トップオートレーサー・青木治親の一日に同行

トップオートレーサー・青木治親の一日に同行

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  • 更新日:2017/12/07

【密着24時/ザ・ミュージアム】 ある職業の一日に同行し、知られざる面に迫る『密着24時』。第1回は、オートレースのトップレーサーである青木治親選手(41)を追った。本職は最高時速150キロのレース。一方で、またがるバイクも自らで全て整備している。レーサーと整備士の“二刀流”をしっかりとこなしてこそ、一流選手となれる世界だ。 (取材構成・山本ひろみ)

バイクにまたがった8人が、1周500メートルの走路を6〜10周し、勝負を競うオートレース。最高時速150キロの世界はライディングのテクニックが最重要と思われるが、それとともにメカニックの技術も問われる競技だ。

ある秋晴れの埼玉県・川口オートレース場。朝食を終えた青木は、バイクに乗って、勢いよく走路へと飛び出した。午前9時20分から約20分間の練習。ピットへと戻ると、正午過ぎのレースへ向け、タイヤの表面を削って微調整だ。

今では慣れた手さばきだ。だが、バイクのロードレース125ccで、世界王者に2度(1995、96年)輝き、2003年に27歳でオートレースに転身した青木にとって、最初は、戸惑いばかりだったという。

「バイクに乗ることは知っていたけど、エンジンを触ることは知らなかった。最初は走る前に不安になっていました」

6歳から乗っているバイクの整備は、ほぼ人任せ。「ロードレースはメカニックがいて、バイク1台に最低でも7人が関わっている。オートレースは、それを全て自分でやるのだから」。養成所で基礎を習い、デビューしてからは師匠、先輩に教えを受けながら、技術の上達に励んできた。

この日は午後0時13分の第4レースに出走。惜しくも2着だった。レースの時間はわずか1分50秒ほど。夕方の練習を含めても、バイクに乗るよりも整備にかける時間のほうが圧倒的に多い。

選手会埼玉支部の副支部長を務める青木は、午後3時半からチャリティーグッズ販売のPRのため、テレビ(CS)に出演。さらに、他の選手のレースを見て研究し、経理の仕事もこなす。それでも、最もバイクと向き合う時間が多い。この日は午後9時前まで入念にエンジンを調整。計2時間半以上を整備に費やした。

オートレースのバイクはスズキ社製で、新人以外は排気量600cc。全員が同じバイクを使う。だからこそ、レースのテクニックとともに、整備の腕も必要。“二刀流”が求められる競技だ。

「エンジンの調整が一番難しい。今でも心配と不安だらけで、これだ、というのがわからない。だから、経験の積み重ねなんです。それを見つけた人が、チャンピオンになるんだと思います」

世界の頂点に立った男でさえ、オートレースでは試行錯誤が続く。「車券を購入してくれたお客さんの期待に応えられれば、何より。そのためには、やっぱりエンジンを少しでもいい状態にもっていきたい」。レースでのパフォーマンスを上げるため、青木の整備にはきょうも余念がない。

青木 治親(あおき・はるちか)

1976(昭和51)年3月28日生まれ、41歳。群馬県北群馬郡子持村(現渋川市)出身。1995、96年のロードレース世界選手権125ccクラスチャンピオン。その後、オートレーサーに転身し、2004年7月にデビュー。オートレースの主なタイトルは06年GI・キューポラ杯(川口)、11年GI・プレミアムカップ(浜松)。1メートル79、64キロ。血液型A。

★転身の理由

青木がオートレース選手になるための試験を受けたのが2003年。ロードレースでの輝かしい実績はあったものの、「世界選手権で10年近く乗っていても、勝てるバイクには乗せてもらえなかった。資金不足もあったし、単純に同じ乗り物で勝負したかった」と振り返る。ロードで同学年だった故・阿部典史氏の父で元オート選手、光雄氏の勧めもあり、「バイクに一生乗れる」とオートレースの門をたたいた。

★整備には多様な技術が必要

オートレースの整備は、エンジン部品の交換やセッティングをはじめ、タイヤの表面を削ってレース用に整えたり、クラッチ関係のセッティング、ハンドルや膝当てをバーナーであぶって自分の体に合わせた形状に整えるなど、さまざまな技術が必要だ。なお、バイク、タイヤ、ヘルメットなどは、すべて選手の自己負担。バイクは1台約200万円という。オートレース場は伊勢崎(群馬)、川口(埼玉)、浜松(静岡)、山陽(山口)、飯塚(福岡)の5つ。選手は398人、うち女子は13人(6日現在)。トップ選手には元SMAPの森且行(43)、サンケイスポーツの「二十歳のころ」に登場した永井大介(40)、若き天才・鈴木圭一郎(23)らがいる。

★チャリティーグッズ

青木は、タブレット用のスタンド(4000円)をチャリティーグッズとして考案。整備の腕を生かし、エンジンのパーツを材料にして、それを溶接して製作している。選手の間でも評判がいい。

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一度は先頭に立った青木(7号車)だが、惜しくも2着。オートレースは一瞬の判断ミスが命取りになるシビアな競技だ (撮影・加藤圭祐)

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