クイズ王・古川洋平が39kg減できたのは「なんでもできる人」だからではない

クイズ王・古川洋平が39kg減できたのは「なんでもできる人」だからではない

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  • 更新日:2020/10/17
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3年半の深夜放送に終止符を打ち、2020年10月から毎週土曜日22:30というプライム枠での放送をスタートしたゲームバラエティ番組『勇者ああああ』(テレビ東京)。

MCのアルコ&ピース(平子祐希、酒井健太)はもちろんのこと、ひと癖もふた癖もあるお笑い芸人や文化人たちがゲスト出演することも、うっかりゲームとあんまり関係のない企画だけで放送が終わることも変わらない。

ところが最近、同番組出演者の中で、大きな変化があった人物がいる。同番組の演出・プロデューサー板川侑右が、最近シュッとしたクイズ王の人柄と出演回の思い出を語る。

驚くべきクイズ王の人気ぶり

子供のころからクイズ番組が好きだった。家族全員でテレビを観ているときに親よりも早く正解を叫び、「ゆう君は本当に賢いねえ」と褒められるのが何よりうれしかった。

「勉強ができる」というだけで海外旅行に行けたり、大金が手に入ったりする夢のような世界、それがクイズ番組である。賞金の100万円を手に大喜びするタレントを観ては「芸能人って楽な仕事だなあ、うらやましいなあ」と昔はずっと思っていた。なぜなら、「勉強ができる」だけでチヤホヤされるのはテレビの世界だけ。運動神経が悪く音楽的なセンスもない“受験に必要な5教科のみにステータスを全振り”したガリ勉は、学校の中ではスクールカーストの2軍、いや、3軍にいるしかなかった。少なくとも僕の子供のころは。

しかしここ数年、そんな状況は大きく変わった。日本テレビの『頭脳王』やTBSの『東大王』を観ればわかるが、最近のクイズ王は美男美女ばかり。しかもそれぞれがアイドル的な人気を博しており、「メガネでぽっちゃり」といったステレオタイプのクイズ王はレッドデータブックに載るレベルの絶滅危惧種になっている。

実際、『勇者ああああ』の人気企画「工業高校生クイズ」に『QuizKnock』の伊沢拓司をゲストで呼んだときには、普段ほとんど連絡をしたことがない同期の女性社員からこんなメールをもらった。

「伊沢さんが収録来るなら教えておいてよ!私、めっちゃファンなのに!」

どうやら彼女は伊沢拓司きっかけで『勇者ああああ』を初めて観たらしい。ちなみに、企画をご存じない方のために一応記しておくが、「工業高校生クイズ」というのは “早押しボタンの壊れた回路を早くはんだづけして修理したプレイヤーが勝利”というもはやクイズでもなんでもない純然たるバラエティ企画である。当然、伊沢氏が鮮やかに正解を言い当てて拍手喝采が起きるといったクイズ番組でよくあるシーンは皆無だ。

しかし彼女曰く「内容はどうでもいい、とにかく伊沢さんが出てればそれだけでいい」とのこと。普段はまったく番組を支持してくれない女性視聴者をも取り込んでしまうクイズ王の人気ぶりに僕は驚かされた。勉強をしっかりすればスクールカーストの上位に入れるかもしれない、そんな時代に世の中は突入したのである。

クイズ王・古川洋平は「なんでもできる人」じゃない

しかし、時代の変化というのは我々にとって必ずしも有益なことばかりとは限らない。実際、最近になって『勇者ああああ』スタッフのもとにこんな悲報が舞い込んできた。

古川洋平ダイエットに成功!39kgの大減量でイケメンに!?

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39kg減量した古川洋平(本人提供写真)

「ブルータス、お前もか」である。あんたまでシュッとしてどうすんだ。

「どんなにイジっても平気なクイズ王」として、これまで番組が佐渡島のトキの如く手厚く保護してきたクイズ王・古川のまさかの裏切り。このままでは「メガネでぽっちゃり」というステレオタイプのクイズ王が本当にテレビ界から絶滅してしまう。それにこのまま痩せつづけてしまったら次回の収録台本に書かれている

平子「プライム枠に上がったのでクイズ王も別の人に変更しました」
酒井「いつまでも豚メガネをメインにはしておけないっすもんね」

のオープニングトークが成立しなくなってしまう。とはいえ今から元の体重に戻すのは到底できっこない話。フォアグラ用のガチョウぐらいのペースで強制的に古川に食事をさせない限りは、こちらのイジり方を根本的に変更せざるを得ないだろう。それにこちらも保護団体としてそんな乱暴なやり方はしたくない。

これまで『勇者ああああ』でも八面六臂の活躍を見せてきたクイズ王、古川洋平。当然クイズは強いし、トークもできるし、歌もうまい。十八番は「堂本剛のものまね」で、その美声とビジュアルのミスマッチがなんとも言えないおもしろさを醸し出す。

SNSなどを見ると、そんな彼のことを「なんでもできる人」と評する人がいる。が、僕はこれに異を唱えたい。正確に言うなら古川は「なんでもできるように努力をする人」である。そうじゃなきゃ39kgも減量できるわけがない。先述した「堂本剛のものまね」にしても、本番の1週間前からカラオケボックスに通って歌声を仕上げてきたことを僕らは知っている。

以前、『生勇者ああああ』という有料生配信イベントで、料理研究家の園山真希絵と「マル・マル・モリ・モリ!」を歌うという、クイズ無関係なイロモノコーナーに登場したときも古川はすごかった。どの出演者よりも早く現場に来て稽古を始める古川。自宅でも動画を観ながら練習を重ねてきたようで、すでに歌とダンスは完璧である。あまりにしっかりしたパフォーマンスに僕も思わず「ここまで練習してくるタレントさん、なかなかいないですよ!」と賛辞を送ると古川はこう答えた。

「たぶん園山さんは何も把握してないと思うんで、せめて僕だけはちゃんとやらないとグダグダになっちゃうんじゃないかなと……だからめちゃくちゃ練習してきました」

その30分後に園山真希絵がヘラヘラした顔で現場入り。案の定、振付はおろか自分が呼ばれた理由すら理解していなかった。さすがクイズ王、“問題を先読みする”能力には長けている。

番組の演出意図を即座に汲み取り、現場が盛り上がるなら自分が雑にイジられることなどまったく厭わないクイズ王・古川洋平。各局がスクールカーストの上位にいる美男美女のクイズ王を推していくというなら、テレビ番組カーストの2軍、いや、3軍に位置する我々は“バラエティに必要な能力のみにステータスを全振り”した「痩せメガネ」をこれからも推していこうと思うのである。

板川侑右

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