「アルビオン・ウェイ」再構築への道

「アルビオン・ウェイ」再構築への道

  • J SPORTS
  • 更新日:2017/12/04
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結婚相手に求めるものが顔、性格、年収等々人それぞれであるのと同様に、人がフットボールに求めるものもまたそれぞれである。「ポゼッションしか認めない!」という貴婦人もいれば、「俺はロングボールしかやらない!」という元イングランド代表監督もいる。でも、大前提として「試合に勝ちたい(勝ってほしい)」という気持ちがなければ、フットボールを見る意味はない。

勝つためには点を取らなければいけない。方法論がどうあれ、最終的に何本のパスを経由していようと、フットボールにおいて目指すところはゴールネットの中だけである。

こんなに簡単で、フットボールに関わる者なら幼少期から自然と抱くこの思いを、あろうことか世界最高峰のプレミアリーグの舞台で失念してしまった監督がいた。ウェストブロムのファンがスタンドからいくらそのことを指摘しても、トニー・ピューリスにその意見が聞き入られることはなかった。

現実的に見て、ウェストブロムは「残留を目指すべきクラブ」であることは間違いない。そして、そういったクラブにとって、ピューリスのような人材は適任者であることも否定できないだろう。実際に2014年、アラン・アーヴィンの下で今と同様に降格圏の1ポイント上にいたバギーズを引き継いだ後は、昨シーズンに至るまで安定してプレミア残留を成し遂げてきた。

「キャリアで一度も降格したことがない」という驚異的な実績と、それを補って余りある「あまりにも退屈」という悪評。最初は待ち望んでいた結果によって内容のつまらなさに目を瞑っていたサポーターも、これもまた結婚生活と同じように、長年連れ添うことで亭主関白なピューリスの悪い部分ばかりが目に付くようになる。何度も見てきた光景だ。

今回の解任に際しては、「そんなに高望みできるクラブなのか」という批判も出た。しかし、ここ20試合の平均勝ち点は0.6で、ペペ・メル、ディ・マッテオ、アーヴィンといったピューリス以前に解任された指揮官たちよりも低い数字とあっては、「勝てばいい」という擁護も通用しない。何より、攻めようとすらしない最近のピューリスの姿勢は、プレミアリーグの監督として明らかに一線を越えるものだったのだ。

ウェストブロムは伝統的に堅守速攻のチームだが、それでもファンは70年代に一世を風靡したロン・アトキンソン時代や、チャンピオンシップで100ゴール(公式戦)をマークし昇格したトニー・モウブレイ時代のような、攻撃的で魅力的なフットボールを希望している。ただ現状後任候補に名前が挙がっているのは、サム・アラダイスやアラン・パーデューといったいつもの面々。もっとも、フロントが最も望んでいるとされるビッグ・サムは、先日ギャリー・リネカーが「(ジンバブエの)ムガベ大統領が遂に辞任した。後任にはビッグ・サムの名前が挙がっているようだ」とツイートしたほどの人気銘柄なのだが…。

ひとまずこのスパーズ戦では、この夏にピューリスのアシスタントとして復帰した「サー・ギャリー」ことギャリー・メグソンが指揮を執る。ボルトン時代の2009年以来実に8年ぶりのプレミアでの采配となるメグソンは、3部降格の危機からチームをプレミア昇格に導いた01-02シーズンの功績で、ファンから絶大な支持を集める存在だ。

そのシーズンには17個もの「1-0」勝ちを記録するなど、彼も守備方面に定評のある監督ではあるが、今はとにかく結果が重要。攻勢に出たバギーズがネットを揺らし、ファンがスタンドで飛び跳ねながら“Boing Boing”を歌う、そんな胸躍る瞬間を早く見たいものだ。

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