【木村和久連載】終活ブームの今、「人生最後のゴルフ」を考える

【木村和久連載】終活ブームの今、「人生最後のゴルフ」を考える

  • Sportiva
  • 更新日:2017/10/13

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第125回

ゴルフを始めたからには、いつかは引退するときがやってきます。以前は、70歳ぐらいがゴルフのやめどきかなと思っていましたが、知り合いの漫画家の先生などは、70歳、いや80歳を過ぎてもゴルフをやっています。ゴルフの現役寿命もだいぶ延びたようです。

かつて、飲みの席かなんかで「人生最後のゴルフ」と「人生最後のエッチ」はどっちが先にやってくるか、というバカな話で盛り上がったことがあります。

みなさん、「そりゃ、ゴルフが先に引退だよ」と言うのです。「だって、エッチは寝ていてもできるし、風俗もあるし」と。「けど、ゴルフは体が丈夫じゃないと無理でしょ。だいたい10kmの山歩きなんて、年寄りにはできない」といった意見が大半を占めていました。

ところが、現在はゴルフ環境が激変し、乗用カートは当たり前。改造工事も進んで、極端な上りのコースは減って、想像以上に楽なラウンドができるようになりました。おかげで、今やゴルフよりもエッチのほうが先に終わりを告げる可能性もありそうです。

現に、80歳超えの先生方から、愛人がいるとか、風俗に通っているといった噂話は聞こえてきません。やはり、女性関係は”赤玉”が出てしまったようです……。

というわけで、”白玉”遊びの限界話を少々していきましょう。

ゴルフ人口はピーク時の1200万人から、ここ20年でおよそ半分の600万人程度まで減っているのが現状です。その結果、ゴルフ場も減少。確かにいくつかのゴルフ場は太陽光発電所となり、ソーラーパネルが並べられています。

それでも、ゴルフ界が致命傷を負っていないのは、団塊の世代の層がリタイヤ後もゴルフに勤(いそ)しんでいるからです。

そもそも「ゴルフ業界の崩壊」が騒がれたのは、2020年前後に団塊の世代が一斉にゴルフをやめるから、という予測があってのこと。ところがどっこい、その最初のピークと見られていた2015年を過ぎても、さして状況は変わりませんでした。そして次は、2020年頃に”東京五輪ロス”が起こり、いよいよゴルフ界に危機が訪れると言われています。が、はたしてどうでしょうか?

先日、福島の名門・白河高原カントリークラブにお邪魔しました。ここは宿泊ロッジが完備してあり、非常に居心地がいいところです。私がうかがった当日も、団体のシニア層や老夫婦の方々がたくさん泊まりに来ていて、温泉につかったあと、ラウンジではプチ宴会が開かれて大いに盛り上がっておりました。

みなさん、年齢的には70歳ぐらいでしょうか。もろ団塊の世代かと思われます。白河高原CCの関係者に聞くと、古い名門コースということもあって「昔からの常連のお客さまが多く、首都圏から泊まりで来られるケースがほとんどです」とのことでした。

要するに、団塊の世代は年金”勝ち組”なんですよね。すでに年金の支給が開始されていますから、多くの方々は毎月20万円以上、もらえています。現役時代にサラリーマンであれば他に退職金もあるわけですし、しかも家のローンは払い済み。だから、意外と余力があるのです。

そこで、夫婦共通の趣味と言えば、ゴルフ。「じゃあ、格安のロッジに泊まって、名物のすきやきを食べて、1ラウンドして帰ろう」となるのです。

国内旅行もいい年齢になると、すでに行った場所が多く、マンネリになります。だったら、月1回の楽しみでゴルフをしたほうが健康的じゃないか、と考えるわけですね。

そういう状況だと、団塊の世代のゴルフの引退は、よほどのケガや病気をしない限り、80歳以上かと思われます。つまり、団塊の世代のみなさんは、あと10年は現役でがんばるんじゃないですか。そうなると、ゴルフ業界の崩壊危機もだいぶ先送りされそうです。

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70歳、80歳になってもゴルフができるなんて幸せですよね

それでは、具体的にどんなケースでゴルフを引退することになるのか?

軽いケガや病気をして、気づかぬうちにゴルフから遠ざかってしまった。気づいたら、半年前のコンペが最後だった――そんなふうに述懐することになるパターンが一番多いかと思います。

うちの親戚もそうでした。肘や手首を痛めて、一旦休んでゴルフに行かなくなったのですが、それでも手の痛みはじんわりと続いていたと言います。そうして、「当分、ゴルフはダメだろうな」と思っていたら、自然と引退していたみたいです。

ゴルフを覚えて30年以上。知らず知らずのうちにやめていた、というのも哀しいですね。

ですから、80歳あたりを目安にして『引退コンペ』を先に開催するのはいかがでしょう。昔競った戦友を呼んで、プレー後にはドンチャン騒ぎをするのも素敵です。世代の近い人が何人かいたら、合同でやるのも面白いかもしれません。

『引退コンペ』は、生前葬みたいなもの。85歳になってもまだ現役だったら、また開催すればいいのです。生前葬を2回やった漫画家の先生もいますから。『引退コンペ』なんて何度やったって、みなさん苦笑いしながら参加してくれますよ。誰も「嘘つき」なんて言いませんから。

引退後のゴルフこそ、本当の意味での余生です。「儲けもの」と思って、楽しみましょう。私も『引退コンペ』まで20年ちょっとです。長いようで短いような気がします。

だいたい還暦をすぎたあたりから、ゴルフに対する心理状態が変わってきますよね。

40代ぐらいまでだと、「今年もベストスコアが更新できた」「今年もコンペで優勝できた」「今年もベスグロやドラコンが獲れた」など、いいことが連発します。ところが、50代になると、「今年も80台が出たぁ~」とか「今年も100を叩かずに済んだ」とか、堅実路線が強調されます。

これが、還暦を過ぎた60代になると、「今年もケガなく、ラウンドできた」「一緒にラウンドする友だちがいてよかった」となり、さらに70代になるや、「あいつもゴルフを引退した」「年々、遊び友だちが減る」「今年もコンペに誘われて幸せだった」と、しんみり……。

いよいよ80代を迎えると、おそらくこうなります。

「いつゴルフができなくなるかわからない。今年もゴルフができて幸せだ。悔いのない人生を過ごそう」

ゴルフは人間の活力のバロメーター。歳を取っても、たまにやったほうがいいです。歳を取れば取るほど、憧れの記録を作りやすい環境になりますし。

それは、もちろんエージシュート(自分の年齢以下のスコアでラウンドすること)。90歳なら「90」を出せばいいのです。しかも、シニアティーからのラウンドで結構。マジで、エージシュートを狙えそうです。

そう思うと、長生きしたいと思いませんか。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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