岩田剛典、「モノクロの世界」で表現した自然体の姿 三代目JSBドームツアーへの意気込みも

岩田剛典、「モノクロの世界」で表現した自然体の姿 三代目JSBドームツアーへの意気込みも

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  • 更新日:2023/11/21
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2021年にセルフプロデュースプロジェクト Be My guestを立ち上げた岩田剛典(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS)が、11月6日、前作から7カ月ぶりとなるデジタルシングル曲「モノクロの世界」をリリースした。今作はシンプルなローファイサウンドをベースにしたリラックスムード漂うラブソングであり、歌詞は岩田自身による書き下ろし。楽曲の制作エピソードや、パリで撮影したというMVの裏話、ドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS “JSB LAND”』の意気込みについて、思う存分語ってもらった。(斉藤碧)【記事最後にプレゼント情報あり】

「モノクロの世界」は初めて最初から最後まで自分で作詞を手がけた楽曲に

――「モノクロの世界」(Lyrics: Takanori Iwata/Music: Erik Lidbom, Adam Jönsson)はいつ頃から制作を始めたんですか?

岩田剛典(以下、岩田):実はですね、「モノクロの世界」はレコーディングさえ間に合えば、昨年のツアー中(初のソロツアー『Takanori Iwata LIVE TOUR 2022 “THE CHOCOLATE BOX”』)で披露しようかなって考えていた曲なんですよ。前回のアルバム『The Chocolate Box』には入らなかったんですけど、それくらいから制作していたんです。

――そんなに前から! じゃあ、約1年越しのリリースですか。

岩田:そうそう。お気に入りの曲だから、アルバムとは別の形でちゃんと届けたいという想いがあって。とはいえ、少し季節感のある曲だから夏に出すのは違うかな、11月くらいなら似合うかな、ここから冬にかけて聴いてもらえたらいいな……みたいな事情があって、リリースが今になりました(笑)。トラックは海外の作家さんが作ってくださったんですが、アルバム用のデモを試聴している時に、「これはいい!」と思ってキープしていた曲ですね。トップライン(メロディ)にはR&Bの要素も入りつつ、全体的には僕の好きなチルポップで、バラードまではいかないくらいのミディアムナンバー。歌詞は、今までは他の作家さんと一緒に作ることが多かったんですけど、今回は完全に1人で書き上げました。最初から最後まで1人で作詞したのは、おそらくこれが初めてなんじゃないかなと思います。

――歌詞を書くにあたって、どんな構想がありましたか?

岩田:この曲は「『モノクロの世界』っていうタイトルの曲を作りたい」っていうところから書き始めましたね。で、ラブソングにしようと思いました。これは一般論ですけど、恋愛をしている時って、それまでと同じ空気を吸っていても、同じ映画や音楽を鑑賞していても、なぜか違うように感じたり、色濃く記憶されたりするじゃないですか。恋愛に限らず、普段の代わり映えのない生活が“モノクロの世界”だとしたら、“ときめき”はそこに彩りをくれるものだと思うんです。その心情の変化が不思議だなと感じて、そういう歌詞を書こうと思いました。

――個人的には、曲を聴く前に「モノクロの世界」というタイトルのラブソングだという取材資料を読んで、失恋をして色を失った世界をイメージしたんですが、この曲は逆に世界が色づいていく様を描いているんですね。

岩田:自分はよく絵を描くので、歌詞を書く時も絵を描いているような感覚なんですよね。だから、白いキャンバスに鮮やかな色を乗せていくように、主人公が心惹かれる相手と出会ったことで一筋の光が差し込み、無機質な世界が徐々に色づいていく様をイメージして歌詞を書いていきました。

季節感を入れすぎないように書かれた歌詞

――作詞を始めて最初に浮かんだフレーズは?

岩田:サビ終わりの〈モノクロの世界を照らすよ〉です。タイトル先行で作り始めたので、歌詞にもタイトルを入れたくて。最初にそのフレーズが決まって、そこから逆算して1曲に仕上げていきました。わりと日本語の多い歌詞ではあるんですけど、デモの仮歌が英詞ですごく雰囲気が良かったから、その美味しいところは残したいなと思って、言葉選びは慎重にやりましたね。

――例えばサビ頭の〈Let you go〉などは英詞ですが、仮歌詞をそのまま活かしている部分もあるんですか?

岩田:どこを活かしたかはパッと思い出せないけど、そういう部分もあったと思います。ちなみに、〈Let you go〉だけだと「あなたを手放す」っていう意味だけど、実際はその前の〈I never〉から続いている「I never let you go(君を離さない)」だから。サビが〈Let you go〉から始まってる風っていう、ちょっと面白い作りの歌詞になっていますね。あと、Dメロはデモを聴いた時にジャスティン・ビーバーっぽい印象を受けたので、これをなんとか日本語にできないかな? と思って試行錯誤しました。

――〈ゆらり流れる日々に〉という表現も素敵ですね。洋楽っぽいムードの中に、日本語ならではの繊細な美しさが光っていて。

岩田:ありがとうございます。僕もね、「『ゆらり』来たな」って思ったんですよ(笑)。「ふらり」とか「きらり」とか、いろいろ考えたんだけど、「ゆらり」を閃いた時にこれだ! って。

――嬉しそうな顔(笑)。他に、歌詞を書いていて悩んだ部分は?

岩田:季語をどれだけ入れるかっていうのは悩みましたね。最初はメロ部分に冬の季語をいっぱい入れようかとも思ったんですけど、入れすぎると“冬曲”のイメージが強くなって、今後ライブをしていくにあたって、この曲を歌えない時期が来るんじゃないかなって思ったんです。むしろ、使える時期がかなり限られるなって(笑)。それが僕は嫌だったので、一旦完全に“冬曲”に全振りしたバージョンを書いたところから、徐々に季節感を削いでいって今のバージョンに落ち着きました。

――サビの〈忘れかけていた 温もりだけが〉の「温もり」は、冬曲の名残でしょうか。

岩田:それと〈塞いだ心を溶かすように〉の「溶ける」ね。でも、そのくらいじゃないかな? 「温もり」とか「溶ける」とか言うと冬っぽくなるから、そのバランスが難しいんだけど、「溶ける」は夏でもいけるかな? なんて考えて入れてみました。

旅ログとしてパリで撮り溜めた映像がMVに

――ボーカルは、普段岩田さんが話している時のような自然体の声が乗っていますね。

岩田:今までの楽曲もほとんどそうだったんですけど、この曲も堅く歌うというよりは、ブレスを意識しながら肩の力を抜いて歌いました。ただ、リズムが結構難しいんですよね。途中でラップっぽい感じになったりして、曲の中で次々にリズムが変わっていくので。

――歌詞の世界観と同様に、シンプルなトラックに歌で色づけしていくイメージ?

岩田:そうそう。トラックはひたすらゆったり同じムードが漂っているので、トップライン勝負というか。「モノクロの世界」っていうタイトルからは、少し寂しい印象を受けるかもしれないけど、この曲を聴いた人の心が温まったらいいなと思って作りましたし、そういう想いで歌いました。

岩田剛典 - モノクロの世界 (Official Music Video)

――「モノクロの世界」のMVは、パリに行った際にマネージャーさんが撮影されたそうですね。

岩田:このMV、本当にすごいんですよ。僕、ノーメイクですからね(笑)。というのも、実はもともと別の仕事で今年の1月にパリに行ってて、その合間に撮ったんです。

――そうだったんですか! 撮影機材はどうしたんですか?

岩田:去年の段階で「モノクロの世界」を作り始めていたし、いずれレコーディングしてリリースすることも決定していて。そんな時にパリに行くことが決まったので、何か撮れるものがあるかもしれないからって、自分でGoProを買って持参しました(笑)。旅ログとして残しておけば、後々「CL(LDHが運営する配信アプリ)」で使えるかな? なんて思って、マネージャーにカメラを渡して「これで適当に映像をおさえておいて」ってお願いしていたんです。

――それがところどころに差し込まれているラフな映像ですか。

岩田:はい。あえて撮影用に時間を設けていたわけじゃないので、ご飯を食べに行ったついでに街中を歩いて撮ったり、買い物しているところを撮ったりしました。夜、仕事からホテルに帰ってきた後で、「ちょっと散歩しに行こうか」ってマネージャーを連れて撮影に出た時は、他のスタッフに「ちゃんと休みなよ」って呆れられましたけど(笑)、「なんか面白いことしよう!」っていうテンションでやってましたね。

――同時期にØMIさんもパリでフォトエッセイの撮影をされていたと伺ったので、食事をしているシーンなどは、笑顔を浮かべる岩田さんの向かいにØMIさんもいるのでは? と思ったんですが、実際はどうでしたか?

岩田:確かに、毎晩のように一緒に食事をしていたし、あの映像も使えばよかったかもしれないなぁ……なんて今さら思いつつ、この時はマネージャーと2人でしたね。なんならカメラはテーブルに置いたままで、マネージャーも普通に食べてる、みたいな(笑)。

――ここからMVになることが予想できない撮影スタイル(笑)。

岩田:本当にそう! でもその後、旅ログ感覚でいろいろと撮り進めるうちに「リップシーンも撮っちゃおうか!」っていう話になって。まだ音源が完成していなかったので、スマホで英語の仮歌が入ったデモを流しながら、日本語の歌詞を口ずさんで撮りました。

――歌詞はすでに頭の中に入っていたんですか?

岩田:全然、正直うろ覚え(笑)。なのでリップシーンは、歌詞と口が上手く合っている部分を編集して使っていて。映像では切ってあるんですけど、実は手にスマホを持ってるっていう裏話もあります。そういう作り方をしていたので、当時は、まさか10カ月も経ってからMVとして世の中にお披露目されるとは思ってもいなかったですね。

――このフットワークの軽い撮影方法は、ソロならではなんでしょうね。

岩田:そうだと思います。グループでもやろうと思えばできるんだろうけど、10年以上活動してきて、こんな仕事の始まり方は経験したことがなかったし、グループではきっとこういう発想にならないと思う。ともすれば、チープな作品になる可能性もあったんですけど。「ソロ活動はできるだけ自分のアイデアを大事にしたい」という想いがあったので、MVの最後のクレジットにも「ディレクター 岩田剛典」と書いてある通り、ロケハンも自分でやったし、自分のやりたいように作らせてもらいました。

ソロプロジェクトは自分が自分にワクワクできる時間

――「Ready?」のMVも自らロケ地を指定したと話していましたが、今作も自らロケハンしたんですね?

岩田:パリはこれまでにも何度か行かせてもらってて、どこに何があるかが大体わかっていたので、頭の中ですでにロケハンができてたっていう感じですね。そのおかげで、現地に行ってからもわりとスムーズに動けて。通常のMV撮影は「ここで撮影して、次はここに移動します」とか「このタイミングで次の衣装に着替えます」とか、全て細かく決まってるんですけど、今回はオール私服だし、「なんとなくこのへんロケーションがいいから、ゆるくダンスやるから、ちょっと撮っておいて」とか「この壁綺麗だから、ちょっと寄りかかって雰囲気を作ってみよっか」みたいなノリで撮影していました。それでもパリの街並みが放つパワーがすごいから、映像として十分成立しちゃうんですよね。しかも、今回は全編モノクロということで、その質感も手作り感満載の映像に素敵な魔法をかけてくれました。

――MVの中で特にお気に入りのシーンも教えてください。

岩田:やっぱり2サビかな。街中で撮影している時に、外国人の家族連れと遭遇したんですけど、小さい可愛い子が友情出演してくれたんですよ。いや、ゲリラ出演(笑)? あれはなかなか神懸かったカットだと思います。本当に僕とマネージャーの2人きりで撮ってたから、プライベートで撮っているようにしか見えなかったと思うんだけど、子どもが「何やってるの?」って寄ってきて。それに対して思わず笑顔になった瞬間は、温かい曲調にもすごく合ってるし、この撮影方法ならではの巡り合わせで実現したものだから、ぜひ観てほしいですね。

岩田剛典 - Can't Get Enough (Official Music Video)

――ちなみに、「モノクロの世界」に先駆けて公開された「Can’t Get Enough」のMVも、お友達の映像クリエイターの方と2人で渋谷の街中で撮影されたそうで。最近の岩田さんは、そういうモードなんですか?

岩田:ぶっちゃけ、もともとどちらもMVを撮る予定がなかったから、制作予算を組んでいなくて。僕が勝手に撮ったのを後々スタッフに伝えて、てんやわんやしながら編集して公開してもらったっていう流れなんですよ。それがたまたま2作続いてるっていうだけ。だから、このMVはあくまでもオマケ!

――オマケであり、きっと、次回作に向けてのジャブだと思うんですよね~(笑)。

岩田:あはははは! みんなに少し早めのクリスマスプレゼントを渡せたらいいなと思って「モノクロの世界」のMVを公開することにしたので、楽しんでもらえたら嬉しいです。

――また、これまでの作品に続き、ジャケットには岩田さん自ら描かれた絵が使用されています。こちらはいつ頃着手したんですか?

岩田:この絵は去年の夏くらいに描き始めたんじゃなかったかな? でも、「モノクロの世界」のリリース自体がいつになるかわからないから、1カ月くらい放置してる時期もあったし、結構だらだら描きました(笑)。

――なんでこの女性は薄着なんですか? 夏に描いたから?

岩田:背景の街頭はパリをイメージしているんですけど、この女性に関しては抽象的な存在として登場させたので、そのへんは皆さんのご想像にお任せします(笑)。ただ、シンプルにモノクロで描ききろうとは思っていて。独学の油絵で、ポストアートっぽいイメージの延長で描いていきましたね。これも仕事というよりは遊びの延長として描き始めて、「これ、ジャケ写にしちゃおうか」っていう感じで決まりました。

――「モノクロの世界」は至るところに遊び心が散りばめられているんですね。去年はソロ活動に注力できる年だったから、良い意味で遊びながら制作する余裕が持てたんでしょうか。

岩田:そうですね。僕は普段、三代目 J SOUL BROTHERS(以下、三代目JSB)としての活動や俳優業など、いろいろな仕事をしていますけど、その中でソロプロジェクトはある種、自分へのご褒美みたいなところがあるんですよ。だから、仕事になりすぎないバランスで、ライフワークとして継続してやれるのが理想で。今回の制作も、自分が自分にワクワクできる充実した時間になったなと思います。

ドームツアーで追及する“多面的なエンターテインメント”

――最後に、約2年ぶりのドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS “JSB LAND”』(11月18日から開催中)について、意気込みを聞かせてください。

岩田:まず、今回、『JSB LAND』というテーマパークみたいなタイトルにしたのには理由がありまして。三代目JSBは長年変わらない7人でグループをやってきたんですが、歩んできたキャリアも個性も、まるで違うメンバーが揃っていて。そんな僕らだからこそ、もっと多面的なエンタテインメントを追究できるんじゃないかなと思い、7人のキャラクターを活かした『JSB LAND』を開幕することにしました。もう少しわかりやすく僕の言葉で表現すると、今までは「“三代目JSBはこれだ”っていうイメージをみんなで突き詰めよう!」という意識でやってきたんですけど、これだけ幅広いジャンルで挑戦してきた僕らが、今、各々がやってきたことを全部1つのライブに詰め込んだらどうなるんだろう? 一人ひとりが自分の得意なボールを投げてみたら、どんなエンタテインメントが生まれるんだろう? っていう、自分たちにとっても未知の領域が『JSB LAND』なんです。

――つまり、今年9月に閉幕したアリーナツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS” ~Land of Promise~』とは、まるで方向性の異なるツアーになると?

岩田:そうです。これまでのツアーはタイトルから世界観を作って、映像を作って、セットリストを考えて……自分たちが考える三代目JSB像をお届けしてきたんですけど、今回はゴールも決まっていませんからね。自分たちにとっても新鮮なツアーになると思いますし、僕自身、ライブリハをしながらすでにワクワクしているので、皆さんも楽しみにしていてください。そして、ソロプロジェクトも着実に準備していますので、今後の展開をお楽しみに!

■リリース情報
11月6日(月)配信シングル
岩田剛典
「モノクロの世界」
【ストリーミング&ダウンロード】 (11月6日(月)0:00〜)
https://orcd.co/takanoriiwata_monochronosekai

■関連リンク
●岩田剛典 info
【X(旧Twitter)】https://x.com/t_iwata_ex_3jsb?s=11
【Instagram】https://www.instagram.com/takanori_iwata_official/
●岩田剛典 YouTubeチャンネル
https://youtube.com/channel/UCNSFiHB2JRhpNaNfysCKcHQ
●Be My guest info
【Official HP】https://r.tribe-m.jp/bemyguest/
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斉藤碧

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