イタリアの地下研究所で激レアなニュートリノを検出。太陽を燃やし続けるプロセスが完全解明される

イタリアの地下研究所で激レアなニュートリノを検出。太陽を燃やし続けるプロセスが完全解明される

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  • 更新日:2020/08/02
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激レアなニュートリノの発見で太陽の秘密が解明 /iStock

太陽の内側で生じている激レアな亜原子粒子が、イタリア中部の山岳地帯の地下で検出されたそうだ。

その粒子は「CNOサイクル・ニュートリノ(CNO-produced neutrino)」と呼ばれるもので、太陽から地球まで飛来して、グラン・サッソ山の地下に設置された検出器によってキャッチされたと見られている。

イタリア国立核物理学研究所のジョアッキーノ・ラヌッチ氏は、これによって「太陽にエネルギーを与えている2つのプロセスが完全に解明されました」とコメントする。

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太陽を燃やす2つの核融合

太陽が真っ赤に燃えているのは、そこで核融合が起きているからだ。

その核融合のほとんどは「陽子-陽子連鎖反応」と呼ばれるものだ。これは陽子の運動エネルギーが相互の静電反発力を超えたとき、陽子が融合して水素をヘリウムに変換するプロセスで、太陽のエネルギーの99%がこれによるものだとされている。

だが、もう1つ、もっと珍しい核融合がある――それが「CNOサイクル」だ。CNOサイクルでは、炭素・窒素・酸素の同位体が触媒として作用し、4つの陽子が核融合を起こす(なお、Cは炭素、Nは窒素、Oは酸素を表す)。

どちらのプロセスでも、「ニュートリノ」と呼ばれる亜原子粒子が発生する。これはほとんど質量がなく、ほぼ光速で移動する上に、ほとんど何でもすり抜けてしまうために、なかなか検出することができない幻のような粒子だ。

そして陽子-陽子連鎖反応とCNOサイクルで生み出されるニュートリノは異なる。今回検出されたCNOサイクル・ニュートリノは、CNOサイクルによって生じたものだ。

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低エネルギーの太陽ニュートリノを研究するためのボレクシノ実験 image by: Borexino

世界最大の地下研究所で検出

CNOサイクル・ニュートリノは、世界最大の地下研究所グラン・サッソ国立研究所で実施されている「ボレクシノ(Borexino)」実験によって検出された。

同研究所は、イタリアのグラン・サッソ山の地下にあり、素粒子物理学の研究で名高い。ここで行われているボレクシノ実験は、低エネルギーの太陽ニュートリノを検出・研究するために立案されたものだ。

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グラン・サッソ国立研究所 image by:TQB1 / wikimedia commons

重量278トン、大きさ16.9×18メートルのシンチレーター検出器には、蛍光(シンチレーション)する液体が満たされており、液体に含まれている電子にニュートリノが干渉すると発光する。

その光が明るいほど、エネルギーが高いことを意味しており、CNOサイクル・ニュートリノが干渉した可能性が高くなる。ちなみに、今回検出されたシグナルが、ニュートリノの干渉ではなく、単なるゆらぎによるものである確率は、350万分の1であるとのことだ。

この発見によって、太陽が燃える核反応の仕組みの理解がさらに進むことだろう。たとえば、豊富に存在する水素と炭素・窒素・酸素の比率などを推測する手がかりとなる。

この発見は、6月23日に「ニュートリノ2020 バーチャルミーティング」で発表された(7月27日現在、査読待ち)。

References:sciencetimes/phys/ written by hiroching / edited by parumo

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