吉村前会長に「情報や権限集中する構造」 山口FGが調査報告書

吉村前会長に「情報や権限集中する構造」 山口FGが調査報告書

  • 毎日新聞
  • 更新日:2021/10/14
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前会長兼最高経営責任者(CEO)解任の経緯に関する社内調査結果について、記者会見する山口FGの椋梨敬介社長=山口県下関市で2021年10月14日午後5時4分、金澤稔撮影

山口フィナンシャルグループ(FG)の前会長兼最高経営責任者(CEO)の吉村猛氏が事実上解任された問題を巡り、同社は14日、臨時取締役会で吉村氏への取締役辞任勧告を決議したと発表した。取締役会の決議が必要な新銀行計画を独断で進め、権限を逸脱したためとしている。銀行の元トップが取締役辞任を勧告されるのは極めて異例。

山口FG会長解任の舞台裏 新銀行計画に特定コンサル重用か

椋梨(むくなし)敬介・社長兼CEOが山口県下関市の本社で記者会見し、新銀行事業を巡る調査報告書を公表した。椋梨氏は「調査で吉村氏の権限逸脱が認定された」と述べ、今後臨時株主総会を開く方針を明らかにした。役員人事案を諮ることを視野に入れているとみられる。

吉村氏は社内合意を得ないまま主導した新銀行事業がきっかけで、6月25日の株主総会後の臨時取締役会で会長兼CEOへの再任を否決されたが、取締役としては残っていた。

調査報告書などによると、吉村氏は日銀出身の特定のコンサルタントの助言を受けながら、大手消費者金融アイフルとの共同出資でリテール(小口取引)専門銀行を設立することを計画。新銀行のトップに高額報酬でこのコンサルを据え、コンサルの関係者も雇う予定だった。

調査に対し、吉村氏は計画の進め方について執行権限の範囲内だったと主張。しかし、調査報告書は、吉村氏が他の取締役から取締役会での決議を求められても応じず、説明責任を全うしなかったため、CEOとしての資質に疑義を抱かれたと指摘した。また、新銀行計画だけでなく、証券会社との提携解消交渉も取締役会に報告していなかったことを明らかにした。

報告書は、問題を引き起こした背景に「CEOに情報や権限が集中する構造があった」と指摘。専属のCEO室の廃止を提言した。椋梨氏は会見で「ガバナンス(企業統治)や組織風土の改善に取り組み、信頼回復に努めていく」と述べ、CEO室を10月1日に廃止したことを明らかにした。

吉村氏が辞任勧告を受け入れるかどうかについて、椋梨氏は「コメントは差し控える」とした。現時点では進退を明らかにしていないという。

一方、吉村氏に関する新銀行計画とは別の内部告発についても調査し、「一部に適切性を欠くものがあったが、違法性はなかった」と結論づけた。【植田憲尚、久野洋】

毎日新聞

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