【単刀直言】石破茂・元防衛相 「核の傘」実効性検証を 北が半島統一の悪夢...どう防ぐ?

【単刀直言】石破茂・元防衛相 「核の傘」実効性検証を 北が半島統一の悪夢...どう防ぐ?

  • 産経ニュース
  • 更新日:2017/09/16

また北朝鮮が弾道ミサイルを撃ちました。米領グアムに届く射程だといわれていますね。グアムは米国にとって国家戦略の根幹の一角を占める海空軍の拠点です。「その気になればグアムに届くぞ」ということを見せたのでしょう。北朝鮮の強固な意志を感じますね。

私が防衛庁長官だった15年前から状況は全く変わりました。当時は北朝鮮のミサイルといえば燃料注入に何時間もかかった。衛星で状況がつかめた。今はどうか。北朝鮮は即応性の高い固体燃料のミサイルを持つようになった。移動式発射台(TEL)があるので、どこから撃たれるか分からん。いつどこから何発撃たれるか分からん。そしてリーダーはあの金正恩朝鮮労働党委員長だ。

歴史に学ぶ必要ある

日本は米国の「核の傘」に守られているという。しかし、こんなに状況が変わった中で、米国の核の傘を、何の検証もせず、無条件で信頼するのは正しい態度でしょうか。冷戦期にソ連の核の脅威に直面した欧州諸国が、どうやって生き延び、冷戦を終結させたのか。われわれは、その歴史に学ぶ必要があります。

フランスは、ドゴール大統領が「同盟は共に戦うものだが、決して運命を共にするものではない」という言葉を残したように、米国がどれだけ反対しても独自の核を開発した。イギリスは米国の支援のもと、核と原子力潜水艦を保有した。旧西ドイツは、ソ連による中距離核SS20の配備に対し、米国の中距離核パーシングIIを国内に置くことで均衡を作り出し、最終的に中距離核戦力全廃条約によって双方の撤去を実現した。

ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリアは、米国の戦術核を国内に配備し、所有権は米国にあっても使用に一定の権限を持つ「ニュークリア・シェアリング」を導入した。北欧諸国やスイスはシェルターを整備し、国民避難を徹底させた。

つまり、欧州は努力なくしてソ連の核の脅威から生き延びたのでもなく、冷戦を終わらせたのでもない。日本が今、何もしなくていいはずがありません。

嫌われてもやらねば

私はテレビで「米国の核で守ってもらうと言いながら、日本国内に核を置かないというのは、議論として本当に正しいのか」と発言しました。するとメディアから「被爆者団体が猛反発している」と批判された。

私は小学校6年生のとき広島の原爆記録映画を見て、その悲惨さにショックを受けたことを忘れていない。だけど、非核の世界は唱えるだけでは実現しない。世界は憲法前文にある「平和を愛する諸国民」ばかりではありません。

「石破は危ない核保有論者だ」みたいな話になっているが、そんなことはない。日本が核を持つ選択肢はないと思いますよ。作る技術はあっても実験する場所がない。核拡散防止条約(NPT)体制が崩壊すれば世界に核が広がる。そんな世の中は今よりいい世の中ではない。NPT体制崩壊の引き金を日本が引いちゃいけません。

しかし、「もたず、つくらず、もちこませず」に「議論せず」を加えた非核「4原則」を、ただ堅持するだけでいいはずがない。米国に核を持ち込ませなくても、核抑止の信頼性に問題は生じないのか。そのことを徹底的に検証して得心しなければダメでしょう。冷戦期の欧州がやったように、事務レベルでも政治レベルでも米国と協議を重ね、どんな時に米国は核を使い、どんな時に使わないんだということを把握しておく必要があるでしょう。

こういうことを言うとメディアに批判され、国民にも嫌がられます。だけど、政治家が自己保身のためにその議論すらしないのは、国民に対して責任を果たしたことにならない。受けなくても、ほめてもらえなくてもいいです。

国民の生命守る責任

私たちは日本国の独立と国民の生命、財産を守ることに責任を負っている。「核の傘」の実効性を検証し、国民保護を徹底させ、ミサイル防衛の実効性を向上させる。そのために全力を注がないといけません。

今後、朝鮮半島に、中国の同盟国としての統一国家が誕生するかもしれません。韓国で、北朝鮮の核開発に対し、政府レベルはともかく国民レベルで反発が高まらないのは、どこかで「わが民族の核だ」と思っているからでしょう。北朝鮮主導の統一国家が誕生することは、わが国にとって最大の悪夢だ。それを想定し、どう防ぐかを考えておかないといかんと思いますよ。(千葉倫之、広池慶一)

No image

インタビューを受ける自民党の石破茂衆院議員=15日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

国外総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
逃げる女を確保...ところが止めたはずのパトカーが
欧州選挙ラッシュの最終章:ドイツ総選挙、カタルーニャ住民投票の行方と為替への影響
【報ステ】安倍総理『対話ではなく圧力だ』と強調
撮影は刑事罰でも、機内セックスにはおとがめなし!? 独パイロットが飛行中の機内で淫乱スッチーを盗撮
イラク軍、「イスラム国」拠点ハウィジャで掃討作戦開始
  • このエントリーをはてなブックマークに追加