新型コロナによる生活様式の変化が原因で、幼児の運動能力が下がったことが裏付けられたと、島根大学などで作る研究グループが発表しました。
島根県出雲市にある島根大学地域包括ケア教育研究センターの安部孝文助教と、雲南市の「身体教育医学研究所うんなん」の北湯口純主任研究員らによる研究で、雲南市内の幼児608人について、コロナがまん延する前の2019年とコロナ禍中の2020年の運動能力調査のデータを比較しました。
その結果、体の統合的な運動調整能力を示すソフトボール投げの成績が、年少、年中、年長児の全ての学年で下がっていたほか、年長児の25メートル走の記録も低下していました。
これまで小学生以上の子どもの体力低下については報告があったものの、幼児の現状については十分に分かっていなかったということです。
安部助教らは、コロナの巣ごもりなどで運動習慣が減ったことが原因で、全国的にも低下が心配されると結論付けています。
そして子どもの発育、発達の基礎となる幼児期の健全な育成の観点からも、適切な運動や遊びの機会を確保する必要があるとしています。