池袋暴走、実刑判決確定の見通し 飯塚被告「償いになれば」

池袋暴走、実刑判決確定の見通し 飯塚被告「償いになれば」

  • 毎日新聞
  • 更新日:2021/09/15
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事故が発生した現場を調べる警視庁の捜査員ら=東京都豊島区で2019年4月19日午後1時23分、宮間俊樹撮影

東京・池袋で2019年4月、暴走した乗用車にはねられた母子ら11人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)に問われ、東京地裁で禁錮5年の実刑判決を受けた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(90)が15日、控訴しない意向を、面会した犯罪加害者家族の支援団体に伝えた。「遺族に申し訳ない。控訴せず、罪を償いたい」と理由を説明したという。検察側も控訴を見送るとみられ、実刑判決が確定する見通しとなった。

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控訴期限の16日を前に支援団体の代表が15日、飯塚被告の自宅を訪ね、面会後に取材に応じた。代表が控訴の意向を尋ねると、飯塚被告は弁護士と話し合って控訴しないことを決めたと説明し、「償いになるか分からないが、償いになれば」と語ったという。刑務所に収容される手続きなどを説明すると、飯塚被告は元気がない様子で耳を傾けていたとした。

毎日新聞は今月2日の判決後に手紙で飯塚被告に取材を申し込んだ。被告からは「判決前後に関わりなく取材を全て断っています」との返信があり、「体調がこのところ急激に悪化し、返信が遅くなりおわびします」などと記されていた。家族が全面的に信頼する存在として、支援団体の代表の名前を挙げていた。

判決は、飯塚被告に脅迫状が届き、自宅付近で街宣活動が行われたことを挙げ「過度な社会的制裁が加えられた」と指摘した。代表は「これまでの支援依頼の中でも最悪の被害を受けている。飯塚さんはいつも遺族に申し訳ないと言っていて、今日も申し訳ないと話していた」と述べた。

事故で妻真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)を亡くした松永拓也さん(35)は判決後に「争いを続けたくない。1審で終わりにしたい」と話しており、禁錮7年を求刑した検察側もこうした意向を尊重して控訴を見送るとみられる。控訴期限が過ぎて判決が確定すれば、検察側は被告を刑務所に収容する手続きに入る。松永さんは15日、判決が確定するまで動向を見守りたいとするコメントをツイッターに投稿した。

判決によると、飯塚被告は19年4月、ブレーキとアクセルを踏み間違えて乗用車を暴走させ、松永さん母子ら11人を死傷させた。判決は被告の車両に残されたデータなどから、「ペダルは踏み間違えておらず、車両の不具合が事故の原因」とする弁護側の無罪主張を退けた。その上で「過失は重大で、遺族の処罰感情はしゅんれつだ」として実刑が相当と判断した。【遠藤浩二、近松仁太郎】

池袋暴走事故

2019年4月19日午後0時25分ごろ、東京都豊島区東池袋4の都道で、飯塚幸三被告が運転する乗用車が暴走して交差点に進入し、自転車で横断歩道を渡っていた松永真菜さんと長女莉子ちゃんがはねられて死亡したほか、9人が重軽傷を負った。2日の東京地裁判決は、飯塚被告がブレーキペダルと間違えて約10秒間アクセルを踏み続け、時速96キロに加速させて交差点に進入したと認定した。

毎日新聞

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