中国で“偽”ウルトラマン新作公開 著作権めぐりバトル勃発!

中国で“偽”ウルトラマン新作公開 著作権めぐりバトル勃発!

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  • 更新日:2017/10/13
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中国のSNSウェイボーに、制作会社公式アカウントから投稿された“新作”ウルトラマン

シャープな顎に、シックスパックに割れた腹筋──。斬新なウルトラマンの“新作”映画「鋼鐵飛龍之再見奥特曼」(注:奥特曼はウルトラマン)が10月1日、中国で公開された。中国の既存アニメのロボットたちとウルトラマンが共演する“コラボ”もの。映画が日中友好の懸け橋になっているという喜ばしいニュースかと思いきや、国境を超えたバトルが勃発していた。

ウルトラマンシリーズを制作した円谷プロダクションは「当社は一切関知しておらず、許諾・監修等なく製作されているもの」として抗議。一方、中国の映画制作会社は「タイの会社から海外利用権利を譲渡された日本の別の会社と契約した」と主張しているのだ。

食い違う両者の主張。それをひもとくには、20年前にさかのぼる。

当時の報道などによると、円谷プロは1997年に、今回中国の会社が海外利用権利を得たと主張するタイの会社を相手に、著作権訴訟を東京とタイの裁判所に起こした。タイの会社は「海外利用権を譲渡してもらう契約を結んだ」と主張し、円谷プロは「契約書は偽物」と訴えた。

裁判の末、日本では2004年に円谷側の敗訴が確定。ところが、タイ最高裁では08年に勝訴した。海外の権利関係をめぐって、どちらも自国では主張が認められないという、いびつな状態に陥った。その後、タイの会社から日本の企画デザイン会社が権利を譲り受けたという。今回の中国の会社の主張が、日本国内の判決に基づくのなら、「海外利用権を得ている」とするのは根拠があるのかもしれない。

円谷プロは「初期映像作品(6作品)の海外での利用権は、複数の国と係争中」と認めるが、タイとの契約書に関して、「海外における一定の利用権の許諾のみを記載しているに過ぎず、著作権を譲渡するものではない」と、一貫して「すべてのウルトラマンシリーズの著作権者は円谷プロ」と主張している。

知的財産権に詳しい新紀尾井町法律事務所の江口大和弁護士は説明する。

「日本の著作権法は、国外でも適用されます。ただ条件があり、侵害した者が日本国民であった場合のみ。今回のケースでは中国の著作権に関する法律の下で争い、中国の裁判所に対して差し止めなどの請求を行うことになります」

また、パロディーと著作権侵害の線引きは国によって異なり、著作権を守りたければ、海外展開する国ごとに緻密な対策が必要だという。

円谷プロは「製作会社及びその取引先に対し、法的措置をとる準備を行っております」と回答。ウルトラマンを制作した中国の会社は「中国の最高裁判所でも権利を認めた」とし、ネット上に判決文も載せている。

肝心の映画の質は、中国の批評サイトでは、星五つという高評価もあれば、「クソ中のクソ」という酷評も。上海でコンテンツビジネスに携わる関係者はこう語る。

「連休中の公開にもかかわらず、客足は伸びていない。赤字でしょうね」

劇場での勝負はついているようだ。(本誌・秦 正理)

※週刊朝日 2017年10月20日号

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