最終回「過保護のカホコ」麦野は本当に必要だったのか!?

最終回「過保護のカホコ」麦野は本当に必要だったのか!?

  • Excite
  • 更新日:2017/09/15

全方向に話が広がりまくってしまい、あと1話でどうまとめるんだ? まさか、いつものように色んな伏線放ったらかしエンディングじゃないだろうな、遊川サン! ……と思っていたら、予想外にキッチリとまとめてきた『過保護のカホコ』(日本テレビ・水曜22:00~)。

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前回のレビューで「オラオラ、この問題どうまとめるんだよ!」と、いじわる心半分でボクが挙げていた、

・チェロを諦めてヤンキー化したイトちゃん(久保田紗友)問題
・環(中村ひろ子)夫婦の離婚問題
・カホコ(高畑充希)と麦野(竹内涼真)の結婚問題
・「小さな王国」って何だったの?
・あの変な動物たとえは何だったの?
・カホコの言ってた「みんなを幸せにする仕事」はどうなったの!?

も、「変な動物たとえ」意外はとりあえず解決してくれて、「アレは何だったんだよ!」というモヤモヤ感のない、スッキリとした最終回だった。

ピュアネス+金でみんなを説得!?

ラスト1話でこれだけの問題を処理しなければならないということで、覚醒したカホコが、ダイジェストかと思うくらいのスピード感でビシビシと問題を解決していったわけだが、その解決方法は、ほとんど「カホコがとにかく説教する」という、少々強引なもの。

過保護に育てられて世間ズレしていた子が他人の心を動かすには、結局ピュアネス全開で必死に訴えかけることしか出来ないということか。

チェロを売っちゃおうとしているイトちゃん、詐欺られた借金が残っている父方の実家問題に関しては、カホコの説教にプラスして、約300万円の貯金通帳(おそらく親や親戚からもらったお小遣いを貯めてきたものだろう)をちらつかせ、現金でバーンと頬をひっぱたくような形で説得していて、「ピュアネス+金かよ!?」と笑ったけど。

特に、借金の原因を作った叔母・教子(濱田マリ)は、借金を肩代わりしてもらってから露骨に態度が変わり、カホコと麦野の結婚へも大賛成というスタンスに転向。……リアルと言えばリアルだ。

それでも、「過保護」に育てられてきた象徴のような存在である貯金通帳を手放すことで、当初の目標だった「みんなを幸せにするような仕事」をやるための施設を作るという展開はキレイなまとめ方で、「おおっ、そうきたか!」と思わされた。

母子3代のドラマだったのだ

最大の問題であったカホコと麦野の結婚は、「ちゃんとママに認めてもらってから」という話だったはずなのに、なんとなーく周囲を味方に付けた上で、まったくママを説得できていない状態で結婚式を強行することに。

当日になってトラブルが続出した結果、父・正高(時任三郎)が電話で「娘の結婚式が台無しになってもいいのか」と母・泉(黒木瞳)を説得するという、何だか他人任せ感のある解決だった。

さらに、泉を説得した決め手が「カホコが何で今日にこだわったのか、まだわからないのか、泉。オレたちの結婚記念日だからだよ」という……。その伏線、知らんがな。

とにかく気持ちを変えた泉が、「自分が強気でいられる境界線」を乗り越えて結婚式の会場にやって来て、得意の仕切り力を発揮してトラブルを一気に解決。

ついでに、いつの間にか呼んでいたイトちゃんがチェロを演奏する中、結婚式が執り行われる……と、色んなことがバタバタッと解決して、キレイにまとまったエンディングだった。

麦野が落とした結婚指輪を、泉が追いかけていったシーンでは、「遊川脚本だったら、このまま池に落っこちて死亡くらいのことがあってもおかしくないぞ!?」と、若干ドキドキさせられたが……。

もちろんそんなこともなく(いや、あり得るんだけど、この人の脚本だと)、初代(三田佳子)から受け継いだ結婚指輪を、泉が見事にキャッチしてカホコがはめる。

こう考えるとこのドラマ、初代、泉、カホコという母子3代の物語だったのだろう。

初代に厳しく育てられてきたせいで「自分を愛してくれる人はいない」と思い込んでしまった泉が、その反動で「自分のことを無条件に愛してくれる」カホコを思いっきり過保護に育ててしまった。

そんな、距離感がおかしくなっていた祖母・母・娘の関係を、カホコが成長して「過保護」から脱却することによって、修復する物語だったのだ。

最後、カホコが作った施設の看板に止まっていた2羽の蝶が飛び立って「カホゴハウス」が「カホコハウス」に変わるというのは象徴的なシーンだ。

しかしそうなると、麦野との恋愛要素がやっぱり余計だったように思えてならない。

カホコが過保護から抜け出すきっかけを「男との恋愛」に設定したということなのだろうけれど、そのせいで中盤以降、麦野との関係性の方にウェイトが置かれて、泉の存在がただの「麦野との交際に反対する人」になってしまい、「過保護からの脱却」というテーマがぼけてしまった感があるのだ。

ナレーションが父の正高なのだから、正高の目から見たカホコと泉との関係性の変化を、もっと細かく描いて欲しかった。

ボンクラと結婚しちゃう血筋

美人で能力も高い女性である初代も泉も、結局はボンクラな旦那と結婚しまっているということを考えると、カホコが「無駄にサワヤカで無駄にいいこと言う」けど、就職もしないで画家になるとかぬかしている麦野と結婚してしまったのは、血筋だとも考えられるが。

結婚から1年後の描写も、ようやく麦野が画家として芽を出しつつある……とかじゃなくて、似顔絵描きになっているというのは、何かメッセージ性を感じる。

そうなのだ、「ピカソを超える」という目標の下、抽象画ばかりを描いていた麦野が、「どうも抽象画には才能がないらしい」と気づいて転向したのが肖像画だったわけだが、麦野の描いている絵って肖像画というよりは、ただの上手い似顔絵なんだよね。

その絵で感動していたのも、ほぼカホコだけだし……。「泉に認めてもらえるような絵を描く」と言っていたのに、結局、泉が麦野の絵で感動した様子もないし。

カホコが成長するにつれて、相対的に麦野のボンクラ度が上がっていたが、最終的に、泉に似てきたカホコが麦野を尻に敷いているという……家族の歴史は繰り返す!

遊川サン、また朝ドラやってくれないかな?

要所要所に遊川脚本らしいモヤモヤポイントはありつつも、初期の「ただのバカ」状態だったカホコから、自分の意見をしっかりと主張できるようになったカホコまでキッチリ演じ分けてきた高畑充希の絶妙な演技力でグイグイ作品世界に引きつけられた今回の『過保護のカホコ』。

そこに三田佳子、黒木瞳という大女優の演技も加わって、細かい粗が気にならないくらい「何かいいドラマ見た」感を味合わせてくれた。

やはり、エピソードの時間配分を間違ったかのような終盤のバタバタ感は気になったけど。たぶん、あと2話くらいあったら問題解決編をもっと丁寧に描けていて、満足感も高くなったんだろうなぁー。

「1クール10話とかじゃねえ、もっと長いドラマやらせろ!」という遊川サンのメッセージだと受け止めておきます。

2クールくらいのドラマ……いや、『純と愛』で大コケした後の遊川サンが作る朝ドラをもう1回見てみたい! 遊川サン、次回作も楽しみにしてますよ!
(イラストと文/北村ヂン)

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