内燃エンジンを救え、自動車と石油業界の秘策

内燃エンジンを救え、自動車と石油業界の秘策

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/11/21
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連立政権の樹立を目指すアンゲラ・メルケル独首相の試みは19日夜に崩壊した。やれやれだ。結果がはっきりしなかった9月の選挙で、有権者は他のことはともかく政治的な競争の高まりを望んだ。気が進まない者同士が連立を組むのは有権者の期待に反する。

これまで「ジャマイカ連立」(ジャマイカ国旗の各色をイメージカラーとする3党の連立)に伴う問題は見過ごされていた。メルケル氏は自ら率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の政府に左派の緑の党と自由市場主義の自由民主党(FDP)を参加させようとした。この寄せ集めが何を目標に政権運営をするのか誰にもわからなかった。税率でもエネルギーでも政策は一致しなかった。移民政策については言うまでもない。

メルケル氏は連立交渉を利用し、税金と移民を巡る自身の困った衝動が身内の右派から攻撃された時の政治的な盾として、緑の党を置こうとしたようだ。FDPのクリスチャン・リントナー党首は連立交渉を打ち切ることで国民への責務を果たした。「われわれは変化をもたらすために選ばれた」「間違った統治をするくらいなら、統治しないほうがいい」と19日に述べている。

メルケル氏はこの忠告に耳を傾けるべきだ。同氏が今の苦境にあるのは、原則よりも合意政治に重きを置く政治手法が原因である。これはプラグマティズム(実際主義)と称されることが多いが、あまり実際的ではない。何しろメルケル氏の臆病な選挙戦に退屈し混乱した有権者が、多数派連立を、少なくとももっともらしい連立政権を拒否しているのだから。

合意ベースで進むことで知られるドイツ政治に飽き飽きした有権者は、9月の選挙で極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に13%という驚くべき得票率を与えた。ひとつの選択肢になると約束していたからだ。2013年の選挙で有権者は、連立政権でメルケル氏に屈しすぎたとしてFDPに鉄ついを下したが、今回は低い税金と緩い規制を積極的に擁護したとして11%の票で報いた。

これが正常な民主政治の姿だ。メルケル氏にとって最善なのは、新たな選挙に打って出て、中道右派の連立政権樹立に向けた政策を掲げる道だ。でなければ身を引いて、他の誰かに挑戦させるべきである。ドイツの専門家によると、世論調査からはまたもあいまいな結果が予想されるが、選挙運動が違えば結果が変わってくるかもしれない。

選挙運動でメルケル氏が自身の目指す政権運営方法についてイデオロギーの面から公約をすれば、有権者に響くものがあるはずだ。中道左派の社会民主党は既にこれを理解しているとみられる。だからこそ、メルケル氏と再び連立を組んで過去4年を繰り返すことを拒否し、単独で政策を策定しているのだ。

メルケル氏は緑の党またはFDPとの少数連立政府で政権運営を試みることもできる。その場合、何らかの一貫した原則に基づいた支配にはなるかもしれない。だがCSUは来年の地方選挙でAfDの挑戦を控えており、緑の党との連立を容認しそうにない。新たな選挙のほうが見通しは明るいようだ。

ドイツは1920~30年代に不安定な時代を経験しており、国民は戦後初となる再選挙に消極的だとされる。過去約70年の民主的な変革はもっと評価されていい。現在の本当の脅威は選挙の不確実性よりむしろ、崩壊しつつあるメルケル氏の中道政治がはらむ「偽の安定感」だ。

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