好きだけどしたくない...30代女子が願う「我慢のないセックスレス夫婦」

好きだけどしたくない...30代女子が願う「我慢のないセックスレス夫婦」

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/11/22
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11月22日は「いい夫婦の日」。その名もずばり『1122(いい夫婦)』という漫画がある。渡辺ペコさんが月刊誌「モーニング・ツー」にて連載をしている漫画で、主人公は結婚7年目、30代の仲の良い夫婦だ。「セックスレスである」「互いに外での性交を容認している」ということをのぞけば――。

この漫画を「他人事ではない」と語るのがフリーライターの高橋りょうさんだ。実は様々な年代で「他人事ではない」と思う人が多くいるのではないだろうか。高橋さんの実体験をもとに、『1122』の何が響くのか、「夫婦の形」とは何かを考えてみたい。

いま、パートナーが ハプニングバーに行ってるの

パートナーと、セックスはしたくないけど、別れたくもない。それは単なるワガママだと一蹴されるだろうか。

深夜の3時、私はいつもより少し夜更かしをして、彼の帰りを待っていた。ひとりでいると、いらないことばかり考えそうだから、地元の友達と3人でオンラインゲームをしながら時間を潰していた。

「実はさ、彼、いまハプニングバーに行ってるんだよね」

そう言うと、友達2人は少し引いたように「ええ?」と返した。ちなみにハプニングバーとは「出会い系バー」であって、その場での「ハプニング」を求めてくることが前提だ。当然その場で性的関係を持つことも多い。

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Photo by iSotck

「私が行けばって言ったんだよ。興味があるって言うから、じゃあ行けばって」

それは確かに事実であった。彼がある夜「友達がさあ、ハプバーが面白いって言うんだよ」とまるで異国の話を聞いたかのように言うので、興味があるなら行ってみてもいいよ、と言ったのだ。クリエイティブな仕事をしている彼に、ちょっとは仕事の刺激になるかもしれないよ、なんてことまで言った。

それだけ聞けば、彼に無関心か、はたまた異様に寛容な彼女のように思われそうだが、私が彼の背中を押した理由は別にある。

その有り余る性欲を、どうか私に向けず、できれば外で発散してきてほしいと、そう願っていたからだ。

同棲して1年半でセックスレスに

彼と私は付き合って約2年、同棲を始めて1年半ほどになる。付き合い始めこそ毎日のようにセックスをしていたが、次第に週に1回程度に落ち着いた。一緒に暮らしはじめてからは、2週間、3週間、1ヵ月、とさらにスパンは長くなっていった。

回数が減った理由は私が誘いを断るようになったからだ。

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抱き着かれるのが嫌なのではない。人として好きでもある。でも嫌なこともあるのだ Photo by iSotck

彼はどんなに忙しくても、徹夜が続いていても、セックスができる人だった。違和感に目を覚ましたら、完徹で朝帰りの彼が寝ている私のパンツを脱がしていた、なんてこともあるくらいだ。今もセックスをするときは、再三の彼の誘いを断りきれず、私が折れる形で始まる。

そういうわけで、とにかく問題は私の方にあった。

昔から、セックスを見ることは好き(アダルトビデオやエロ漫画は人並み以上に嗜んできた)だが、自分がセックスをすることはあまり好きではなかった。気持ちのいいセックスもあるが、それよりも「面倒臭い」が勝ってしまう。漫画やゲームが大好きで、積んでる本やソフトが山のようにある。挿入している間は、だいたいいつも次に読みたい本を思い浮かべながら「早く終わらないかな」と思ってしまう。

おまけに彼の男性器は異様に大きく、前戯はとても丁寧で上手なのだが、それでも挿入時にけっこう勇気がいる。どれだけならしても、ちょっと痛いので、その痛みを想像するとさらに億劫になる。

「ふたりの生活」は安らぎ

ただし、セックスレスの状態をのぞけば、我が家はとても穏やかで、お互いに安らげる場所になっている。

ふたりでピザを食べながら大河ドラマを観たり、おすすめの映画をNetflixで紹介しあったり、仕事の愚痴を言って慰めあったり、近所の美味しいご飯屋さんを開拓したり、休日の朝にウォーキングがてら二駅先のパン屋さんに行ったり、そうやって、ふたりで生活を楽しんでいる。そして、私はそれで十分に満たされている。

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近所を散歩して美味しいものを食べる。それだけで楽しい(写真の人物は本人とは関係ありません)Photo by iSotck

だから、彼がもし外でセックスをすることが楽しいと思えるのであれば、これ以上ないほどにいい選択肢だと感じた。少なくとも、ハプバーに行くのを後押ししていたときの私は、そう信じていた。

しかし、終電の時間を過ぎても帰ってこないあたりから、私はなんだかソワソワし始めた。当然のように、その日のうちに帰ってくると思っていたからだ。心配をかきけすようにゲームをしていたが、身が入らなかった。そういえば、友達が過去に付き合った恋人は、ハプバーで知り合って意気投合した人だって言ってたっけな、なんてことを今になって思い出す。

なぜ、セックスだけで済むと思っていたのだろう。セックスをした相手と恋に落ちる、なんてことは十分にありうるわけで、そしたら私と彼の関係性は容易く崩れてしまうのに。その可能性が頭からすっぽりと抜けていた。自信過剰だったのか、愚鈍だったのか、ぼんやりとしていた自分に腹が立ってくる。

ビリビリきた渡辺ペコさんの漫画

余計に腹が立ったのは、そういう展開をすでに私は物語で読んでいたにも関わらず、同じことをしでかしたから、だ。

渡辺ペコの『1122』という作品がある。結婚7年目の夫婦を描いた物語だ。主人公は、はたから見れば仲睦まじい”いい夫婦”である、相原一子(いちこ)と相原二也(おとやん)。実際、彼らはお互いに気配りを欠かさず、支え合い、愉快な会話に笑い合う、いい夫婦である。

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しかし、彼らのそんな和やかな生活は「婚外恋愛許可制(公認不倫)」という一つの制度により成立しているものでもあった。

これは、セックスをしたくない妻が夫に提案したもので、その名の通り、パートナーが公認している不倫行為である。ルールはたったひとつ、家には恋愛を持ち込まない、ただそれだけ。

それにより、彼らは2年近くセックスレスの状態であったが、お互いに満たされた生活を送っていた。

しかし、そんな平穏も次第に翳り始める。

発端は、おとやんが恋に浮かれ始めたことである。家でもかまわず、不倫相手から連絡がくると顔をほころばせる。彼女とデートをしたいがために、いちこと約束していた温泉旅行を延期したいと言い始める。

おまけに、いちこがセックスに誘ったとしても、今度はおとやんが拒絶するようになってしまった。「減るもんじゃないじゃん」という彼女の言葉に、彼は「減るもんだよ」と返す。「何が」減るのかは言わなかったが、彼が不倫相手とのセックスに「心」までもっていかれているのは明らかだった。

もともとこの制度は、いちこがセックスをしたくないがために考え出したものである。また、彼のセックスを拒絶したときの彼女は「男には風俗もあるし」というようなことも言っており、これほどまでに不倫相手に熱を上げ始めるというのは想定外だっただろう。

モヤモヤするが、自業自得の部分もあり八方塞がり。そんな彼女は、半ば復讐のような形で、自分も外で恋愛をしてみようと、男友達をホテルに誘ったり、女性用風俗に足を運んだりし始める。

『1122』が描く新しい夫婦の形

……と、ストーリーだけ辿れば破綻まっしぐらの夫婦だが、漫画はそうは描かない。

「セックスぐらい」外でしてくればいい、と一時の気持ちで始めた制度により、夫婦の関係性はややこしく歪になっていくが、それでも彼らは「いい夫婦」でいようとし続ける。夫がぎっくり腰で苦しんでいたら風俗でお金を払っていてもすぐに帰るし、雨の中妻の帰りが遅かったら、傘をもって駅まで迎えに行く。お互いの親や親戚に嫌なことを言われたら、相手が傷つかないようにフォローしたり慰めたりする。恋愛やセックスこそ外でしている2人だが、それでも夫婦としての絆は強固だ。

いちこは言う。

「わたしたちはいびつな夫婦かもしれない」
「でもそれでもいい」
「自分で選んだ人と自分たちのやり方で家族になるの」

恋愛の末に結婚という契約を結んだふたりは、もっといい形を求めて新たにルールを作り、自分たちの家族の姿を模索していく。周囲も巻き込む不倫という形をとるのは、正直悪手としか思えないし、今のところは全くうまくいっていない。ふたりは常に思い悩み、苦しみ、ときどき大きな失敗をする。

でも、それでも諦めず、夫婦であり続けようとする、そういう点で極めて前向きな作品だ。

ハプバーから帰ってこないだけでソワソワしてしまう私にとっては、彼らのたくましさが眩しい。

そして、これは一読者のワガママと思いつつも、どうかふたりの家族の形が「仲睦まじくセックスも楽しむのがいい夫婦」なんて"ありふれた幸せ"に決着せず、一切我慢も妥協もない新たな関係性へと結び付くといいな、なんて希望を抱きながら続きを待っているのだ。「我慢してセックスする」わけでもなく「セックスを我慢する」わけでもなく、それでも崩れない夫婦の形があったら、救われる人は想像以上に多くいるのではないか。

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夫婦の数だけ、夫婦の在り方がある。それぞれの夫婦が幸せである姿は、ふたりで決めればいい。ただ、「独りで決める」ではないからこそ、やっぱいでもある Photo by iSotck

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『1122』「公認不倫」を選択した30代セックスレス夫婦のいちことおとや。
「恋人」との別れからふたたび近寄るかに見えた二人だが、再び公認不倫の先にあるものは果たしてーー。夫婦はこの危機を乗り越えることができるのか。「結婚」とは何かを問いかける、各メディアで話題沸騰の意欲作! 6巻は2019年11月22日発売。

【漫画】セックスレス・不倫公認でも「いい夫婦」?渡辺ペコ『1122』試し読み記事はこちら

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