病名「私なんて大事にされない症候群」。自己肯定感が低いことは、誰かを傷つける

病名「私なんて大事にされない症候群」。自己肯定感が低いことは、誰かを傷つける

  • かがみよかがみ
  • 更新日:2021/02/23
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「あなたのことが大事だから」

そんな枕詞で始まる誰かの言動は、「大事にされている」と感じていいものなんだろうか。

「私に大事にされる価値なんてない」

そんな風に思ってしまうのは、相手に対して失礼なんだろうか。

大学の成績はSとAばかりで希望の大学院に進学。サボった高校の「黒歴史」があったからこそ

自己肯定感が低いことは、時に誰かを傷つける

私はとても自己肯定感が低い。何なら地中にめり込んでいる。だから、「誰も私のことなど大事にしない」と思ってしまう。それは例えば、恋人がいても、いなくても。

いない時は、「誰も私のことなど好きにならない」と思う。そのせいで、私を大事に思ってくれている人の思いを傷つけてしまったことがある。

いる時は、「相手のことが好きなのは自分だけだ」と思う。相手のためにメイクや料理を頑張っても、私だけが片想いをして勝手に空回っているだけなんじゃないかと思い、とても虚しくなる。寂しいなんて言えない。会いたいなんて言えない。結果、一人で辛くなり、自分から別れを切り出してしまったりする。

自分のことをちょっとだけ許し、ちょっとだけ大事にする

自分は相手から大事にされているかどうかを、主観的にはかるのはすごく難しい。

いちいち「私のこと大事?」なんて確認するわけにもいかない。かといって、「恐らくこの人は私のことが大事なんだろう」と推測することも、あまりに烏滸がましくて出来ない。

大事だな、大事にしたいな、と思う人は沢山いる。そんな人たちに対し、「でも自分は大事にされていない」と感じてしまうのは、とても不誠実な気がする。分かっている。分かっているのだ。

でも自己肯定感なんて、そう簡単に上げられるものじゃない。メルカリで探しても売ってやしない。どうして自分はこんなにダメなんだろう――と考えていたら、心がどんどん螺旋階段を落下していく気がしたから、慌てて踏みとどまった。これじゃ、いつもと同じじゃないか。

だから私は、自分を大事に出来ない自分を許すことから始めた。「自分なんて嫌い、大事にされるような人間じゃない、とっとと死んじゃえばいい」そう思ってしまった時、「ああそうだね、そうやって自分を責めることで、誰かに負の感情を向けないようにしてきたんだね、必死に頑張ってきたんだね」と、そっと自分の頭を撫でてみた。自分の手は、案外温かかった。

その日は天気が良かったので、髪をとかしてお気に入りのスカートを履いて、外に出た。好きなカフェに行き、いつもより50円高いミルクティーを頼み、ゆっくり味わいながら飲んだ。帰りにスーパーで、小さなパック入りのお寿司とビールを買った。空を見上げたら夕焼けが綺麗だったので、道端で立ち止まり写真を撮った。

ああ。これくらいのことなら、出来るかもしれない。夜、自分のために用意した湯たんぽを抱きしめながら、私は思った。

「大事にされている」この心の感度を保ちたい

私は自分の大事な人に対して、「大事なものを大事にしてほしい」と思う。趣味であれ仕事であれ人間関係であれ。そう伝えた時、「じゃあ、あなたはあなたのことを大事にしてね」と言ってくれた人がいた。その言葉の行間にある「あなたのことが大事だ」という思いを、私は感じることが出来た。自然と、綺麗な涙が出た。

自分を大事にする方法は、きっと沢山ある。ケーキを買ったり好きな映画を観たり。死ぬほど寝ることだって、ひたすら怠惰になることだってそうだ。

これからは、自分自身のことを少しずつ、大事に出来るようになりたいと思う。自分嫌いな自分ごと抱きしめて、大事にしてあげたいと思う。大事な人のことを、大事に出来るように。「大事にされている」と感じられる心の感度を、ちゃんと保てるように。

今夜は好きな香りのボディクリームを塗って、寝る前に、秘蔵のハーゲンダッツを食べよう。そして、今日もよく生きました、と自分を褒めて眠ろう。

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