国内で劣勢となっていたピザハット、新業態で「あのライバル」と徹底抗戦!?

国内で劣勢となっていたピザハット、新業態で「あのライバル」と徹底抗戦!?

  • ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 更新日:2016/11/30
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ピザハットの新業態店舗・奏の杜フォルテ津田沼店(習志野市)

イタリアンレストランチェーンの競争が激化するなか、ピザチェーン店の「ピザハット」の新業態店舗が11月19日に習志野市にオープンした。

ピザハットといえば、言わずと知れた世界最大手の宅配ピザチェーン。その「新業態」とは、一体どのような店舗なのであろうか。

◆「宅配ピザ店」でありながら店内飲食がメイン!

新業態店舗である「ピザハット奏の杜フォルテ津田沼店」は、JR津田沼駅から歩いてすぐの場所にある商業施設「奏の杜フォルテ」の1階に出店している。

この店舗は「ファストカジュアル型店」と称しており、店舗面積は132㎡。コンセプトは『”おいしく”"手軽に”楽しめる』で、その一番の特徴は店内に設置された大型のイートインスペースだ。

これまでもピザハットの一部の店舗では小規模なイートインスペースが設置されていたが、店舗の印象はそれとは少し異なり、どちらかと言えばマクドナルドなどのファストフード店のような雰囲気。さらに、商品価格も他のファストフード店を意識したもので、従来の宅配ピザ店とは異なり「おひとり様」サイズも充実。メインメニューのピザでは「マルゲリータ」「ツナマヨコーン」「ペパロニスペシャル」の21cmサイズが税込410円、パスタでは「ペペロンチーノ」が税込518円など、リーズナブルな価格帯となっている。なお、従来型のピザハットと同様に、宅配メニューの提供も行っている。

◆「世界王者」のピザハット、国内では劣勢となりつつあった

実は、この「新業態店舗」は、同業他社の大手ピザチェーンに対抗したものだと言える。その「同業他社」とは、急速な出店攻勢をかけるドミノピザだ。

日本国内のピザの市場規模はここ10年間以上2000億円台で推移しているのに対し、宅配ピザ店は増加傾向にある。さらに、2008年から2016年までの宅配ピザチェーン国内大手3社の店舗推移を見ると、ピザハット、ピザーラは横ばいなのに対し、ドミノピザの店舗数の伸びが著しいことが分かる。

日本国内でドミノピザを展開する「ドミノ・ピザ ジャパン」社は、2010年にミスタードーナツなどを経営するダスキンの傘下から米国「ドミノ・ピザ」社の筆頭株主である投資ファンド「ベインキャピタル」の傘下となって以降、積極的な出店を開始。2008年に100店舗台だった店舗数は、2016年には500店舗にまで届こうとしている。

この「怒涛の出店攻勢」により、長らく国内業界2位であったピザハットは業界3位へと転落。新たな「一手」を迫られていたのだ。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=118734

実は、かつてのピザハットの店舗ではこういった飲食コーナーを設けている店舗が多かったものの、その後の宅配ピザの流行により、経営方針を「宅配中心」に転換したという過去がある。

一方で、近年ピザハットは全国のショッピングセンター内に小規模なイートインスペースを併設した「ピザハットエクスプレス」の出店も行っていた。このエクスプレス業態は宅配に要するコストが軽減する分、一般的な宅配ピザと「同じ」商品が割安な価格で購入できるのが特徴であった。今回出店した「ピザハット奏の杜フォルテ津田沼店」は、このエクスプレス業態を進化させ、更なる「商品の低価格化」と「業態の最適化」を実現したもので、競争が激化しつつある宅配ピザ業態からの脱却を図るための「攻めの一手」であるとも言える。

なお、世界的に見ると、ピザハットがピザチェーン業界1位なのに対し、ドミノピザは業界2位。両社ともに世界50ヶ国以上に出店している多国籍企業で、こうした両社の熾烈な覇権争いが繰り広げられているのはなにも日本だけの話ではない。

◆新たな敵「低価格イタリアンファミレス」にも徹底抗戦か?

もう1つ、ピザハットが対抗しなければならない強敵は「ザイゼリヤ」や「ジョリーパスタ」などといった大手の低価格イタリアンレストランチェーンだ。

特に、イタリアンレストランチェーン業界1位のサイゼリヤは、ドミノピザと同様に順調に店舗数を伸ばしており、その低価格戦略は宅配ピザ業界にとっても「台風の目」となっていた。

今回、ピザハットの新業態店舗がオープンしたのはJR津田沼駅近く。津田沼と言えば、サイゼリヤの創業の地である市川市本八幡にも近く、サイゼリヤの店舗が密集する地域である(なお現在のサイゼリヤの本社は埼玉県吉川市)。そのため、当然サイゼリヤとの競争は避けられないものとなってくるが、実は驚くべきことに、この「ピザハット奏の杜フォルテ津田沼店」はサイゼリヤの隣への出店となっているのだ。

ピザハットが”新業態一号店”をこの場所に選んだ理由は明かされていない。

しかし、ピザハットがあえてこの立地を選んだ理由は、サイゼリヤに来店した客に対してもピザハット新業態店舗の優位性をアピールすることで、「低価格イタリアンレストラン」のグラウンドにおいても「攻めの一手」を示したいという思惑があるのではないだろうか。
競合各社の出店攻勢に押されつつも、新戦略で攻めに転じたピザハット。国内では劣勢となりつつあった「ピザ界の世界王者」の今後が期待される。
<取材・文・撮影/都市商業研究所>

都市商業研究所
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken

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