気づけなかった...DV被害者の友人が発していた「SOSサイン」

気づけなかった...DV被害者の友人が発していた「SOSサイン」

  • コスモポリタン
  • 更新日:2021/09/28
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配偶者や恋人など親密な関係にある、または過去にそれらの関係にあった人から身体的・精神的に振るわれる暴力を指す、「ドメスティック・バイオレンス(DV)」。

コロナ禍で世界的な急増が報告されているなか、もし、あなたの大切な人がDV被害に遭っているとしたら、どうすればいいのでしょうか。

本記事では、友人のDV被害に気づいてあげることができなかったというシャルロット・ムーアさんの経験談を、専門家の意見も交えながら、<コスモポリタン アメリカ版>よりご紹介します。

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何気ない質問に込められていたメッセージ

それはすべて、私がお茶の約束に遅れたことから始まりました。

友人のエイミー(仮名)はいつもどおり早く着いていて、私が席に座ると、遅刻した私に「ごめんね」と言いました。彼女らしいことです。「あなたって、強盗に遭っても自分が悪いって謝るんじゃない?」なんて、冗談を言い合いました。

お互いの近況報告をしたところで、私が5年ほど交際しているパートナーのジェームズについて、エイミーがこんな質問をしてきました。

「ジェームズって、あなたを怖がらせたりするの?」

彼女の目は、手元のコーヒーをじっと見つめたままでした。

私は、かなり正直に答えました。彼は犬のような陽気な性格だし、彼が私を怖がらせるかもしれないと考えることすら馬鹿げている、と。変な質問だと思いましたが、話題はすでに彼女が買ったばかりのブーツに移っていました。

真相がわかった今では、彼女にも同じ質問を投げかければよかったと思います。あるいは「荷物をまとめて、うちにおいで」と言えばよかったと。

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パートナーについてあまり話さなかった友人

エイミーと私はネットで知り合い、徐々に仲良くなりました。あちこちでお茶して、そのうちパブに行ったり、うちで夕食を食べるようになったり。私たちは二人とも、人生で同じような場所にいたのです。長年の恋人がいて、大嫌いなフルタイムの事務仕事をしながら、その給料で同じブランドの服を買う――とにかくフィーリングが合いました。

エイミーは、パートナーのジョー(仮名)について、あまり話そうとしませんでした。

実際、彼女と知り合いになってからの数年で、私が彼と会ったのは、1度か2度。私の恋人は、彼が小さくて大人しく、寡黙なタイプだとからかっていました。控えめに言っても、彼はエイミーに対しておどおどしているように見えました。

アグレッシブな彼女の教養とユーモアは、彼を不安にさせていたように思います。私が聞いた唯一の彼の発言は、「エイミーは面白くない」と小声でブツブツ言ったことでした。

ある晩、私たちが住んでいるエリアに「あまり友人がいない」とエイミーが言い出しました。引っ越してきたばかりだからというわけではなく、「なかなか友人ができない」と言うのです。そうは言うものの、私には彼女がどこへ行っても友人を作っているように見えました。

私は心の中で、きっとエイミーは、本当の意味で親しくなるのが難しいタイプなんだろう…と結論づけました。だから、私たちがそういう関係になったのは、あらゆる意味で驚きでした。彼女は私の親友になり、良いことがあったら最初に報告する相手になりました。彼女は話したことをよく覚えていてくれる――そういう人でした。

支払いはすべて、彼女が負担していた

エイミーはおっちょこちょいな人でもありました。ワイン2杯で床に倒れ込んだこともありましたし、タクシーから転げ落ちるように降りたからと言って、よく傷のついた腕や脚をあらわにしていました。笑いながら脇腹を抱えて、自分は落ちつかない人間なのだというエピソードを話し、私たちを楽しませてくれたものでした。

友達になって1年ほど経った頃、ジョーの誕生日が来ました。その頃ジョーは、エイミーの家に住んでいました。すべての支払いをエイミーが負担していることも私たちは知っていましたが、本人たちは満足しているように見えましたし、ジョーの金遣いの荒さにエイミーが腹を立てている様子もありませんでした。

ジョーのために開かれてた誕生日パーティはこぢんまりしていて、エイミーとジョーの大学時代の友人と、職場の友人、そして私たちをはじめとする数人の友達が集まりました。

しばらくすると、ジョーがエイミーに「もっと静かに話してくれないか」と言っているところを見かけました。彼女が話すと考え事ができないと言うのです。彼女はすっかり縮こまって、いつものように謝っていました。

初めて、その場にいたグループの中で目配せが交わされました。何とも言えない違和感。私はカフェでの質問を思い返しました。帰りのタクシーの中で、友人にジョーのことをどう思ったか聞いてみると、彼女は肩をすくめて、自分とは合わないと認めました。でも、きっとエイミーは自分たちが知らない彼を知っているのだろう、と言うのでした。

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友人からの涙の告白

翌日の月曜日、在宅勤務をしていた私のもとにエイミーから電話が。「そっちに行っていい? もうすぐ着くから」と言っていました。

到着したエイミーは、腰かけていたソファーをそわそわと叩いていました。そんな様子に私が沈黙していると、彼女の目から涙があふれだしたました。最初は静かに、そしてそれは、むせび泣きへと変わりました。

そうして彼女がトレードマークの前髪を上げると、おでこには痛々しい紫色のアザがありました。

「彼が叩いたの、また」

私は打ちのめされました。一瞬で、“彼”が誰のことかわかりました。でも、本当にショックだったのは「また」という言葉でした。「また」。それはつまり、これが初めてではないということです。

思い返せば、そのサインはありました。そして、私がそれらを見逃していたのです。

被害を受けた友人のために、私たちができること

エイミーは今、安全です。DVをしていたパートナーとは別れ、すっかり自分を取り戻したようです。

想像もできないくらい自信に満ちあふれているし、自身の経験についてもよく寄稿しています。6カ月に及ぶセラピーを受け、今やトレードマークの前髪はありません。トムという新しいパートナーもいて、彼はこれ以上ないくらい思いやりのある人です。

でも、私は後悔にさいなまれています。今では、彼女が当時苦しんでいたことを知っているから。私が「忙しい」なんて愚痴ったり、近所のハウスワインの美味しさについて話していたとき、彼女はどんなにおびえて、孤独を感じていたことでしょう。彼女への友情が、かえって自分の罪悪感を煽ります。

彼女は私を責めたりしません。でも、私は責任を感じてしまうのです。

「典型的な被害者」など存在しない

「彼女は被害者になるような人じゃない」と言うのは、あまりに馬鹿げていて、子どもっぽく聞こえるでしょう。でも、エイミーはいつだって私より賢かった。多くの点で、勇気があった。一人旅を怖れたりしなかったし、彼女がこなせないことはほとんどなかったのです。

「たいていの場合、私たちの被害者像は歪んでいます。定型的な被害者など存在しないと知ることが大切です。被害者は、そうでない人々と同じくらい多様です。DVに苦しんでいる人の多くが、自分が被害者だと思っていないものなのです」とアドバイスするのは、DV問題専門家のエヴィー・ミューアさん。

「被害者はたいてい、サインを隠すのがとても上手ですが、ほのめかすこともよくあります。あなた方が交わした会話は、彼女たちが様子見をするための方法で、そこから話を始めてみる価値があります。時に彼女たちは、ジョークを使って虐待を匂わせることもあります。友人ができる最善策は、こうしたSOSに気づくことです。ただし、加害者は相手の操作がとても上手だということは、忘れないでください。残念なことですが、たとえ友人に話した後でも、虐待はしばらく続く可能性があります」

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続いてミューアさんは、友人を助けるための実践的な方法について教えてくれました。

全力で介入しようとするのではなく、身を守るための計画を一緒に作りましょう。被害者のためのシェルター等、具体的なサポートを得るための道筋を示してあげてください。

統計的に見ると、ほとんどの被害者が、ある時点で加害者の元に戻っていくことを理解しましょう。友人としては辛いことですが、被害者に対して心を閉ざさないこと。加害者との関係の外側には、友情や支援のためのネットワークがあることに気づかせましょう。

普段から、別れることやサポートを求めることについて話し合いましょう。とはいえ、彼女たちを急かさないよう、慎重に。さもないと、被害者はしばしば心を閉ざしてしまいます。

多くの被害者にとって、加害者と別れることは、一緒にいることよりも恐ろしいのだと覚えておいてください。別れるのに何カ月もかかることはよくあるし、持続的な支援者となる友人を持つことがとても重要なのです。

「多くの被害者たちは、サポートに辿りついてようやく加害者から離れる必要性を感じるようになります。罪悪感とは複雑な感情ですが、それはDVのほぼすべてのケースにおいて、何らかの形で抱かれています。被害者を愛する人たちが抱く罪悪感や、時折、加害者が抱く罪悪感も存在しますが、ほとんどは被害者当人が抱くもので、自分を傷つける人と一緒にいたことに対して感じます。加害者の元に戻ったことへの罪悪感も存在します。それは、関わった人すべてが経験するプロセスなのです」

もし、あなたの周囲にこの記事と同様の状況にいると思われる人がいたら、以下をはじめとする公的・民間の機関で相談するようにしましょう。

DV相談窓口

DV相談+(プラス)
Tel. 0120-279-889
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※この翻訳は、抄訳です。
Translation:mayuko akimotoCOSMOPOLITAN US

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