文在寅が「日米韓朝・首脳会談」計画で総スカン...韓国「素人外交」が世界から孤立し始めた!

文在寅が「日米韓朝・首脳会談」計画で総スカン...韓国「素人外交」が世界から孤立し始めた!

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2020/11/21
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韓国提案「日米韓朝会談」への大きな疑問

外交は内政の延長である。外交で成果を上げるためには、国内できちんとした根回しをしたうえで提案・交渉することが重要であり、国内を説得できるしっかりした政治基盤を有する人が先頭に立つことが望ましい。

韓国では、日韓関係を巡って議員の活動が活発化している。また、バイデン政権を見据えた米国へのアプローチも始まっている。しかし、こうした議員の動きは言葉ではもっともらしいことを言っているが、現状をしっかり分析し、韓国という国の行く方向性をしっかり見据えて、戦略的に動いているというよりはスタンドプレイ的な動きに近い。

たとえば、このほど韓国から提案のあった、菅義偉・文在寅政治宣言の可能性と有効性、東京オリンピックの機会に日米韓と北朝鮮の4者による首脳会談の実現可能性とその成果にははなはだ疑問が残る。

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文在寅政治の「特徴」がまた出た… photo/gettyimages

しかし、日本を訪問した金振杓(キム・ジンピョウ)韓日議員連盟会長の評価は違うようである。そもそも周りの状況には無頓着で、自分たちの都合のいいように解釈する。それでは成果を上げられるはずがない。

それは残念ながら文在寅政治の特徴でもある。そのような外交に時間を浪費するのはやめて、地道な外交に戻ることが韓国の利益ではないだろうか。

「韓日議連」会長が語ったこと

今月12-14日に訪日して日韓・韓日議員連盟合同幹事会に出席し、菅義偉総理など日本の政府首脳と会談した韓日議連の金振杓会長は、中央日報紙のインタビューに応じ次のように述べた。

◇東京オリンピック成功のための新型コロナウィルス防疫協力、東京オリンピックブーム造成のためのスポーツ・文化交流協力、北朝鮮のオリンピック参加など3大協力方案などを提案、広く共感を得た。特に菅総理は「韓国側が東京オリンピックの成功のためにこのような交流協力をしてくれることに感謝する」と述べた。

◇(北朝鮮のオリンピック参加について、日本側に)「当然可能だ。スポーツは非政治的であり、常に交流と理解の幅を広げる作用をしてきたことから、今回も(北朝鮮に)最も良い脱出口になるだろう」と伝えた。

さらに、今回金振杓会長は次のようなことまで述べている。

◇日本の高位外交当局者が「もし金正恩委員長が出席すると話したら、東京オリンピック組織委員会を通じて公式に招待できると話した」「同委員会会長である森元首相も出席する意思があるのなら招待することが道理ではないかと述べた」

◇東京オリンピックを契機に日韓間の関係正常化はもちろん、日、韓、米、北朝鮮の外交突破口を用意しようという構想は、「党・政・青全体の意思」。「文在寅大統領も東京オリンピックに対しては積極的に協力しようという言葉があった」

日韓の間で問題になっている徴用工問題についても、こんなことを述べている。

◇(徴用工問題については)両国首脳が会って妥結できるなら「文在寅―菅宣言」で決断するものの、できないなら東京オリンピックが終わるまで7~8カ月まで凍結する方策を提案した。日本の政治指導者からも共感を得た。あとは両首脳の選択と決断だけが残った。

◇東京オリンピックが成功裏に終わって両国民の信頼度が高まれば、その時は両首脳も政治的な決断ができるだろう。(資産の現金問題については)原告、被告企業、法院行政処など現金化措置の3当事者の中で被告企業が再評価要求や不服申し立てを行うなど遅延手段を講じれば、法院行政処がこれを受けない理由がない。

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東京オリンピックで外交が進む…? photo/gettyimages

東京オリンピックに金正恩が来る…?

金会長がインタビューで述べたことがどこまで訪日内容を正確に反映しているかには疑問符がつく。

共同通信によれば、金正恩氏の東京オリンピック公式招待に関し、日本の外務省幹部は「金振杓氏個人の考えなのではないか」と述べた。加藤官房長官は定例の記者会見で「(韓日議連会長とのやり取りの)中身一つ一つについてのコメントは控える」と具体的な言及は控えたそうである。

いずれにせよ、韓国の政権中枢では、東京オリンピックの機会に、南北に加え日米も入れた首脳会談をやろう、その実現のためには日韓関係を文・菅政治宣言で改善しようとの意思があることは間違いないだろう。

しかし、それが可能どうかは別問題である。

「放射能オリンピック」と言っていた張本人

そもそも韓国は、東京オリンピックは「放射能オリンピック」であるとして国際的な非難活動を行ってきた。

本年1月、安倍総理(当時)が日本語に堪能な各国の駐日大使を招き、総理官邸で昼食会を開いて東京オリンピック・パラリンピックの成功のため協力を求めたが、韓国の南官杓大使は他の日程のためであるとして参加しなかった。通常駐在国の首脳が大使を昼食に招いたのにこれに欠席するなどあり得ないことである。

このような韓国がいきなり豹変したが、東京で4者の首脳会談が実現できないとなればまた、逆戻りするのではないか。自分の都合でころころ変わる政策は安定性がない。

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金正恩を東京五輪に招致する…? photo/gettyimages

東京オリンピックに金正恩氏を招待することについて、日本政府は拉致問題に対する北朝鮮の対応を見守っていくことになるだろう。これまでのように北朝鮮が調査しますと言っても信じられない。

北朝鮮が、最高の監視対象である日本被害者の状況を知らないはずがない。調査するというだけの回答を得るために金正恩氏と会っても日本として喜ばしいことではない。

文在寅の「夢想」

次の問題は、4者会談のため米朝が東京に来るかである。

北朝鮮にとって関心があるのはバイデン氏との直接の首脳会談である。韓国や日本も入れた会談に関心があるわけではない。

そもそも文在寅大統領は、朝鮮半島の問題は韓国が主導的役割を果たすといい続けている。しかし、米朝の間に立って双方に調子のいいことを言い、会談を失敗に導いたのは文在寅大統領ではないか。少なくとも金正恩氏はそのため韓国に反発し、挑発行動も示している。韓国の顔を立てることは考えていないだろう。あくまで実利があるかどうかである。

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バイデンの対アジア外交に注目が集まる photo/gettyimages

バイデン氏も、北朝鮮が核問題で明確な譲歩の意思を示さない限り金正恩氏との首脳会談に関心がないであろう。トランプ氏は、米朝首脳会談を行ったが、核問題交渉に何ら進展がなく、北朝鮮の立場を正当化させただけだったと見ている。

そもそもバイデン氏にとっての最優先課題は新型コロナ対策、国内の分断の修復、環境問題そして外交的には国際的な協調体制の構築、対中関係であり、北朝鮮との関係では、実務会談で核問題について進展があることが会談の前提である。それは金正恩氏が受け付けないだろう。

文在寅氏は客観的な分析を行えば不可能とわかることでも自己中心的思考で韓国にとって望ましいことを夢見る傾向があり、このケースもそれに当てはまる。

菅・文「政治宣言」の実現度は低い

菅・文政治宣言についても徴用工問題を未解決にしたまま、一般論で未来志向をうたっても意味がない。少なくとも日本側にとっては何の利益もない。

そもそも小渕・金大中の「新しいパートナーシップ宣言」は歴史を超えて日韓が未来志向のパートナーとなろうという意味が込められており、これに基づいて金大中氏は日本文化を韓国で広めることを認めた。

しかし、文在寅氏の考えは「日本は歴史問題について謙虚になれ」「日本は歴史問題を政治利用している」という極めて後ろ向きである。このような文在寅氏と政治宣言をすることは想像ができない。

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菅氏は簡単には応じない photo/gettyimages

徴用工問題についても、政治宣言で解決と言っても、請求権協定の基本精神を踏みにじった違法状態は改善されていない。

あるいは東京オリンピックまで棚上げにしてもそれ以降再度提起してくる可能性が高い。韓国の都合だけで日本が動くほど国際政治は甘くない。

日韓議員連盟と韓日議員連盟は両国を結ぶ懸け橋の役割を果たしてきた。そのため韓国側に対し余り突っぱねたようなことは言えないであろう。しかし、そのため韓国側が希望的観測を抱くことも良くない。韓国に対する外交辞令は時と場合によってである。

在韓大使をしていた自分として、あまり厳しいことを言うのは本意ではないが、韓国はこちらが少し好意的なことを言うとそれを数倍にして解釈するところがある。難しい相手である。

議員連盟の間では率直にものを言える人間関係が今後重要となってくるであろう。

韓国の「素人外交」

共に民主党の朝鮮半島タスクフォース所属の宋永吉(ソン・ヨンギル)議員(外交統一委員長)らは、ビーガン国務副長官と面談して、「トランプ氏の北朝鮮に対する関与政策は孤立した北朝鮮を国際社会に引き出した有意義な第一歩」「バイデン氏もトランプ氏の北朝鮮政策を継承することを願う」「『トップダウン』と『ボトムアップ』の2つの方式の間の相互調和が必要だ」と明らにした。

しかし、トランプ大統領はバイデン氏に敗北したことは認めていない。米政権の交代が微妙な状況で米国を訪問し、トランプ政権の要人に新しい政権への希望を伝えること自体が「素人外交」のそしりを免れないだろう。しかもそれをしているのが国会の外交統一委員長である。

おそらく、宋議員の頭にあるのは、バイデン氏になれば再び「戦略的忍耐」に戻る可能性がある、政権交代の前に韓国の希望を伝えておく必要がある、という国内の認識を踏まえた対応である。それが韓国の外交にとってむしろマイナスであることに思いを馳せられないのだろうか。

韓国への高まる批判

議員外交は重要である。それによって外交の幅は広がっていくだろう。しかし、このような無益な行動が重なるとむしろマイナス面が大きくなる。

朴智元(パク・チウォン)国家情報院長の日本訪問について韓国外交部はほとんど協議に預かっていないようである。外交的に機微な状況で、議員外交を進めるにあたっては外交当局との緊密な打ち合わせ、役割分担を行うことが求められるのではないだろうか。

韓国の外交に対する批判が高まっている。

韓国にとって難しい時期に康京和(カン・ギョンファ)外相の存在が見当たらないという。韓国は外交をもう一度見つめなおし、立て直していくことが必要であろう。そのためにも素人外交ではなく外交の専門的知識、経験の活用が望まれる。

これは元外交官の偏向した見方なのだろうか。

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