「市民襲撃事件を指揮命令」 工藤会トップに死刑求刑 検察側

「市民襲撃事件を指揮命令」 工藤会トップに死刑求刑 検察側

  • 西日本新聞
  • 更新日:2021/01/15
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田上不美夫被告

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工藤会裁判で審理されている4事件

市民襲撃4事件に関与したとして、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)の罪に問われた特定危険指定暴力団工藤会トップで総裁の野村悟被告(74)と、ナンバー2で会長の田上不美夫被告(64)の公判が14日、福岡地裁(足立勉裁判長)であり、検察側は「危険な人命軽視の姿勢に貫かれた工藤会が、組織的に行った類例のない悪質な犯行」として野村被告に死刑を求刑。田上被告には元漁協組合長射殺事件で無期懲役、他の3事件で無期懲役と罰金2千万円を求刑した。両被告は一貫して無罪を主張しており、3月11日に弁護側が最終弁論して結審する。

福岡県警による「工藤会壊滅作戦」開始から6年4カ月。作戦の成否を左右する最重要公判で、検察側は全国唯一の特定危険指定暴力団である工藤会について「目的達成のためには、見境なく襲撃の標的とする極めて危険な人命軽視の体質」と厳しい姿勢を示した。指定暴力団の最高幹部に対する死刑や無期懲役の求刑は初めてとみられる。

両被告が起訴されたのは、元漁協組合長射殺▽元福岡県警警部銃撃▽看護師刺傷▽歯科医師刺傷-の4事件。両被告の関与を示す直接的な証拠がない中、指揮命令の有無が最大の争点となっている。

検察側は論告で、工藤会には上意下達の厳格な組織性があると強調した。4事件は計画的、組織的に行われており「最上位者である野村被告の意思決定が工藤会の意思決定だった」と言及。田上被告については「野村被告とともに工藤会の首領を担い、相互に意思疎通して重要事項を決定していた」と位置付けた。

さらに野村被告らに事件の動機があったとし、共謀が認められるとした。

元組合長事件は、北九州市の大型公共事業を巡って、元組合長らが工藤会の利権介入を拒んだことが背景にあり、「犯行は被害者一族を屈服させ、意のままにすることにあった」と説明。歯科医師は元組合長の孫で、漁協幹部の息子だったことから「見せしめとして襲撃した」と述べた。

元警部事件では、長年の工藤会捜査に対する強い不満があったと主張。看護師事件では、野村被告が受けた下腹部手術に関する看護師の術後対応への怒りが原因だと示した。

野村被告に対する死刑求刑の理由については「人命軽視の姿勢が顕著で、継続的かつ莫大(ばくだい)な利益獲得をもくろんだ犯行である元組合長事件だけでも、首謀者として極刑の選択が相当」と説明。他の3事件も踏まえ「極刑をもって臨まなければ社会正義を実現できない」と述べた。

田上被告には、確定判決を挟んで事件を併合しないとする刑法の規定に基づき求刑した。田上被告は1999年に恐喝の罪で実刑判決を受け、確定している。

野村被告は所得税法違反の罪にも問われ、福岡地裁と高裁で懲役3年、罰金8千万円の実刑判決を受け、上告している。

西日本新聞

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