産後初のドラマ出演、夏菜が考えるジェンダーと多様性「考え方が凝り固まっていたと気づかされた」

産後初のドラマ出演、夏菜が考えるジェンダーと多様性「考え方が凝り固まっていたと気づかされた」

  • ENTAME next
  • 更新日:2022/08/06
No image

夏菜が出演する、土ドラ『個人差あります』(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)が8月6日(土)23:40よりスタートする。ある日夫が、女性になったら…!? そんな、突如性別が変わってしまう“異性化”に翻弄される夫婦の物語だ。新川優愛、白洲迅と共にトリプル主演を務める夏菜は、産後初のドラマ出演となる。子育てなどに多忙の中、「異性化して身体的性別だけ女性になってしまう」という難解な役柄にどう挑んだのか?

【写真】産後初のドラマ出演を果たした夏菜の撮り下ろしカット【12点】

──産後初のドラマ出演になりますが、お忙しい日々を送っているのではないでしょうか。

夏菜 子育てがあるので、自分のペースでは進められない毎日で、台本を読む時間が限られてくるんですよね。ドラマの現場自体、約1年ぶりだったので、いつも演技指導をしていただいている先生にお願いして、リハビリ的に個人レッスンをしてもらいました。でも、やっぱりセリフの覚えが悪い(笑)。というのも家にいると、「ミルクをあげなければいけない」「お風呂に入れなければいけない」と目の前で起きていることで頭の9割方が占められているんです。

──どうしてもお子さん中心の生活になりますからね。

夏菜 もうちょっと赤ちゃんのいる生活に慣れてきたらいいんでしょうけど、やっと慣れてきたのかなぐらいで活動を再開したからバタバタしていて。そういう意味では大変なんですけど、久々にお芝居と向き合ってみたら、めちゃめちゃ楽しくて。新鮮な日々を過ごしています。そんな風に感じたのは二十歳ぐらいの時以来で、心からお芝居が楽しいと思えていた時期に感覚が戻っているんです。以前、自分からお仕事を休んだ時期もあったんですけど、その時は復帰しても別に何も思わなくて。どうして今、そういう風に思えているのかは自分でも不思議なんですけど、毎日が楽しいです!

──産後3か月で復帰したそうですが、どうしてこのタイミングだったのでしょうか。

夏菜 ドラマや映画など、映像作品でお仕事に復帰したいというのが自分の中にあったのと、改めてちゃんと俳優をやりたいという気持ちがあったんです。「意味のある作品だったら出たい」とマネージャーさんには伝えていて、『個人差あります』は原作の漫画と台本を読んですごく面白かったので、まさにうってつけということで受けさせてもらいました。

──夏菜さんの演じる磯森晶について教えてください。

夏菜 もともと晶は(白洲)迅くん演じるサラリーマンで、中身は強い男。新川優愛ちゃん演じる小説家の苑子を奥さんに持つ旦那さんで、普通に会社で働いていたんですけど、ひょんなことから「異性化」して身体的性別だけ女性になってしまう。迅くんが私になるということです。これは私にぴったりの役だと思ったんですけど、台本を読み進めていけばいくほど、晶を演じれば演じるほど難しくて。突飛な設定ではありますけど、性の多様性だとか、人が人を愛することだとか、自分を愛することだとか、夫婦のことだとか、様々なテーマが含まれていて、いろんなことを背負って演じていかなければいけないなと責任も感じます。私自身、自分の固定概念を壊しながら戦っているところです。

──晶を自分事としてとらえることはできましたか?

夏菜 夏菜自身は女性で、男性の旦那さんがいるので、なかなか自分事としてとらえることはできません。そもそも初めて生理がきた男性の苦しみなんて、私には分からない(笑)。晶の立場で台本を読み進めていったんですが、自分に似ているものがあるかと考えたらなくて。少しでも晶を理解できるように、ジェンダーに関しての情報番組や性同一性障害で悩む方のYouTube、映画『リリーのすべて』など、いろいろなものを見漁りました。理解した上で演じないと、この作品に出る資格はないなと考えたんです。

──いつも役作りをする時は、そういった下準備を入念にするほうなんですか?

夏菜 わりと今まではサクッと始めちゃうことが多かったので、今までで一番いろいろ調べたかもしれません。それだけ悩みました。もちろんジェンダーに悩む人がいるのは知っていましたし、性の多様性を認める世の中になってきているのも肌で感じていました。友達にもそういう人はいますけど、意識せずに付き合ってきたので、どこか他人事でした。でも晶を演じる以上は、ちゃんと理解したいですし、責任重大だなと思いながらやっています。

──難しい役柄だからこそ、やりがいも大きいのではないでしょうか。

夏菜 そうですね。自分の固定概念を壊して、広げていく作業はすごく面白い。いろんな性が許される多様性の世の中になっているけど、私は考え方が凝り固まっていたんだなと気づかされましたし、女っぽいってなんだろう、男っぽいってなんだろうってことも考えました。私は喋り方やしぐさが男っぽいとか少年っぽいとか言われることもあるんですけど、「中身はめちゃくちゃ女じゃん!」と自分を再発見するような感覚もありました。こうやって自分の枠を広げられる機会に恵まれると、俳優をやっていてよかったなと思います。役柄が難しければ難しいほど、それを感じるんですよね。難しいってことは自分とかけ離れているってことだから、そういうときのほうが得るものも大きいんです。

──ちょっと話は逸れますが、体型が以前と変わってなくて驚きました。

夏菜 自分で言うのもなんですけど、そうですね(笑)。妊娠中は10キロぐらい太ったんですけど、そこまで太った経験がなかったので結構ビビって。産後のことを考えて、妊娠中にバリバリ運動したんです。産んでからは全く運動してないんですけど、以前の体型に戻ることができて、上手く調整できました。

──今はプライベートでもオンオフを切り替えるのは難しいのではないでしょうか。

夏菜 今はずっとオンみたいな毎日ですが、赤ちゃんがぐっすり寝てくれて、夜泣きもしないタイプの子なので助かっています。でも連日ドラマの撮影が続いて、セリフを覚えられなくてパニックになることもあるので、上手なオンオフの使い分けは模索中ですね。

──今後も積極的にお仕事はされていくんですか?

夏菜 今回やってみて気づいたんですが、やっぱり家族の協力がないとできないんですよね。私自身はやっていきたい気持ちでいますけど、「お母さんは大丈夫かな? 旦那さんは大丈夫かな?」みたいな(笑)。そうやって家族の顔色を伺いつつも、やっていけたらいいなと思っています。

スタイリスト/ 星翔子

ヘアメイク/ 枝廣優綺

持道具/北川幸江

【あわせて読む】夏菜、出産後初のドラマは“異性化した夫”という難役「セリフは育児と同時進行」

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加