
9月17日に行なわれたF1シンガポールGPで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は5位でレースを終えた。連勝記録がここで途切れてしまったが、彼はそのことを全く気にしていないようだ。
フェルスタッペンは前戦F1イタリアGPを勝利したことで、連勝記録を歴代最長となる『10』へ更新。シンガポールGPではその前人未到の記録を11に伸ばすかどうかが注目された。
しかしレッドブルは今回、初日から苦戦。フェルスタッペンも予選Q2で敗退の11番手スタートとなり、追い抜きが難しいサーキット特性も合わさって連勝記録更新は難しい状況に追い込まれた。
レースではセーフティーカーのタイミングなどもフェルスタッペンに味方するものにはならず、最終的に5位までの追い上げが限界だったため、彼の連勝記録更新はならなかった。ただフェルスタッペンはこの事を全く問題視していない。
「この日が来ることは分かっていたから、僕にとっては全く問題ないよ」と、彼はレース後に語った。
「全てが完璧である必要があるんだ。みんなは『彼らの支配っぷりを見てよ。どれほど簡単なことか』なんて言うけどね」
「だけど決して簡単なことじゃない。たくさんの細かなことに適切に処理する必要があるし、今週末は明らかに色々なことを適切な位置にもっていけなかった。だから遅れをとったんだ」
なおレッドブルとしては開幕から14連勝で、2022年最終戦から数えると15連勝という記録となった。これもフェルスタッペンと同じく、歴代最長の記録だ。
今季のレッドブルの強さから全戦全勝も現実味を帯びて語られていたが、シンガポールGPでその偉業達成の可能性は潰えてしまった。ただクリスチャン・ホーナー代表は、全戦勝利は「予想していなかった」と述べ、既に今の記録が途方も無いものだと主張した。
「まだ8レース残っているんだ! 皆さんはジェッダ(サウジアラビアGP)の頃からこのことを訪ねてきたが、15戦を連勝するというのは、我々の想像を超えたモノだ」
「マックスの10連勝だって狂気の沙汰のようなものだ。そしてそれ以前(の記録は)セバスチャン・ベッテルが我々のマシンで成し遂げたものだった」
「連勝記録の1位と2位に我々のドライバーが並んでいることを、信じられないほど誇りに思っている。記録自体が明らかに重要というわけではないが、彼らは我々がチームとして本当に誇りに思っているドライバー達だよ」
「(マクラーレンの持っていた連勝記録から)1998年以来の更新を成し遂げたことは、こうした結果を残すことが如何に難しいことかを示している。これは我々全員がそれぞれの役割を果たし、活躍したことの証でもある」
ホーナー代表は、こうして連勝を重ねることは見かけほど簡単ではないと繰り返した。
「これまで経験してきたサーキットの違いやコンディションなどを考えれば、15連勝というのは信じられないものだ」
「我々が予選Q3へ進めなかったのは2018年以来だったと思うが、いつか止まるだろうと分かっていたチームにとっても、地獄のような走りだった」
「今年は信じられないような年になっているし、我々みんなが非常に誇りに思っている。来週末はまた最高のポジションに戻れればと思っているよ」
Additional reporting by Jonathan Noble
Adam Cooper