6年の月日をかけて挑む50cm超の甘鯛、念願の超大物をゲットできるか?

6年の月日をかけて挑む50cm超の甘鯛、念願の超大物をゲットできるか?

  • @DIME
  • 更新日:2023/03/19

約6年前、2017年2月に初めて甘鯛釣りに出かけ、ビギナーズ・ラックで49.5cmの大物を釣り上げた。船宿は大型甘鯛、通称デカアマ狙いで定評のある神奈川県葉山のたいぞう丸だ。40cmを超えればデカアマと呼ぶようだが、50cmを超えると“格”が違う。以降、50cm超えを目指して何度となく通ったが、40cmは超えても50cmには届かず、鬼カサゴの2kg超と共に僕の釣りの目標だった。

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49.5cmと、惜しくも50cmには届かず。

長いブランクを経た理由

今回の釣りは、長いブランクからの復帰戦となる。というのも昨年8月、さるビアガーデンがシャンパン(ローラン・ペリエ)飲み放題でおつまみ数品付き3時間1万円と知り、これはお得だと会社時代の後輩と繰り出し、左上腕“泥酔”骨折したからだ。シャンパンを2本あけて仕上げにビールと思うや、後輩がもう1本注文。まだ2時間しか経っていないので3本目も飲み干し、さらにビールをジョッキ2杯飲んだ。

その帰路、地下鉄の階段を上る時に転ぶと、左腕に激痛が走り立てない。駅員さんが駆けつけ、救急車に乗る。泥酔ゆえ、その間の記憶はほとんどない。気がつくと朝で、病院のベッドで寝ていた。全身麻酔をして手術を受け、入院すること2週間。この惨事で唯一良かったのは、退院後に飲んだビールが抜群に美味しかったことだ。大好きなビールを2週間も抜いたのは、成人後初めてとなる。その後は何ヶ月も、痛みに耐えつつリハビリを続けた。

僕が釣りで狙うのは大物、左腕が回復しないことにはかかっても上げられない。何度か釣りに誘われたが、「ハゼ釣りならできるけど」と断り続けた。ようやく今年に入って、大物を釣れる自信がついた。ではと甘鯛釣行を予定するも悪天で3回連続中止。やっとこの3月に船に乗れた。もちろん、たいぞう丸だ。

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左上に見えるのが江ノ島。

久しぶりの釣りゆえ、欲はない。竿を出せるだけで十分、釣れれば儲け物という謙虚な姿勢で臨む。ただしここ数年、甘鯛釣りはほとんど竿頭(乗船者中、一番釣った人)、腕には自信がある。早朝6時半過ぎ、まずは江ノ島周りのポイントへ。今回の秘策はブランニューの錘。これまでも錘を変えることで、釣れない状況をしばしば打開してきた。錘は、今日のために買ったハヤブサ製目玉集魚シンカー舵型フラッシュピンクだ。

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左が新兵器となる目玉集魚シンカー舵型フラッシュピンク。だが終始、右の白い錘を使用。

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甘鯛は釣り上げると浮袋が膨らみ棲家の海底に戻れないので、小さくても放流はしない。

ところが船長が「思った以上に潮が濁っています」とアナウンスする通り、海水の透明度は0で甘鯛のいる海底は真っ暗と思われる。よって目玉集魚シンカーは1投目だけで中止、白の蛍光錘に変えた。白の方が海底でより光り、甘鯛の興味をそそるという読みだ。その効果か7時過ぎ、船中第1号の甘鯛小サイズがくる。小さくても、1年ぶりの釣果に心は弾む。8時を回ると小型、35cm級、小型と、約1時間で3匹を釣り、都合4匹となった。

この間、外道なしのオール甘鯛。甘鯛釣りは外道が多く、外道の合間に甘鯛を釣るイメージだ。また1日に5匹も釣れば上出来の釣りなので、僅か2時間弱で4匹、外道なしは極めてレアな釣果。それゆえか、なんとなく50cm超えを果たせる気がしてきた。

アタリに合わせるや、竿を持っていかれる!

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待望の50cm超えの54cm。

船が走ること約30分、10時頃、城ヶ島沖のポイントに移る。ここはデカアマが出る確率の高いエリア、49.5cmを釣ったのもここだ。いよいよ大物狙いとなった。最初のアタリに合わせると、本日の初外道、ガンゾウヒラメ。10時20分頃、次のアタリ。合わせるや、竿を持っていかれる。これは大きい。電動リールでの巻き上げは危険と思い、手巻きにする。船長が隣に来て「これが甘鯛なら、デカイ」と嬉しいコメント。続いて「ここは違う魚の大型も出る」と嬉しくないコメント。水深約120mから巻き上げているが、途中何度もグイグイグイと竿が強く引かれる。大物は間違いないが、果たして本命か、興醒めのサメか? 船長が再び「甘鯛なら、かなりデカイ」。デカアマが上がるシーンを数えきれないほど見ている船長のコメントだけに、デカアマならデカアマ中のデカアマ、超大物か? とますます期待が高まる。

上がってきたのは、54cmの超デカアマ! 「このサイズはなかなか出ない」と船長。6年越しの念願、叶いけり!

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大きめのレンコダイなので持ち帰って塩焼きに。

その後はトラギス、レンコダイ、ガンゾウヒラメと外道が多く釣れ、本命は小型1匹。復帰戦の釣果は超大物を含む6匹で竿頭、大満足の1日となった。

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500円玉と比べれば、いかに小さいかわかる。

帰宅後の課題は調理だ。54cmを綺麗に捌く腕はない。また食べるには54cmがあれば十分、今までは干物にした小型はどうしよう。そこで思いついたのが、甘鯛飯。小型の半身をお米に乗せて炊く。皮を剥がさなくていいので楽だ。だし汁を作るには小型のアラだけでは少なすぎるので、54cmの大型アラを使う。

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甘鯛飯と甘鯛のお吸い物。

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ワインのおつまみに、洋風ムニエル。

下手くそながら、54cmを3枚に下ろした。兜は煮付けに。半身の半分は刺身に残り半分は昆布締めに。もう一方の半身はムニエルに。そしてだし汁で甘鯛飯とお吸い物。週末を豪華絢爛甘鯛尽くしで楽しんだ。次は2kg超えの鬼カサゴだ。

文/斎藤好一

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