父親目線の育児マンガ『お父さんクエスト』が正直過ぎて笑える!

父親目線の育児マンガ『お父さんクエスト』が正直過ぎて笑える!

  • 女性自身
  • 更新日:2017/11/20
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(C)小山 健/ポプラ社

『お笑い』→『海外ドラマ』→『マンガ』→『ラジオ』の4ジャンルを週替わりで、そのスペシャリストが“最推し番組”を指南する『今週の萌えガタリ』。今週は『マンガ』ということで、幼いころからマンガ好きな、歌人・小説家の加藤千恵さんが最推しマンガを紹介!

【最推しマンガ】『お父さんクエスト』小山健著・ポプラ社

育児マンガというのは、昔から数多くの名作が存在しているジャンルだけれど、その中でも本作は、夫=父親目線であるという点、主体があくまでも親にある点、において特殊だ。子どものおもしろい言動を紹介するというのではなく、子どもを通した親の思考や選択といったものが切り取られている。

主人公は著者でもある小山健さん自身だ。マンガ家・イラストレーターである彼が、出版社との打ち合わせをする場面から物語は始まる。

最初の段階では、妊娠前、妻とのセックスレス生活及びその理由や病院での受診などが描かれる。ともすればシリアスになってしまうのもやむをえないテーマなのだが、根底には終始、明るさと笑い、いい意味での軽さがある、パラパラと気軽にページをめくっていける、最高の読みやすさが存在しているのだ。中盤で妻が、無事に娘(作中では「ちーこ」と呼ばれている)を地元である関西で出産し、東京に戻ってきて、主人公の生活ももちろん変化するのだが、そこで大変さも気取らずに描かれているように見える。夫婦喧嘩までも。

子どもが生まれたからいきなり親になるのではなく、子どもが日々成長するように、親も日々変わっていくのだということが、作品を読むうち、深く納得させられる。

巻末収録されている、妻・さち子さんへのインタビューもすごくいい。マンガの中に登場するさち子さんは、あくまでも主人公というフィルターを通しての存在だったけれど、インタビューでは、彼女自身が答えている。マンガ内でスムーズに描かれていた不妊治療について、本当はもっと大変なものであったというように、裏側まで赤裸々に。

わたし自身は妊娠も育児も未経験なため、描かれていることは未知の領域ではあるのだが、なぜか、わかる、と思えてしまう。普段の生活の中でのささやかな悩みや、ちょっとしたことへの戸惑い。同じ経験をしていなくっても、何かに置き換えて、共感することができる。育児から遠い生活を送っている人であっても、素直におもしろがることができるようになっている。

著者は時々、Twitterでも一コママンガの投稿を行っていて、どの投稿にも多くの反応が寄せられ、インターネット上でもかなりの人気を博している。日常の中でもささやかなやりとりや思いがマンガの形になっているものがほとんどだ。それらはつい声をあげてしまいそうになるほど笑える。環境や立場の違う人であっても、おもしろがれる作品を発信しつづけている。

おもしろさというのは、軽薄さや無責任さとはまるで違う。小山さんの作品により、生きやすくなったり、気持ちが軽くなる人は多いだろう。それは優しさだ。『お父さんクエスト』は、とてつもなく優しいマンガでもあるのだ。

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