部下を育てたいなら理解すべき「Z世代」の3大特徴

部下を育てたいなら理解すべき「Z世代」の3大特徴

  • 東洋経済オンライン
  • 更新日:2022/11/25
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Z世代と呼ばれる若年層には従来の指導方法は通用しないと考えるべき。「今の若いやつらは!」と考える前に、Z世代の特徴を捉えてみましょう(写真:maroke/PIXTA)

「いまどきの新入社員は何を考えているかわからない」「パワハラと訴えられるのがこわくて部下に注意ができない」「リモートワークの導入で部下の仕事が見えず、どう評価していいかわからない」など、部下との関係に悩む上司は後を絶ちません。最近では、部下に遠慮して言いたいことをがまんしてストレスをためている上司も多いようです。

多くのリーダーは、上司になるための教育を受けずにリーダーになっています。部下の指導で悩むのも当然なのです。

実は、理想の上司を知るよりダメな上司を知るほうがビジネスには100倍役に立ちます。マネジメントに悩むリーダーがやってはいけない地雷を112項目にまとめた一冊『上司のやってはいけない!令和版』から3回にわたってお届けします。

1回目:ダメ上司ほど「部下への仕事の任せ方」が下手な訳

今までの上司が経験してきた成功体験、指導方法は、基本的に通用しないと考えるべきです。なぜなら、現在の若年層である「Z世代」には、理解しがたいものが多いからです。

Z世代の由来はアメリカから伝わってきたといわれています。この言葉は世代分類を指すことです。アメリカの「ジェネレーションZ」から来ていて、そこからZ世代という言葉で、日本国内で広がりました。年齢は明確に定義されていませんが、「1990年半ばから2010年代生まれの世代」を指すことが一般的です。

Z世代の人材を定着させるには

Z世代の人材を定着させるためには、まず特徴を知ることが必要です。「今の若いやつらは!」と考える前に、このZ世代の特徴を捉えてみましょう。

・自分から動き出せない
・注意されるとすぐめげる
・言われたことしかやらない、指示待ち
・責任ある仕事を任されることに不安を感じる
・自分の成長につながると思えないことはやらない
・情報にはとても強い
・貯蓄傾向にある
・メールで済ませる
・失敗を恐れ、間違いのない答えを求める
・楽に成果を上げたいと考えている
・年長者と話そうとしない
・上司との酒はきっぱり断る
・現実主義である

つまり、「受け身」「安定志向」「デジタルに強い」のが、Z世代の特徴なのです。

よって、「部下は上司の背中を見て育つものだと考えている」「部下に仕事を依頼する際、“目的”や“やり方”を伝えてない」「部下を褒めることよりも、叱る」「長時間労働は美徳」などの考え方は通用しないのです。

とくに「長時間労働は美徳」と考えている人がいまだに多くいます。「働き方改革」が法制化され、残業時間の上限が設定されている今でも、この考え方が現場ではびこっているのも事実です。

「石の上にも3年」は通じない

「一度入った会社で勤め上げる」「会社を辞めることは悪である」「石の上にも3年」「ノルマの達成は必須である」など、多くの管理職である上司(団塊の世代ジュニア以上)は、このように教えられてきました。

よく考えたら、当時、このような説教は「イヤだった」はずですが、耐え忍んで頑張って、その理不尽にも打ち勝ってきたのでしょう。しかし、現在、「定年まで勤めあげる」ことがまれと感じられる時代になり、さらに転職することがマイナスに働くことがなくなり、容易に転職できる時代となりました。

さらに、転職のノウハウもネットで検索すれば、さまざまなものが閲覧できるのです。ましてや労働人口も減少し、人手不足の時代とされており、求人数が多く、求職者にとって有利な状況を示す売り手市場では、選択肢が増え、応募先の企業をじっくり吟味できたり、内定がもらいやすくなったりなど、就活する人にとってメリットが多いものとなります。

こんな時代となった今、無理に耐えて、会社を勤め上げる人が存在するでしょうか? それよりも、就業条件を吟味して、自分に合った会社を探したほうがベターな選択となるでしょう。だから、耐え、しのいで、我慢して、成し遂げるというような精神論では、人が動かなくなってしまったのです。

そして、現在のZ世代といわれる若者にとってモチベーションが高鳴るポイントが「お金」や「モノ」ではなくなってきたのでしょう。

バブル世代や団塊のジュニア世代では、「もっとお金を稼いでいい暮らしをするんだ!」と意気込んでいました。しかし、現在の若者は、必ずしもお金が最優先事項ではなくなってきたのです。生まれたときからモノはあふれ、インターネットはすでに普及済みで、生活の一部となっていたのです。さらに、スマートフォンは当たり前で、コミュニケーションはSNSを中心に行われているのです。

そんな状況下で、漠然とした精神論を語られても、ピンとくるはずはないし、何を言っているのかわからないという状況にもなってしまうのです。

まずは、「精神論」は抽象的すぎて、伝わらないことを理解しましょう。そして、具体的な行動を促す指示が出せるようにすることがポイントとなっていくでしょう。まずは、全体の目的を伝え、行動を促すには、具体的に「どうすればいいか?」というプロセスを踏まえ、そのときそのときの動きを伝えるのです。

部下を叱る際にはいろいろと考えなければなりません。とくにZ世代の若者を叱るには今までの勢いで物事を進めてはいけません。

もしかしたら、見せしめのために人前で部下を叱ることも必要かもしれませんが、「人格が傷つけられた」と感じる人も多いです。そして逆恨みされてしまうケースもあるのです。

こういったトラブルを防ぐためにも、また、本人の名誉を守るためにも叱る場合は個別に人目のつかないところで注意するのがいいでしょう。

なぜかというと、

・誰かいるところで叱ると、叱る側、叱られる側にストレスがかかる
・ほかの社員がいる場面だと本人の面子が丸つぶれとなる
・上司と部下の関係が信頼関係構築ではなく「敵」となる可能性がある

などです。

叱ることの最大の目的は「繰り返し起こさない」「今回の反省」です。叱る側である上司はここを肝に命じましょう。部下は好き好んで叱られるようなことを起こしたわけではありません。部下のスキルの問題なのか、気持ちの問題なのか。ほかとの関係性の問題なのか、必ず原因を追究して、今後の問題として対処することが必要なのです。そこを忘れて、感情的になって怒ってしまっても、何の解決にもならないでしょう。

なぜ叱るのか、なぜ叱られているのかをつねに意識しましょう。そして、部下に対して上司の想いを語ることも重要です。叱りっぱなしだと感情のすれ違いが生まれる可能性が高いです。

ここは必ずフォローする言葉も入れましょう。そして、叱ることにより過ちを繰り返さないことと、今後の頑張りに期待する旨も伝えるのです。このことを部下に伝えると上司の言葉への受けとめ方が変わってきます。

ある上司は叱ったことにより部下とのコミュニケーションが密になり、部下も上司に認められていると感じ、人が変わったように売り上げを上げるスーパーセールスマンになったケースもあるのです。

部下が「自分は大事にされている」と実感するようになるのです。

社員の健康を考えるのも仕事

会社は社員の働き方に対して「安全配慮義務」があります。これは労働契約法という法律に記載されており、「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」となっているのです。

社員の健康を考えるのは会社や上司の大きな仕事の一部です。なぜなら、心身のコンディションが整えられていないと、そもそも業務ができないからです。

当たり前といえば当たり前ですが、少し前のいわゆる昭和のマネジメントでは「24時間戦えますか?」のCMのキャッチフレーズに代表されていますが、たとえば「少しぐらい調子が悪くても出社して仕事をしろ」「有給で休むことは悪」「残業は美徳」など、人間の健康面から考えると、疲労が蓄積して当たり前と考えられます。

そして、「膨大な業務量をこなせ」「期日に間に合わなければ徹夜も当たり前」「残業、休日出勤は当たり前」ということになっていたのです。

今は健康をおろそかにしない

しかし、今は違います。

心身のコンディションが悪いということは、疲労が蓄積し、将来の不安を抱えることになります。さらに、加齢とともに病気のリスクも高くなり、身も心も不安な状態が続くことになるのです。心身のコンディションが悪いと、業務の量もこなせないですし、質の高い業務のアウトプットは厳しくなります。

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そして、精神的な不安定さが露呈してくれば、上司、同僚、部下などとの人間関係にも影響が出てくるのです。もちろん、こんな状態では「働きがい」など感じることができず、離職率も上がってしまいます。

だから、上司は部下の心身の状況を把握することが第一となるのです。そして、業務量、業務の質を捉え、人間関係なども潤滑に回っているのかを気にかけ、最終的には健康で効率よい業務環境を整えることが大切なのです。さらに、現在の仕事に対し、部下が「働きがい」をもって業務に臨んでくれることがベストなのです。

働き方改革が法制化されたから、安全配慮義務があるから、なんとなく対処するのではなく、健康で、安全にかつ効率的で働きがいをもって業務に臨むことができる環境を整えることが上司の大きな仕事なのです。

(内海 正人:人事コンサルタント・社会保険労務士)

内海 正人

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