
「石仏なんて興味がない」って人にこそ、おすすめしたい!(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)
今年7年振りの開催に盛り上がる諏訪大社の御柱祭。残すところは今週末の下社の里曳きのみとなりましたが、諏訪訪問を考えるなら混雑を避けてお祭り後に訪れても良いでしょう。
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せっかく諏訪まで足を延ばすならば、諏訪大社以外も満喫していただきたい。ってことで、今回はあの岡本太郎や新田次郎が絶賛した「万治の石仏」を紹介してみます。
■場所は諏訪大社下社春宮の裏手
万治の石仏は諏訪大社下社春宮のすぐ裏手、歩いて5分ほどの場所にあります。その昔、芸術家の岡本太郎がこの石仏を訪れた際に「世界中歩いているが、こんな面白いものは見たことがない」と、カメラを持つ手を震わせたそうです。
「でも、仏像ってあんまり興味ないんだよなあ」
そんな方にこそ、ぜひ足を運んでいただきたい、なんともかわいらしい仏様なんです。
春宮の境内を抜けてもアクセスできますが、小川沿いに行くと混雑を避けられます。
朱色に塗られた橋を越え、小さな畑が現れると、木々の隙間にチラリとそのお姿が見えてきました。

緑の先に姿が見えてきました
■フォルムもお顔も、どこか親しげのある佇まい
どどん。
さあ、どうです。皆さんが頭の中で想像していた石仏とは、全然違うのではないでしょうか。
横から見ると、さらにかわいらしい。この大きな胴体に対して、アンバランスな小さい頭がちょこんと乗ったどこかユーモラスな佇まいが、万治の石仏が長年愛される続ける理由です。

万治3年(1660年)に建立されたことが名前の由来
この石仏の謂れについては、他に詳しく書かれたサイトがたくさんあるので割愛します。
が、トリビア的な話をすると、この石仏は「安山岩」という火山岩の一種で作られています。この種類の石は墓跡や城壁などにも使われる最高級品でして、有名なものだと、神奈川県の真鶴の山で切り出された安山岩(本小松石)が、船で江戸に運ばれて江戸城の城壁に使われたりしています。

御柱祭仕様のマンホールも探してみましょう
話が逸れました。
見た目だけでなく、お参りの仕方も独特です。まず正面で一礼をして手を合わせ、「よろずおさまりますように」と心で念じます。続いて、石仏の周りを願い事を心で唱えながら、時計回りにクルクルと3周(胴体の外径は11m85cm)。正面に戻って「よろずおさめました」と唱えて一礼して完了です。
「どうか、わたしの願いをお聞きいただけないでしょうか」
そんなビシッとかしこまった気持ちよりも、「最近の悩みを聞いてほしいんだけけどさ…」と友人に相談するような、気軽さと親近感が不思議と湧いてくる仏様です。
春宮と秋宮を繋ぐ参道周辺では、いろいろな石仏グッズを見つけることもできます。お土産を探しながら、2つの大社を繋いで街を散策してみましょう。
・【地図】諏訪大社下社の参拝ついでに行ける「万治の石仏」の位置
BRAVO MOUNTAIN編集部