肩こり、腰痛、冷え症など10大症状に効く、医学的に正しいお風呂の入り方

肩こり、腰痛、冷え症など10大症状に効く、医学的に正しいお風呂の入り方

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  • 更新日:2018/01/13

入浴は、ただそれだけで疲労を回復してくれる。しかし、その仕組みや科学的な理由を知って上手に風呂を使いこなしていけば、もっと健康な体になっていくことができる。
医学的に正しい「疲労回復するためのお風呂の入り方」について、東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉さんにお話を聞いた(雑誌『一個人』2018年2月号より)。

◆温熱作用の刺激による血流改善が疲労回復を促す

東洋医学では古くから「冷えは大敵。体を温めることが万病に効く」という考え方があった。ゆっくり湯船に浸かることは、その言い伝えを実現するものなのだ。

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「体を温めるということは、血流を良くするということなのです。私たちの体は小さな細胞組織が集まって形成されています。全身の細胞は、それぞれが働くための栄養や酸素を必要としていて、そこで生命活動を維持しています。また、活動によって作り出された乳酸や二酸化炭素、老廃物の排出も行わなければいけません。栄養や酸素の供給、そして老廃物の運搬などの役割を担っているのが血液ですから、その循環を良くすると、細胞が活性化されて体調不良が解消されるのです」と早坂さんは話す。

血行を良くするには、体を動かすか、外部から暖めるしか手段はない。しかし、毎日汗をかくほど体を動かすことは現実的ではない。
その観点からも毎日の入浴は、血流を良くして体を活性化させるには手軽な手段なのだ。
「もう一つ疲労回復という点でも有効です。老廃物が生み出され続けているのにそれが回収されなければ蓄積されていくばかりです。また、栄養が供給されなければ、細胞の機能が低下します。この状態が、疲れが取れないという症状につながっていくのです」。

それが続けば、細胞や心理的な回復作業が追いつかなくなる。だからこそ、ぬるめの湯に入って、緊張を解き、副交感神経優位の状態を作り出さなくてはいけない。
「疲労回復が目的の場合は、0.5〜1℃の深部体温の上昇が必要です。そのために40℃前後のお湯に10〜15分、肩まで浸る必要があります。入浴後は素早く体を拭いて、急速に冷やさないことが大切です。ヨーロッパの温泉療法などでは毛布や布団に包まって安静にする方法が行われますが、疲労回復には非常に有効です」。
上手な入浴法で疲れを残さないことが、体調を整える肝なのだ。

◆【症状別】体を回復させるお風呂の入り方

・肩こり [40度・10分]
温めと同時に、軽く動かしたりストレッチすることで軽減される
肩甲骨周辺から首を支える僧帽筋上部、頭板状筋といった筋肉群が緊張し、血流が悪くなることで引き起こされる。精神的な緊張、ストレスでも筋肉は固縮することがあるので、基本は40℃の湯に10分ほど浸かって血行促進を促す。加えて、肩や首をゆっくり回したり、ストレッチをするとさらに効果的だ。

・腰痛 [40度・15分]
急性期はシャワーで済ませ、慢性化して筋肉が緊張していれば温めてほぐす
腰痛の原因は様々なので、症状によって入浴法を変える必要がある。いわゆるぎっくり腰のような急性の場合は、炎症が起きていることが疑われるので、シャワーで済ませるように。逆に慢性化し、周辺の筋肉が固縮しているのであれば、40℃程度の湯に15分入って温めることで痛みを緩和することができる。

・胃痛 [40~42°・5分、38~40°・15分]
原因を分析して、2つの違った入浴方法でケアしていく
胃痛には胃液が出過ぎているものと、逆に出が悪くて陥っている2パターンがある。そのどちらも、40~42℃の湯に5分入って交感神経の働きを高めることで、内臓の働きを抑え胃液の分泌を少なくして緩和できる。また、ストレスで感じる胃痛は、38~40℃でゆっくり入ることでやわらげることができる。

・神経痛 [38~40°・15分]
熱い湯での温め過ぎは禁物!ぬる湯に浸かって神経線維の活性を抑制
42℃以上の熱い湯に入ると交感神経が刺激され、筋肉が緊張するので痛みを強く感じるようになる。そこで38~40℃で温めることで、C線維と呼ばれる神経線維の活性を抑制してやると、痛みが緩和されることにつながる。また血流が良くなって、痛みの原因物質が排出される効果も期待できるのだ。

・便秘・下痢 [38~40℃・15~20分]
ぬるめの湯で温めることで 自律神経と胃腸の調子を整えて解消
便秘は主に、偏重した食生活から生じる腸内環境や自律神経の乱れが原因になっている。38~40℃の湯に15~20分入ることで、胃や腸の活動が活性化されて解消に向かう可能性が高くなる。過敏性腸症候群などで便秘と下痢を繰り返す人も同様だ。ただし、ウイルス性や食あたりなどの時は、無理な入浴は控える。

・頭痛 [38~40℃・15分]
緊張性頭痛は温めて緩和できるが、片頭痛の場合は入浴は避ける
肩周辺から首、頭の筋肉の固縮で引き起こされる緊張性頭痛は、38~40℃の温度で15分程度の入浴で、筋肉が柔らかくなり、血行も良くなるので解消されやすくなる。ただ、「ズキン、ズキン」と痛みが続く片頭痛の場合は、頭内部の血管が拡張して神経を圧迫して痛みが出るので、入浴は厳禁。

・冷え性 [40℃・15分]
就寝前の入浴でじっくり体を温め、血流を良くして解消していく
手先や足先に恒常的に冷えを感じるというのは血行が悪くなっている証拠。中には、布団に入っても温まらずに眠れないという人もいるほど。そんな場合は、布団に入る1~2時間前に40℃程度のお湯に15分入ると効果的だ。40℃ 15分では満足できない人は、最後に42~43℃で追い焚きするといい。

・むくみ [40℃・20~30分]
静水圧と血行促進作用を利用して解消。マッサージを施すとさらに効果的
むくみは下半身に行った血液やリンパ腋が体に還流されず、鬱滞したままになっている状態。40℃の湯に肩まで浸かることで、静水圧の作用で滞ったままの体液を押し戻して解消することができる。湯船の中で足先から心臓に向かってマッサージをするとさらに効果的だ。

・不眠症 [40℃・20分]
一度体を温めてから体温が下がるタイミングで布団に入る
寝つきの悪い人は、寝る1~2時間前に40℃の湯に20分程入浴して一旦体を温め副交感神経を優位にして、体温が下がるタイミングで布団に入ると良い入眠が得られる。寝る直前にPCやスマホを見ると脳が興奮し、交感神経が高ぶって眠れなくなる傾向があるので、できる限り触らないようにしたほうがいい。

・花粉症・鼻づまり [38~40℃・15分]
ぬるめのお風呂で湯気を吸い込み、ゆっくりと体を温める
外出から帰った後、体や毛髪についた花粉を洗い流すためにも入浴は有効な手段。花粉症や家族に症状がある人は、毎日入浴したほうがいい。ただ、熱い湯に入るとかゆみの原因、ヒスタミンが生まれるので、38~40℃で15分が理想。浴室で湯気を吸うことは、鼻粘膜の洗浄になるので鼻づまりにも有効だ。

雑誌『一個人』2018年2月号より構成〉

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