イーロン・マスクの「リーダーシップスタイル」を心理学的に解説

イーロン・マスクの「リーダーシップスタイル」を心理学的に解説

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2022/11/25
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Twitter(ツイッター)社員の半数をレイオフするというイーロン・マスクの決断は、1200人近くの自主退職につながった。あなたがマスクをリーダーとしてどう思うかに関わらず、Twitterが混乱に陥っているという事実に疑いはない。

学術雑誌『Personality and Individual Differences』に最近掲載された研究は、従業員がマスクをどう見ているかを理解する助けになるかもしれない。

研究によると、マスクのように評価の大きく分かれるリーダーは、「変革型リーダー」と「偽の変革的リーダー」という2つのカテゴリーに分類される。

・変革型リーダーは、社会性があり人に卓越した成果を挙げる動機を与える。従業員が意欲をかきたてられ、知的刺激を受け、評価される職場を作る。その職場文化には強い倫理観がある

・偽の変革型リーダーは、壮大な雄弁術と高められた自信によってカリスマ的であると認識されている。しかし、第一の動機づけは自己利益だ。この種のリーダーは自らを美化し、搾取的になりかねない。偽の変革型リーダーに仕切られた職場には、概して、操作的コミュニケーションや過剰な管理、他人のニーズ全般に対する無神経さといった非倫理的行動がまん延している

イーロン・マスクはどちらに当てはまるのか? Twitterに関して言えば、結論はまだ明らかになっていない。

リーダーの本性が明らかになるのは、危機が起きたときだと本研究は明らかにしている。この2種類のリーダーの行動が、危機的状況下でどう異なるかを以下に説明する。

・変革型リーダーは、危機的状況下でリスクを負い組織を救い出す。非難やイメージ悪化のリスクを取ってでも、組織にとっての利益を優先するのが普通だ

・偽の変革型リーダーは、組織の状態が安定しているときにリスクを負う傾向がある。そのリスクは主として、会社内外の重要な人々の注意を引くための策略だ

この研究を踏まえ、現在、Twitterで起きていることに対する2つの観点から見てみる。

1. マスクは、プラットフォーム上のスパムボット問題を軽減し、検閲のない、言論の自由が守られたデジタル広場に変えるためにTwitterを買収した。これらは感動的で倫理性の高い計画だ。さらに彼は、これらのゴールを現実にするために「つまらない人間になりたくなかったら必ずこいよ」的アプローチを取り、Twitterを一から再構築するという大きいリスクを負った。

Twitterの利用は過去最高になり、残された社員たちは彼のビジョンを実現するべく、会社のために夜を徹して働いている。これは、マスクが彼の先見の明を理解しない人々から集中砲火を浴びている唯一無二の変革型リーダーであることを意味しているのだろうか?

2. 守旧派を追い出し、プロダクトを作り直し、自分の敵対的買収についてツイートする様子は、古典的な自己陶酔的行動と見ることもできる。マスクはTwitterを作ったのではなく、買っただけだ。彼の偽変革型計画の中には、自分が作っていないものに名前を彫る行為の美化バージョンが入っている。

Twitter危機は、少なくとも部分的には、彼が作り出したものだ。「イーロン・マスクの行動には、一からTwitterを作り、経営してきた人たちへの敬意が一欠片もない」という意見が、前CEOを含む解雇された従業員および自ら退職した人たちの一致した考えだ。

見方を変えればヒーローにも悪役にもなる
マスクの楽観主義、変革への情熱、および大胆なリスクテイキングは、彼の類を見ない成功を支えてきた。しかし、もし彼のエゴと無神経さとナルシシズムに流されると、現在の彼を彼たらしめるものと同じ資質が、破滅へと導く可能性はかなり大きい。

いずれ全体像が見えるときがくるだろうが、見方を変えることで同じ状況も、同じ人物がヒーローにも悪役にも見えるというのは興味深い。

forbes.com 原文

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