「キューバ危機」に学ぶ北朝鮮問題解決への道筋

「キューバ危機」に学ぶ北朝鮮問題解決への道筋

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  • 更新日:2017/11/13
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中国・北京の人民大会堂で行われた歓迎式典に出席するドナルド・トランプ米大統領と習近平・中国国家主席(2017年11月9日撮影)。(c)AFP/NICOLAS ASFOURI 〔AFPBB News

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「キューバ危機」に学ぶ危機管理

アジア歴訪中のトランプ米大統領は、11月8日に韓国国会で演説した。その中で、北朝鮮を「監獄国家」「カルト国家」と呼び、核ミサイル開発を進める同国を「地球規模の脅威」と断じた。

そして、「我々を甘くみるな。米国に挑戦するのは止めろ」と述べ、「力による平和をめざしている」と警告した。

また、金正恩朝鮮労働党委員長に対しては「核兵器はあなたを安全にしない」と指摘し、「待てば待つほど危険は増大し、選択肢は少なくなる」と述べ、金委員長のみならず、中露にも迅速な決断を迫った格好だ。

国の政治の役割の中で、最もその真価の発揮が求められるのは、危機の時であり、政治指導者の強力なリーダーシップでいかに危機を克服するかが、国の命運あるいは未来を左右する決定的な要因となる。

北朝鮮は、「日本列島の4つの島を、核爆弾で海中に沈めるべきだ」などと公言して憚らず、わが国は「かつてなく重大で、眼前に差し迫った脅威」に曝されている。言うまでもなく、日米が主導してこの危機をいかに克服するかが、当面する喫緊の課題である。

では、確かな羅針盤を持ち合わせていない北朝鮮発の核ミサイル危機に対して、その解決への道筋をどのように描いたらいいのか。

この難題を解くカギは、東西冷戦下の1962年に米ソの対立によって発生し、世界を核戦争の瀬戸際にまで追い込んだ「キューバ危機」にまで遡る。

この核ミサイル危機は、発生からすでに半世紀以上が経過しているが、深刻さを増している北朝鮮問題を打開し、地域の平和と安全を取り戻すにあたって、多くの教訓やヒントを与えてくれるのではないだろうか。

「キューバ危機」の概要と米国の対ソ連オプション

「キューバ危機」の概要(経過の骨子)

「キューバ危機」は、1962年10月16日に始まった。

ジョン・F・ケネディ米大統領は、「U-2」偵察機などの情報でソ連が米国を攻撃し得る核弾頭を備えたミサイル基地をキューバに建設中であることを知り、これを世界中に公表した。

そしてソ連にミサイルおよび同基地の撤去を求めると同時に、ソ連からキューバへのミサイル搬入を阻止するために海上封鎖を命じた。

ソ連はこれを拒否し、ミサイルを積載したソ連の船舶はキューバへの航行を続け、同時に同盟国キューバも臨戦態勢に入った。

それに対し、米国はキューバからの攻撃があった場合にはソ連による攻撃とみなして報復するとの声明を出した。

そのことによって米ソの緊張が一挙に高まり、危機は全面核戦争寸前までに達して、世界の終末までが囁かれる事態へと拡大した。

この間、ウ・タント国連事務総長や中立諸国の首脳が積極的に動き、また米ソ間でも文書の交換など水面下で危機回避の努力がなされた。

そして、10月28日、ソ連のフルシチョフ書記長は、米国の条件を受け入れソ連船舶に引き返すよう命じるとともに、米国がキューバを攻撃しないことを条件にミサイル基地の撤去を約束し、米国もそれに応じて海上封鎖を解除した。

その後、この危機を契機として、1963年には米ソ間のホット・ラインが開設され、次いで部分的核実験停止条約(PTBT)が成立するなど、米ソの平和共存と緊張緩和(デタント)が進展した。

このように、キューバ危機は、13日間という短い期間で世界を核戦争の恐怖に陥れるまでに危機を増幅させたが、その危機を克服することに成功した歴史的大事件でもあった。

この間、米国は、海上封鎖(Blockade)という言葉には、戦時封鎖(戦時に敵国に対して行う封鎖)と平時封鎖(平時、不法行為をした国に対し被害国が復仇として行う封鎖)があり、戦争行為と解釈されることを避けるため、隔離(Quarantine)という言葉を使用し、危機をいたずらにエスカレートさせないよう配慮した。

また、ケネディ米大統領は、キューバからミサイルを撤去させる代わりに、ソ連の裏庭であるトルコに配備していた米国のミサイルを撤去するとの秘密裡の裏取引を、司法長官であった弟のロバート・ケネディに託し、柔軟な対応の用意があることを示唆した。

これに対し、フルシチョフ首相は「トルコの米軍基地の清算まで達成できれば我々の勝ちだ」と語っている。

このように、米ソ両国は、対等な主権国家また大国として、どちらか一方が譲歩したということではなく、双方が妥協したような形に収めることで、お互いの体面を保ちつつ外交的解決に導くことができたのであった。

米国のソ連に対する行動オプション

ソ連がキューバに米国を射程内に収めるミサイル基地を建設中との非常事態に対し、米国がそのまま手をこまぬいて何もしなければ、米本土は直接その脅威にさらされることになり、同国の生存と安全を根底から揺るがすことは誰の目にも明らかであった。

10月16日午前に、マック・バンディ国家安全保障担当補佐官からU-2偵察機の情報について報告を受けたケネディ大統領は、直ちに国家安全保障会議(NSC)を招集する決定を下した。

しかもこの会議にはいつものメンバーに加えて、様々な経歴や意見を持った専門家が集められ、後に国家安全保障会議執行委員会(エクスコム)と呼ばれたが、危機打開の中心的役割を果たすことになった。

エクスコムのメンバーで検討された米国の対ソ行動方針として、次の6つの選択肢(オプション)が挙げられ、最終的には「海上封鎖」が採用された。

(1)ソ連に対する外交的圧力と警告および頂上会談(外交交渉のみ)
(2)キューバのカストロ首相への秘密裡のアプローチ
(3)海上封鎖
(4)空爆
(5)軍事侵攻
(6)何もしない(しばらく成り行きを見守る)

大統領顧問であったセオドア・C・ソレンセンの著書『ケネディの道』(1965年)や「キューバ危機」に関する先行研究によると、危機が発生した初期の段階では、主に国務省関係者を中心に(1)外交交渉と(6)何もせず、しばらく成り行きを見守る、の2つのオプションが論議されたようである。

しかしケネディ大統領は、事態の切迫度に鑑み、(1)と(6)のいずれも却下し、また、(2)のカストロ首相への秘密裡のアプローチも、主要な交渉相手はキューバではなくソ連であることで排除された。

大統領は、(4)のキューバへの空爆が最善であると考えていた。大統領の弟であるロバート・ケネディ司法長官は、さらに過激に、(5)のキューバ侵攻を主張した。

ロバート・マクナマラ国防長官は、空爆の必要性を認めながら(3)海上封鎖を優先させるべきとの意見であった。ジョージ・ボール国務次官、アレックス・ジョンソン国務次官補、ディーン・ラスク国務長官、ロバート・A・ラヴェット元国防長官などがこの意見を支持した。

ケネディ大統領は、「侵攻は最後の手段であって最初の手段ではない」と述べ、その意見がほぼ全体のコンセンサスとなり、残るは (3)の海上封鎖か (4)の空爆で、最初は空爆が有力であった。

ではなぜ、米国は「海上封鎖」を最良の手段として選択し、それに踏み切ったのであろうか?

すでにミサイルはキューバに持ち込まれ、臨戦態勢にあったため、選択肢から排除された(5)の軍事侵攻はもちろんのこと、限定的であれ(4)の空爆を行った場合、キューバからの報復攻撃の可能性は大いに存在した。

実際のところ、カストロ首相がソ連の反対を押し切り、感情に任せてそのような報復行動に出る確率は非常に高いと見られていた。

そして、海上封鎖であれば、大統領が次に打つ手を自由に選べることと、フルシチョフ首相にも選択の余地を残す利点があり、海上封鎖による米国の意思と力の誇示が、ソ連にミサイル配備について考え直す機会を与えるとの理由に支持が集まった。

加えて、ケネディ司法長官の「会議で空爆と結論を出しても大統領は受け入れないだろう」との発言が後押しし、まず海上封鎖を実行し、事態が進まない場合は空爆を行うという案でまとまった。

結局、ケネディ大統領は、マクナマラ国防長官などスタッフの意見や助言を取り入れ、海上封鎖という選択肢を採用した。

そして、海上封鎖に併せて、軍事的威嚇、秘密裡の裏取引を含めた外交ルートによる交渉、国連や中立国の仲介など、核戦争を回避するあらゆる努力が行われ、「キューバ危機」は回避されたのであった。

キューバ危機から北朝鮮問題を考える

全般の動き

ケネディ大統領は、ソ連の攻撃用ミサイルのキューバ配備が「西半球に対する核攻撃力を提供」し、「全米州国家の平和と安全に対する明白な脅威」であると認識していた。

それを阻止するため、海上封鎖によって米国の意思と力を見せつけ、全面核戦争までを覚悟し、断固としてソ連に攻撃用ミサイル基地の撤去を要求した。

その意志と力、そして大統領の覚悟がソ連の妥協を促し、危機の克服に成功した。

いま、ドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な小型核弾頭と大気圏再突入技術を獲得し、米本土に届くICBMの完成が目前に迫っていることを、ケネディ大統領と同じように、米国の生存と安全を脅かす「最も重大な脅威」と認識している。

そして、トランプ大統領は、北朝鮮に対し核ミサイル計画の「完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な放棄」を要求し、そのため、当面、経済制裁による圧力を加えつつ外交的解決を優先する姿勢を強調しているが、最終的には軍事力の行使を辞さない構えである。

キューバ危機におけるケネディ大統領と、北朝鮮問題におけるトランプ大統領の置かれた状況は、きわめて似通っており、ケネディ政権のキューバ危機対応は、トランプ政権の北朝鮮問題対応に大きな示唆を与え、あるいは影響を及ぼしているのは間違いないであろう。

そこで、ケネディ政権のキューバ危機への対応を踏まえ、トランプ政権の北朝鮮問題への対応の予測や留意点について考えてみることにする。

可能な選択肢(オプション)と起り得るシナリオ

前述のとおり、ケネディ政権で挙げられた選択肢(オプション)は、

(1)ソ連に対する外交的圧力と警告および頂上会談(外交交渉のみ)
(2)キューバのカストロ首相への秘密裡のアプローチ
(3)海上封鎖
(4)空爆
(5)軍事侵攻
(6)何もしない(しばらく成り行きを見守る)の6つであった。

そして、最終的には、海上封鎖が採用され、それがうまく行かなかった場合は、空爆もあり得るというものであった。

トランプ大統領が「すべての選択肢がテーブルの上にある」と述べた通り、キューバ危機における米国の選択肢は、すべて検証されたものとみられる。

そのうえで、北朝鮮問題はすでに現在進行中であるが、トランプ政権は、13日間のキューバ危機より時間の余裕があることから、遅効性ながら、当時のオプションにはなかった「経済制裁」を重視し、国連を通じた国際社会や中露への働きかけなどの外交交渉を交えた解決策を模索している。

経済制裁は、じわじわと成果を挙げている半面、北朝鮮に対する中国やロシアの支援が続けられていることから、それをもって、完全に目的を達成できるかどうかは、はなはだ疑わしい。

そのため、「常軌を逸していて、予測不可能」を装う「マッドマン」戦略のトランプ大統領ではあるが、軍事衝突を回避する努力を尽くしながらも、最終的に「軍事力を使いたくはないが、あり得ることだ。そうなれば北朝鮮にとって悲劇の日となる」と警告しており、北朝鮮はその警告を真剣に受け止めなければならないだろう。

いま、米朝の関係は、いよいよキューバ危機における一触即発の段階に近づきつつある。そのような時間切れの段階にあって、ソ連のフルシチョフ首相は、キューバからのミサイル撤去を受け入れる代わりに、キューバを攻撃しないという約束を取りつけるという決断を下した。

そして、自国に突きつけられていたトルコのミサイル撤去という戦略的成果も獲得した。

当時のフルシチョフ首相の立場を現在の北朝鮮の金正恩委員長に見立てると、金委員長は、核ミサイルの放棄を受け入れる代わりに、米国が北朝鮮を攻撃しないという約束を取りつける。

同時に、在韓米軍の撤退を約束させ、平和協定の締結に漕ぎ着けるということになろう。

つまり、キューバからのミサイル撤去後、米ソ間には平和共存とデタント(緊張緩和)が進展し、結局のところ、そのことが、ソ連の国際安全保障環境・戦略環境を格段に改善させる大きな転機となったことから連想される、問題解決のシナリオである。

しかし、金正恩委員長が以上のシナリオを受け入れず、事態収拾ができない場合、米国は次のオプションである(3)海上封鎖、(4)空爆、(5)軍事侵攻の軍事的オプションに移らざるを得ない。

キューバ危機の場合、(3)の海上封鎖は、四面海に囲まれたキューバには有効であった。しかし、北朝鮮は半島国家であり、陸地部分を隣接する中国との「中朝友好協力相互援助条約」(軍事同盟)そしてロシアとの「露朝友好善隣協力条約」(非軍事同盟)によって支えられている。

トランプ大統領は、韓国訪問中の国会演説で、改めて、中国、ロシアを含むすべての国に対して国連安全保障理事会決議を履行し、外交関係の制限や貿易の停止を実行するよう呼びかけた。

しかし、それによって決定的な成果を収めることができるかは、期待よりも懸念の方が上回ろう。

一方、北朝鮮は、軍事境界線沿いに配備された1万3600両と言われる大砲や多連装ロケット砲をもって直ちに反撃し、韓国の首都「ソウルを火の海にする」と豪語している。

また、大量の生物化学兵器を保有し、その使用の恐れもある北朝鮮の軍事能力は米韓が最も懸念するところである。

したがって、中露の協力が得られず、海上、陸上からの北朝鮮包囲網が形成できない場合、米国は、最終的に(3)海上封鎖、(4)空爆、地上からの(5)軍事侵攻のオプションを総動員する必要に迫られよう。

そして、北朝鮮が軍事境界線沿いに配置した大砲や多連装ロケット砲の一挙制圧、核ミサイルの排除とその関連施設の破壊、斬首作戦、陸海空軍基地や地下に造られた攻撃拠点・兵器弾薬庫の破壊など、北朝鮮全域に及ぶほどの全面攻撃を行うことは避けられないのではないだろうか。

その結果としての、米国が隣人となりかねない地政学的最悪の条件を、中露は受け入れることはできず、そのため、北朝鮮に対して何らかの形で軍事支援を行わざるを得ない状況に追い込まれよう。

一方、米国は、中露との軍事衝突を回避することは必須の条件であり、したがって、中露との間で、米国の軍事行動は核ミサイルの排除とその製造能力の破壊が目的で、北朝鮮の国家破壊・消滅を目的としないことを秘密裏に確約して、両国の介入を阻止する必要があろう。いわゆる、制限戦争戦略である。

キューバ危機では、海上封鎖という選択肢を採用したが、それは大統領が次に打つ手を自由に選べることと、フルシチョフ首相にも選択の余地を残す利点があり、海上封鎖による米国の意思と力の誇示が、ソ連にミサイル配備について考え直す機会を与えるとの理由からであった。

しかし、北朝鮮のケースでは、段階的に軍事的手段をエスカレートして行くというオプションは採りにくく、そのため、戦略に余裕や柔軟性を欠くことが大きな問題であり、その点については、米朝ともに、特に慎重な判断と行動が求められる。

米朝とも体面を保った外交的解決を

国際社会には、大国もあれば小国もあるが、いずれの国も他の国から侵されることのない主権という自己決定権をもつ対等な国家同士から成り立つのが、現在の主権国家体制を基本とした国際社会である。

そして、いずれの国も自国の国家利益を追求し、それに伴いお互いの利害が衝突することによって、問題や紛争が起きるのも国際社会の常である。

キューバ危機における米ソは、主義思想の違いや利害の対立を乗り越えて、全面核戦争の恐怖から世界を救うことができた。

その際、米ソは、対等な主権国家として、どちらか一方が譲歩したということではなく、双方が妥協したような形に収めることで、お互いの体面を保ちつつ外交的解決に導くことができたのである。

その事実は、現在係争中の米朝間にあっても、大国と小国の違いは鮮明であるが、大いに尊重されなければならない。

また、米国にとって、北朝鮮はトランプ大統領が言う「ならず者体制」には違いなかろうが、万一、北朝鮮の体制崩壊を目指すとなれば、そこから生ずる結末については、全面的な責任を負わなければならない。

と言うのも、米国は、イラク侵攻やリビアのカダフィ大佐追放において、既存の体制を打倒したが、その後には無政府状態と内戦だけが残された。

日米戦争後の日本の占領政策には、概ね7年の歳月を要したように、もし、一国の体制を崩壊させ、立て直す必要があれば、少なくともその後の10年間は、当該国の再建に見合う自国の人的・物的・社会的資産を振り向ける覚悟が伴わなければならない。

特に、北朝鮮問題は、その地政学的特性・重要性のゆえに、中国とロシアの懸念に対する十分な配慮に欠ければ、紛争が解決した途端、新たな紛争の種、しかも大国間の紛争へと発展しかねない種をまくことに等しいからである。

また、キューバ危機の解決には、国連や中立国の仲介など、国際社会の力が大いに後押しした側面を見逃してはならない。

世界のリーダーである米国には、引き続き、日本や韓国などの同盟国はもとより、多くの国の理解と協力を得る地道な努力を惜しまないよう切に望まれる。

日本が学ぶべきキューバ危機の教訓と北朝鮮対策

キューバ危機で、米軍は、その2~3か月前からソ連やその同盟国の貨物船が集中的にキューバの港に出入りすることに気づき、キューバ周辺海域やキューバ国内に対する偵察活動を強化していた。

また亡命キューバ人やキューバと交易のあるデンマークやトルコ、スペインなどの同盟国の情報機関からも情報が入り、CIAは4000~6000人のソ連人がキューバへ入国していると結論づけていた。

また、ソ連軍参謀本部情報総局 (GRU) の職員で、米国と英国のスパイとなったペンコフスキー大佐からはソ連軍の技術仕様書や、メーデーの際にクレムリン広場をミサイル搭載車がパレードした際の写真などの情報資料がもたらされた。

そして、米空軍のU-2偵察機が撮影した写真が、ソ連のキューバにおけるミサイル基地建設を確認する決め手となった。

このように、危機管理の第一歩は、異常な変化や不穏な動きなど、危機を察知する情報能力を持つことにある。

わが国も、戦後弱体化したヒューミントを再構築し、独自で多様な情報源を確保しなければならない。また、国の各情報機関からの情報を集約一元化する体制を強化することが必要である。

さらに、わが国周辺地域や中長期的な軍事動向などの情報を獲得するためには、平素から同盟国の米国や友好国と情報を共有できる体制を構築することが重要である。

加えて、今後米国は、北朝鮮をはじめ中国やロシア、そして国際社会の反応次第では、行動をエスカレートする可能性があり、その行動に対する北朝鮮のリアクションは一段と厳しさを増すことが予想される。

そのため、わが国の危機管理に当たっては、米国が、様々な経歴や意見を持つ専門家を招集した国家安全保障会議執行委員会(エクスコム)をもって、その打開に当たったことを、大いに参考としたい。

危機管理には、政治指導者の強力なリーダーシップが必要である。

その外交的・戦略的判断に、わが国の最高の頭脳を結集することができれば、一党独裁のドクトリンに拘束され、ごく限られたトップ集団に権限が集中しがちな体制の国と比べ、より自由で創造的、より多角的で柔軟なオプションを案出し、状況の特性や変化に適合しつつ国を挙げた対応を可能にすることができる。

そして、それは、直ちに始めなければならない。

北朝鮮問題について、日本は、米国と対等の主要プレイヤーではない。しかし、北朝鮮の核ミサイルは日米韓に向けられ、それに対する米国の行動はわが国の生存と安全に直結するものであり、さらなる緊密な協力と連携が欠かせない。

そのため、日本は、何よりも、わが国およびアジア太平洋地域の安全保障を確保するうえで必要不可欠な日米同盟を堅持する立場を明確にし、米国とともに経済制裁による圧力を緩めないことだ。

また、日米共同訓練や演習などを通じて集団的自衛(相互防衛)のための体制を強化することである。

そして、朝鮮半島での軍事衝突が切迫したならば、政府は、事態に伴って生起するわが国への具体的な脅威について国民に明示し、理解と協力を求めるのは当然である。

他方、国民は、政府の立場や決断を全面的に支持し、「自助」「共助」の精神をもって国家非常事態に備え、敢然と立ち向かう覚悟を持たなければならない。

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