の皆さんが、これらのキーワードを提案の場で発言して、納得の行く説明を受けられれば幸いである。

文/ぺったん総研

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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