ニュージーランドに学ぶ「水際対策」とゴール設定

ニュージーランドに学ぶ「水際対策」とゴール設定

  • アゴラ
  • 更新日:2021/05/02

3度目となる緊急事態宣言を迎えた東京都。

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Fiers/iStock

休業、時短の繰り返しが、抜本解決への道筋を示さない政治家への怒りへと変わり、すでに都民の我慢の限界を超えています。まず、私自身、細かな対策を提言してきた自負はあるものの、この1年間を振り返って、対処療法に追われ、鳥の目で、日本の感染症対策の欠点を検証できずにきたことを反省しています。そこで、どこの県の取り組みがいい、悪いの比較の前に、もっと大きな視点で、日本のコロナ対策の大きな穴を検証したいと思います。

そこで、まず、成功していると言われる、ニュージーランド、台湾、シンガポールの事例を引いて考察していきます。

ロイター通信が公表している「世界における感染状況」を見れば、成功ぶりは一目瞭然。

4月27日時点、日本の新規感染者数が1日平均4,911人であるのに対して、NZはわずか1名!台湾で4名、シンガポールでも23名に過ぎません。当然、NZでは、特に規制されることもなく、日常を取り戻しているわけです。

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ここで、成功している国の共通点を見てきたいと思います。それは3つ挙げられます。

①アジア ②島国 ③厳しい入国規制

こうして見ると、アジア、島国という点では、日本も共通しているので、日本が同様に抑え込めていても不思議ではありません。しかし、決定的に違うのは、なにか。入国規制です。

ロックダウンをせずに抑え込みに成功したと言われる台湾でも、2020年2月6日には中国全土からの入国を禁止しています。現在の中国と台湾の経済的な交流の濃さから考えれば、東京ー大阪の新幹線、交通網を遮断するくらいの思い切った措置を早々に決定しています。

ニュージーランドの入国制限はといえば、国境封鎖と言えるほどの徹底ぶりです。現時点においても、入国が許されるのは、以下の方々のみ

NZ国籍者永住者(Permanent Residentビザ所持者)居住者(Residentビザ所持者)NZ人・永住者・居住ビザ所持者の家族で、家族ビザを所持する者外交官通常NZを居所としているオーストラリア人又は永住者

一方で、日本の水際はあまりにも「甘い」としか言いようがありません。

私は、入管庁から資料を取り寄せ、過去3年間の入国者数の同月比を検証しました。すると、驚くべきことがいくつもわかりました。

まず、2019年3月です。

もちろん、この頃は、世界のどこにも新型コロナウイルスは確認されておらず、日本はインバウンド需要を取り込んでいる時でしたので、日本全体の外国人入国者数は275万人で、うち227万人がアジアからの入国者でした。

次に、2020年3月です。

台湾では、2月6日に中国全土からの入国を全面禁止にしている最中、日本は、3月の1ヶ月間だけで、中国から12,274人の受け入れを行い、全世界から21万7679人の外国人を受け入れています。もちろん、ここには日本人帰国者は含まれません。当時、成田や羽田空港で行われていた検疫は、サーモグラフィーのみで、国際線到着者全員に対して抗原検査などを行うようになるのは、ずっと後のことです。

次に、2021年3月、つまり、先月のことです。

私は、さすがにゼロに近い数字になっているかと思い、目を凝らしましたが、驚いたことに、依然として外国人入国者は1万9393人にのぼり、うちアジアからは1万5560人を受け入れているのです。これは、東京2020大会で想定されている大会関係者1万人の倍近い数の外国人が毎月、入国している計算になります。

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もちろん、昨年よりも10分の1にはなっています。

しかし、私がここで指摘したいのは、「国批判」をしたいのではなく、現実に、これだけ国内の飲食店や多くの都民が犠牲を払っているにもかかわらず、入り口のところで甘すぎる対応をしているのは、都民、国民に対して許されないということです。

もちろん、日本への入国規制を読めば、現地での検査と陰性証明書が必要であること、入国後に、検疫官が指定する宿泊所で待機し、3日後に再度、検査を行い、陰性でも14日間は自宅などで自主隔離することなどが指示されています。しかし、成功している国々で、徹底した入国規制を行なったのはなぜでしょうか?

検疫官が指定する宿泊所まで、公共交通機関を利用せずに移動するとは限らないからです。検査までの3日間、宿泊所から絶対に外出しない保障がないからです。

さらに、ご覧をいただきたいのは、アジアからの入国者数、上位5カ国です。

中国5627人、韓国3060人、 ネパール1086、フィリピン1136人、インド917人です。現在も感染が急速に拡大している国々が含まれているだけでなく、ワクチンの効果が効きにくいとされる変異株が驚異的に流行しているインドからの入国者も3月だけで千人近く許されているということです。

これは差別ではなく、感染症対策における国家の危機管理の問題です。

私たちは、もちろん、首都東京の都議会議員として、都内で出来るコロナ対策の徹底に取り組んでいきます。その過程で、やはり、成功している国々の参考にすべき点は、大いに参考にして、効果的な対策を打っていきますので、国にも、まず、新規感染者1名のニュージーランドなどを参考に、徹底した入国規制を行っていただきたいと思います。

伊藤 悠

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