フォートナイトのEpic Games創設者、Appleとの闘争を公民権運動に例えて語る

フォートナイトのEpic Games創設者、Appleとの闘争を公民権運動に例えて語る

  • TechCrunch
  • 更新日:2020/11/21
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米国時間11月18日、Apple(アップル)は中小事業者向けのApp Storeの手数料を削減し、年間販売額100万ドル未満の開発者がアプリ内課金で売り上げた場合の手数料を、通常の30%から15%に引き下げる(未訳記事)と発表した。

Epic Gamesの創設者Tim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は、この動き(現在米国議会や欧州連合、連邦司法省、連邦取引委員会によって行われているアップルへの独占禁止法に関する調査に明らかに反応したもの)について、十分ではないと語っている。

18日朝、スウィーニー氏はWall Street Journalに対して、アップルは単に「多くのアプリ内購入に課せられている30%税と競争を妨げているという批判から逃れようとしているだけ。しかし、消費者はアップル税によって不当に引き上げられた価格をこれからも払い続けることになる」と語った。

Epic Gamesは、アップルの手数料を避けるため、大人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」に直接支払いシステムを導入して以来、アップルとの闘争を続けている。同社CEOのスウィーニー氏は18日、The New York Times主催の2日間のイベント「DealBook」における座談会で、さらに掘り下げて語った。

Epic Gamesとアップルの戦いは、Epicが8月に直接決済を導入したことで始まった。これを規約違反とみなしたアップルは、App Storeからフォートナイトを削除。これを受けてEpicは、米国でアップルを相手に民事訴訟を起こし、さらに最近ではオーストラリアでもアップルが消費者法に違反としているという同じ主張を用いて、アップルを相手に法的手続きを開始した(The Guardian記事)。この巨大テック企業との戦いについて質問されたスウィーニー氏は、言葉を濁さなかった。彼は現在進行しているEpicのキャンペーンを、米国における公民権をめぐる戦いに例えて、次のように語った。

「戦うのはすべての人の義務です。誰かの弁護士が決めるようなことではありません。実際に戦うのは私たちの義務なのです。もし我々がアップルが決めたすべての条件を遵守し、みなさんご存じの30%もの手数料を受け入れ、そのコストを顧客に転嫁するとしたら、それはEpic Gamesがアップルと結託してiOSアプリにおける競争を抑制し、消費者が支払う価格を吊り上げたことになります。つまり、アップルの合意に従うことが間違っているのです。それがEpicがこの件に挑んだ理由です。公民権運動が行われていた当時は、実際に法律が制定されていて、その法律が間違っていたことがありました。人々はそれに従わず、また従わないことは間違いではありませんでした。なぜなら、それに従うことは現状維持に加担するということになるからです」。

出席者の中には、この例えに目を丸くした人もいたに違いない。だが、本日アップルが行った発表は、Epic Gamesが変化をもたらしつつあることを示唆している。2020年8月に17億8000万ドル(約1850億円)の資金調達を行った後、173億ドル(約1兆7970億円)の評価を受けたEpicは、それ自体が強力で収益性の高いプラットフォームへと進化しているのだ。

問題は、両社の争いがどこで終結するのかということだ。インタビュアーのAndrew Ross Sorkin(アンドリュー・ロス・ソーキン)氏は、Epicが独自のアプリストアで価格を設定していることを指摘し、スウィーニー氏の頭の中にアップルが請求できる「公正な価格」があるのかと尋ねた。

スウィーニー氏は、Epic自身が2%から3%の取引コストを負担していること、さらに決済サポートのために1%、そして帯域幅コストをカバーするための収益として「おおよそ1%」という数字を挙げ、開発者に提供するサービスと引き換えに、8%のアップル税と呼ばれるものを受け入れても良いのではないかと示唆した。

アップルに公正を期すならば、ソーキン氏はまた、アップルと同様に、スウィーニー氏がフォートナイトをプラットフォームとして語っていることに気づき、それが「いまはオープンではない。他者がそのプラットフォームで実質的に開発を行い、独自のアプリ内課金を作成できるような競争力のある市場ではありません。それは変わりつつあるのでしょうか」と質問した。

「その方向に進んでいます」と語ったスウィーニー氏は、ユーザーが自由にコンテンツを作成できる「Fortnite Creative」というモードがフォートナイトに用意されていることを指し、「何千万人ものクリエイターが自分のコンテンツを友人や全体の人々と共有しており、そこにはちょっとしたビジネスモデルがあります。しかし、それはまだ発展のごく初期段階です」と語った。

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カテゴリー:ゲーム / eSportsタグ:Apple / アップル、App Store、Epic Games、フォートナイト

画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

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