同性カップルの個人情報を晒した三重県の自民党県議、統一教会フロント組織との関係が発覚。本人を直撃

同性カップルの個人情報を晒した三重県の自民党県議、統一教会フロント組織との関係が発覚。本人を直撃

  • ハーバービジネスオンライン
  • 更新日:2021/04/07

◆同性カップルをブログで晒した自民党県議と統一教会との関係

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議員となる前年の清掃活動チラシ、統一教会フロント組織の肩書きで参加者を募っている〈参照:三重県会議員 小林たかとら|ブログ〉

自身に公開質問状を送ってきた同性カップルの住所を無断でブログに掲載したとして批判を浴びている自民党三重県議団の小林貴虎県議会議員。この小林県議に関して「統一教会(天の父母様聖会 世界平和統一家庭連合)のフロント組織関係者だった」との情報が筆者のもとに寄せられた。

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3月30日の小林県議のブログ、質問状の入った封筒の画像は4月5日午後削除された(小林県議のブログより

同性カップルの住所が書かれた封筒の写真を3月30日に無断掲載した小林県議(4月5日午後、ブログから写真を削除)に電話取材を行った。

◆小林県議と統一教会、ネットに残る痕跡

同性カップルの住所をブログに晒し上げるという個人情報や人権を一切無視しているかのような行為をした自民党三重県連の青年局長を務める小林県議。一方、純潔思想を背景にダミー組織を使い、反LGBT運動を行ってきた統一教会。そのフロント組織であるUPF-Japan(天宙平和連合)やIIPC(超宗教超国家平和協議会)と彼に関係があったことはさもありなんという印象を受けるが果たしてどのような関係だったのか。

小林議員と統一教会フロント組織との関係の痕跡を挙げていこう。

・2004年3月、教団青年組織・世界平和青年連合(YFWP)南東京連合会田園都市支部が都内で開いた『第4回 International Peace Friendship Event』において「平和大使からのメッセージ」をスピーチ。翌月配信されたYFWPのメールマガジンで「世界平和のためにIIPC(超宗教超国家平和協議会)より平和大使として日本で活動するためにアメリカ・インディアナ州から来日している」と紹介。〈参照:Global Youth Mate 【グローバル・ユース・メイト】|YFWP-Japan配信

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YFWP-JapanメルマガGlobal Youth Mateより

・2008年10月5日、三重県鈴鹿市においてUNITED FILIPINO FOR PEACE AND ADVANCEMENT(UFPA)三重県支部が開いた『GPFオリエンテーションプログラム』でメインスピーカーとして講演。

「小林貴虎駐日平和大使は、UPFとグローバルピースフェスティバルの使命とビジョンについてオリエンテーションを行い、和平プロセスは政治指導者の決定を擁護するだけでなく、一般の人々として私たちが平和構築に参加するべきであると強調した」

〈参照:MIE Mini GPF|Filipino Japanese Movement for Global Peace(魚拓)〉

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GPF で講演する小林氏(Filipino Japanese Movement for Global Peace MIE Mini GPFより)

・2008年10月13日、宮崎市で開催された『ミニグローバルピースフェスティバルオリエンテーション』でゲストスピーカーを務め「GPFプロジェクトの原動力となった男性」と紹介。

〈参照:Welcome to Minami Kyushu Global Peace Festival|Miyazaki Multinational Family Association

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Miyazaki Multinational Family Association Welcome to Minami Kyushu Global Peace Festivalより

・2010年9月26日、「Universal Peace Federation小林貴虎」として『多文化共生清掃活動』を主催。〈参照:三重県会議員 小林たかとら|ブログ〉(現在は削除)

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小林県議の2010年8月30日のブログ(現在は削除)

・2010年9月30日、都内でUPF-Japanが開催した『隔月セミナーシリーズ第39回平和大使会議』で三重県多文化共生ボランティアグループ代表として活動報告。〈※この会議で小林貴虎氏と同じく活動報告を行った教団北東京教区の小林宗一郎氏は偽装ボランティアグループ『草の根ムーブメント』の代表者〉

〈参照:Day of Peace in Tokyo, Japan|UPF INTERNATIONAL

・2011年5月14日、都内でUPF-Japanが開催した「国際家族デーの記念行事」で発表。

「モルドバ人と結婚した小林貴虎氏は、多民族ボランティア活動のプロジェクトについて説明し、家族や隣人との信頼関係を育むことの重要性を強調しました。UPF-Japanで5年以上勤務し、三重県津市市議会議員に選出されたばかりです」

〈参照:Day of families in Tokyo, Japan|UPF INTERNATIONAL

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市議会議員となった翌月に小林氏一家が参加したUPF-Japanの行事(UPFグローバルのサイトより)

・2020年11月29日、四日市市文化会館で統一教会フロント組織が開いた『ファイト三重県民まつり』に祝電。

〈参照:統一教会フロント組織が仕切る地域イベント、現地取材で見えたもの|HBOL

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ファイト三重県民まつり会場に貼り出された小林県議からの祝電

◆プロフィールの経歴と合致

小林議員のプロフィールには「NGOにて5年間ボランティア活動を行う」とある。このNGOがUPFのことだと思われる。

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小林たかとら公式サイトより

数々の疑惑について小林県議に直接電話取材を行った。以下はそのやり取りの要旨だ。筆者の問いは要約しているが、小林県議の回答は本人の弁をほぼ再現した。

――UPF-Japanのサイトに「UPF-Japanで5年以上勤務」とあることについて

「勤務ではないんですがね。お給料もいただいてないので」

――統一教会の関係者なのか

「違いますね」

――教団フロント組織との関係性について

「渡米していた時に通訳を頼まれそこで少しだけ関わりがありました」

――帰国後も関係は

「少し」

――「Universal Peace Federation小林貴虎」として印字されているチラシについて

「お手伝いいただいていた関係で掃除活動の募集はしました」

――平和大使になっていることについて

「そういう任命を受けてほしいと頼まれて受けました」

――配偶者との結婚は統一教会の合同結婚式ではないのか

「関係ないですね」

――選挙時の支援について

「ご挨拶には伺ってます」

――運動員として信者の受け入れは

「ないですね」

――お世話になったから挨拶に行っていると?

「そうですね」

――UPFの職員だった時代は?

「職員ではないですね」

――UPFの名前で活動していた時期はあるわけですよね

「そうですね、一時期協力関係にあったことは事実」

――議員になってからの関係は

「ほかにいくつかの宗教団体があるが、同じように付き合わせていただいてます」

◆統一教会との連携は否定

――統一教会は同性婚に反対しているが

「詳しくは知らない」

――統一教会との連携について

「全く関係ないです。彼らがどういう主張しているか私は今知らないですけど、私は同性婚には反対だが、同性愛者が一定の条件のもとに保護されるものがあるべきだと思っているし、それに関する法律があってもいいと思っている。統一教会が融和な考え方を持っているかは知らないですけども、そこを確認していただければければ違いが判るのでは」

――関係はあったが雇用関係にはなかったと?

「ないですね。正確に言えばバイトですよね。」

――時期は?

「通訳の時なので渡米期間中です」

――帰国後は?

「その後も若干の接触はありましたが、その時に通訳の仕事をした記憶はないので」

――その繋がりで帰国してからも付き合いは時々あったと?

「ええ、時々」

――『ファイト三重県民祭り』への祝電は?

「どんなイベントだったかもちょっと覚えていない。頼まれて贈ったのかもしれないですけど」

――世界平和連合との付き合いは

「違いがよく判らない」

――世界平和連合は地方議員の応援や後援会などを行っている

「基本的に付き合いがあったのは渡米中なので、その時の団体名しか判らない」

――議員になるとアプローチは続く?

「続きますね。だからそういうことだったんだなと知ることになったが、なので積極的に接触はしていない」

「議員になってからは祝電を頼まれて送ったりという程度」

――自民党の公認はいつから

「3期目の市議選から。当初から党員」

――統一教会の口利きは?

「その辺は自民党からは何も言われていない、むしろ気をつけろよと言われている」

◆「頼まれて講演」と主張「快くオファーは受けた」

――2004年3月の世界平和青年連合(YFWP)主催イベントでのスピーチについて。

「YFWPの組織そのものがよく判らないけどアメリカに行ったときにイスラエルとか日本を含めて来たこともある、国際結婚のことも含めて尋ねられて喋ってくれと言われたことはある。頼まれて講演したと思います」

――YFWPのメンバーだったのか

「YFWPのメンバーになった記憶はない」

――IIPC超宗教超国家平和協議会とのかかわりについて

「それがよく通訳を頼まれた団体だったのではなかったかな」

――UPF以外にIIPCとも付き合いが?信者ではないのか

「ハハハ、だからお付き合いはあったのでちょいちょい呼ばれて。この時はお金もらったかは覚えてないが頼まれて」

――当時、背後関係については?

「いや、知りつつあって、当然僕が通訳させてもらった中にも統一教会の人がスピーチしているのもあったので、ああという話もあったが、当時そんなに詳しくこの団体に関して知っていたわけではないので。その後、議員になることの経緯も含めて段々距離を置いていくのですが、その当時はまだお給料というか通訳の仕事をもらっていた関係もあって比較的快くオファーは受けたと思う」

「期間5年間は就職していたわけではないがオンオフでいろんなお付き合いがあって、基本的にはバイトで食いつなぎながら自活していたので、だから職員ではないのですが、その関係で海外に行かしてもらっていた経緯はあって、その流れで若い子に海外の経験を話してくれないかという話だった」

「通訳として頼まれて(海外へ)行って その先で現地の活動にも少し加わった」

「日本からの旅費は出してくれた。若干お金はもらいました、お小遣いみたいなもの」

――2010年9月30日にUPF-Japanで三重県多文化共生ボランティア代表として活動報告した際の小林宗一郎氏について

「記憶に全くない。思い出せない」

◆「私が彼らを使った」

――UPFで活動報告となると信者度が高いと思われるが?

「言い方は悪いが、私が彼らを使った部分はあるので。頼んできてもらった。私みたいなのが突然清掃活動やりましょうって言ったってやってくれるわけではないし、人数固まっていたので都合よかったしちょっと何人か来てくれないかと」

――(チラシに)オーガナイザーとあるが

「主催は主催」「UPFの外国人。統一教会に所属していたんでしょうね。清掃活動をやっていて話がつきやすかった」

――統一教会フロント組織との接点を持ったきっかけは?

「(渡米していた当時)ボランティア活動をしたいと思って接点を持ったのがたまたまそのグループだった」

◆ネットメディアで明かされる統一教会との関係に……

4月5日午後、ネットメディアのBuzzap!が小林県議の今回の騒動及び統一教会との関係についてネット情報を拾って公開した。

〈参照:【追記あり】同性カップルの住所氏名をブログで晒し上げた自民・小林貴虎三重県議の過去の発言をご覧ください|Buzzap!(バザップ!)

Buzzap!の記事では、2010年9月1日の小林県議のブログのコメント欄にあった次のやりとりを引用していた。

コメント投稿者「ブログのタイトルに肌や文化、宗教などを超えての…とありますが、こちらの管理人さんである小林貴虎さんはなにか宗教とかされていてこちらの企画をされているのですか?」

小林県議「私は個人的な信仰を持っています。私が主催している以上趣旨は私の信条に大きく依存していますが、特定の宗教の勧誘を行う事がこの企画の目的ではありません」

この箇所はすでに削除済みだが、これは、やはり統一教会への信仰を持っているということなのか、6日に改めて小林県議へ確認した。

「それは全然関係のない話」として小林県議が家の宗教として挙げたのは某伝統宗教だった。

「何をということを言ったつもりはないが、信条や自分が帰属するものはしっかり持っていたほうがいいよと今でも思っている」「無宗教という言い方を私はしたくないので」

「噂を立てられて迷惑している」という小林県議は「私に取材もなく酷いなと思った」と指摘した。しかし、彼自身は断りもなくブログに住所を晒しているわけだが……。

また、これまで誰からも統一教会との関係を直接尋ねられたことはなかったという。日本会議については、メンバーだと認め、支部長歴は5~6年と明かした。

ブログから写真を削除した経緯を尋ねたところ、どうやら本意ではなかったようだ。

「上の方から『もう住所ぐらいは消しとけさ』という話で、先輩議員から言われた部分がありまして。渋々?そうですね」

ここ数日いろいろと叩かれていることについては「僕は構わないが家族が今回のことと関連して誹謗中傷を受けている。子どもは巻き込んでほしくない」と憤りをあらわにした。

小林県議自身の言動や行動はたしかに大きな問題であり、明確な人権侵害だ。しかし、だからといって、家族への攻撃は赦されるものではないことは言うまでもない。

いずれにしろ、現在の関係については本人は否定はしたものの、過去における頻繁かつ広範な統一教会フロント組織との関係は事実である。また、どのような信仰があろうとそれは個人の自由だが、「反LGBT」という共通項があり、小林県議がそれを政治活動の一環として打ち出している以上、今後も憶測を含め、さまざまな波紋が広がりそうだ。一方で渦中の小林県議は「それは皆さんの判断に委ねることなので」と静観の構えだ。

<取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)取材協力:なおすけ氏@nyaa_naosuke_su、藤倉善郎氏>

【鈴木エイト】

すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教カルトと政治というテーマのほかにカルトの2世問題や反ワクチン問題を取材しイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)

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