令和とギャップあり?「上品な大阪」を観る...中之島美で日本画展

令和とギャップあり?「上品な大阪」を観る...中之島美で日本画展

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  • 更新日:2023/01/26

近代大阪の日本画が一堂に会する大規模展『開館1周年記念特別展 大阪の日本画』が、「大阪中之島美術館」(大阪市北区)で1月21日よりスタート。明治〜昭和時代に活躍した60名を超える画家の作品が、計166点展示される。

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「開館1周年記念特別展 大阪の日本画」入口部分

東京・京都とは異なる文化圏を形成し、商業都市として発展してきた大阪。近代大阪美術は町人文化に支えられ、伝統に捉われない自由で個性的な芸術が育まれた。町人文化の中心で特に親しまれたのは「船場派」の作品。鮮やかな色調で彩る京都の一大勢力「四条派」とは異なり、品のある洗練された作風が特長で、当時の商人たちが商談の際などに、床の間などにさりげなく飾っていたこともあったという。

そのほか、自由な芸術が生まれた理由のひとつに、江戸時代は大阪が京都の玄関口だったこともあり、日本だけでなく中国文化の影響を受け、さまざまな文物が集まったことも挙げられる。それに伴い、夢を追い求め大阪には多くの画家たちが集まった。

同展では、そういった大阪出身以外の画家が、この地で生み出した作品も展示する。全6章からなる前半「ひとを描く」「文化を描く」「新たなる山水を描く」では、近代大阪の日本画を牽引した北野恒富、管楯彦(すがたてひこ)、矢野橋村(やのきょうそん)とその門下作品がお目見え。3人はそれぞれ「人物画」「風俗画」「新南画」とジャンルが異なるため、その違いを見出すのもおもしろい。

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北野常富「風」(所蔵元:広島県立美術館)着物のあわせを手で押さえ、困った表情でこちらを向いている女性。官能的な雰囲気が大正期の常富らしい作品

続く章「文人画」「船場派」では、江戸時代から受け継がれ、現在の「大阪」のイメージとは少しギャップのあるシンプルな印象の「大阪の日本画」が見られる。最終章「新しい表現の探究と女性画家の飛躍」では、新しい表現を探求した若手画家や女性画家の比較的新しい作品を紹介。展示会全体を通じて、近代大阪で好まれた日本画や歴史的背景が広く理解できる構成になっている。

同展では大阪の日本画を通して、歌舞伎や文楽など、当時の文化や習慣を学べる点もポイント。音声ガイドのナビゲーターは、大阪府堺市出身の歌舞伎役者・ 片岡愛之助が担当(1台600円で貸出)している。

同館長の菅谷富雄さんは、「大阪という土地が作り上げてきた日本画をご覧いただくことで、大阪の日本画がどのように発展し、受け入れられてきたかを知ってほしい。観覧される方にとって新しい日本画の楽しみ方を知っていただく機会になれば」と語る。

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「大阪の日本画」をテーマにした物販エリア。島成園の代表作がデザインされた「サコッシュ」(1000円)、着物の小花柄をモチーフにした「マスキングテープ」(550円)など

展示出口には物販エリアも。島成園の代表作がデザインされた「サコッシュ」(1000円)や着物の小花柄をモチーフにした「マスキングテープ」(550円)など、「大阪の日本画」をテーマにしたグッズが揃う。会期は2期に分かれており、前期・後期で7割ほどの展示物が入れ替わる。前期は2023年2月26日まで、後期は2月28日から4月2日まで。観覧料は、一般1700円ほか。

取材・文・写真/宮口佑香

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