子どもを叱っても効果なし!? 言うことを聞いてほしいときに親がすべき4つのアクション

子どもを叱っても効果なし!? 言うことを聞いてほしいときに親がすべき4つのアクション

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/06/11
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Amazon創業者のジェフ・ベゾスさんやFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグさん、さらには棋士の藤井聡太さんなど、各界をリードする著名人が受けたとして注目を集めている「モンテッソーリ教育」。このそうそうたる顔ぶれを見るとスパルタな英才教育を連想しがちですが、実際はその逆で、子どもの自主性を尊重した比較的自由な雰囲気の教育メソッドになっています。

そんなモンテッソーリ教育を用いた自宅での子育て方法を、SNSや動画サイトで発信して注目を集めているのが「モンテッソーリ教師あきえ」さんです。彼女の著書『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』には、子育て中の親御さんに向けてさまざまな問題の解決法が紹介されています。

今回ピックアップするのは、子どもの行動にイライラした時の対処法。何度注意しても聞いてくれない時はつい声を荒げて叱ってしまいがちですが、それでは効果がないようです。そこで、モンテッソーリ教育が教える効果的な注意の仕方を見ていきたいと思います。

ちなみに、あきえさんはモンテッソーリ教育を知ることは大人にとっても有意義だと説いています。というのも、「子どもを尊重して信じる」というその基本姿勢が他人との関わり方にも影響し、良好な人間関係を築けるようになるからです。そういう意味では、本記事は子育てと関係のない生活を送っている方にも有益な情報となるはず。ぜひご一読ください!

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言葉で注意するだけでは伝わらない

「おもちゃ散らかさないで!」といつも言っているのに、全然片付けられない。

道路では「走らないの!」と注意しているのに全く聞いていない。

ご飯中に「席立たないで!」と叱っているのに一向に変化がない──。

毎日同じことを注意しているはずなのに子どもの姿が変わらず、イライラしたり、「何回言ったらわかるの!?」「一体、いつになったらわかってくれるんだろう……」と不安になったりすることはありませんか?

では、そのようなとき、どのようにかかわれば、大人の思いが子どもに伝わるのでしょうか? かかわりのポイントは次の四つです。

1 やってほしい行動を具体的に伝え、やって見せる
2 子どもの目を見て伝える
3 感情を切り離して伝える
4 繰り返しやって見せる

一つひとつ見ていきましょう。

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【ポイント1】やってほしい行動を具体的に伝え、やって見せる

まず一つ目のポイントですが、これは、四つの中でも一番重要です。先述しましたが、乳幼児期の子どもは、まだ抽象的に物事を考えることができません。

「やめなさい!」「ダメ!」などと、やめてほしいことを禁止するだけでは、肝心な、やってほしい行動が何なのかが伝わりません。禁止だけだと子どもは、「じゃあ、どうすればいいの?」となってしまい、行動を変えることが難しくなります。そのため、具体的にすべきことを教えてもらったり、実際に目の前でやって見せてもらったりすることで、自分のやるべきことがわかり、行動に移しやすくなります。たとえば、次のようなかかわりです。

・「走っちゃダメ!」→「ここは危ないから歩こうね。お母さんと手をつないでね」

・(図書館で)「うるさい! いい子にしていて」→「みんな本を読んでいるから、これくらいの声でお話ししようね」

・「靴、脱ぎ散らかさないで」→「今から靴脱いでみるから見ていてくれる?」と言って、玄関で靴を脱ぎ、揃えて置く動作をゆっくりとやって見せる。

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このように具体的にすべきことを伝えたり、実際にやって見せたりすることで、「注意する」というかかわりが、「伝える」というかかわりに変化していきます。

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【ポイント2】子どもの目を見て伝える

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次に二つ目のポイントです。これは、毎回すべての声かけを、子どもの目を見て伝えなければならないということではありません。子どもの聞く準備が整ってから話そうという意味です。子どもの関心がこちらに向いていない状態で伝えたいことを話しても、実は全然聞いていなかったということが起きます。そうすると、私たち大人としては「何回も言っているのに全然聞いてない!」と、労力を使っている割に変化が見られず、余計にイライラしてしまうことに繋がります。それを避けるためには、本題を伝える前にワンクッション挟んでから話し始めるというかかわりがおすすめです。たとえば次のような感じです。

・「〇〇くん! あのね」と子どもの名前を呼んでから話し始める。

・「ちょっといい?」「やっている途中にごめんね」と断りを入れてから話し始める。

また、朝や夕方の忙しいときは、離れた場所から子どもの姿を見ずに注意したり、声をかけたりすることもあるのではないかと思います。そのようなときも、「聞く態勢が整っているかな」と確認をしてから話すだけで、子どもへの伝わり方は変わっていきます。話しかける前に、ちょっと立ち止まって、お子さんの様子を確認してから話してみてください。

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【ポイント3】感情を切り離して伝える

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感情のままに「いい加減にしなさい!」「何回言ったらわかるの!」と怒っても、残念ながら子どもに伝わる情報は、「お母さん怒っている」「お父さんに怒られた」ということだけです。そのため、怒りのままに言葉を発してしまわないよう、大人の感情をコントロールすることが大切です。

自立に向かって育んでいきたい力は、“大人に注意されるからやる力”ではなく、“自分で考えて行動する力”です。子どもが主体的に行動する力を身に付けられるようにするためには、注意して子どもを動かそうとするのではなく、感情を切り離して、やってほしい行動を冷静に具体的に伝えることが必要です。

子どもの行動に反応してすぐに言い返したり、何か言いたくなってしまったりする場合は、言葉を発する前に一度、深呼吸してみましょう。あるいは、いったんその場を離れるのもおすすめです。

注意したい子どもの姿を目の前にしながら冷静になることは、とても難しいことです。まずはその場から離れて、一度気持ちを落ち着かせたり、違うことを考えたりして、ふっと湧いた感情のままに言葉を発してしまわないよう、クールダウンしましょう。

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【ポイント4】繰り返しやって見せる

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乳幼児期の子どもは、自分の欲求をコントロールして、善悪を判断して行動する力を育んでいる最中です。この時期は、まだ抽象的な思考はできませんが「吸収する力」はあります。その力のおかげで真似をすることがとても得意な時期なので、大人がモデルとなってやって見せることで、子どもはその姿をどんどん吸収していきます。

しかし、それはたった一回では、できるようになりません。だからこそ何度も繰り返し伝え、やって見せるかかわりが必要になるのです。これが最後のポイントです。大人にとっては少し忍耐のいるかかわりかもしれませんが、大人のそのかかわりが子どもの成長を助け、子どもが自分の足で歩んでいくことに繋がります。

【まとめ】
● やってほしいことを具体的に伝えたり、やって見せたりする。
● 子どもが聞く準備ができるように、ワンクッション挟んでから話しかける。
● 怒りのままに伝えず、冷静に落ち着いて伝えることを意識する。
● 何度でも同じことを繰り返しやって見せるかかわりが大切。

著者プロフィール
モンテッソーリ教師あきえさん:幼稚園教諭、保育士、小学校教諭。モンテッソーリ教師(国際モンテッソーリ協会ディプロマ)。一児の母。幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に、「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままで良いのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。現在は「モンテッソーリ教師あきえ」として、Instagram、Voicy、Twitter、YouTubeなどでモンテッソーリ教育を子育てに落とし込んだ情報を配信中。Instagramでは、開始4カ月で1万フォロワーを達成し、現在のフォロワー数は7万人。Voicyではこれまでに130万回以上再生されている「モンテッソーリ子育てラジオ」を放送中。Instagram、Voicyでは、今までに延べ1500件以上の子育て相談に答えてきた。また、子育てセミナーを開催し、モンテッソーリ教育に沿って「子ども」について解説している。

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『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』
著者:モンテッソーリ教師あきえ すばる舎 1540円(税込)

子どもの“自ら育つ力”を引き出すモンテッソーリ教育をベースに、乳幼児の子育てに関するさまざまな悩みや疑問を解決する方法を紹介する参考書です。園だけでなく、ご家庭での取り組み方や対応についても解説されているため、誰でもすぐに実践できるものばかり。大人同士のコミュニケーションに応用できる知識も満載です。

イラスト/菜ノ花子
構成/さくま健太

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