フジ深夜をザワつかす“カオス番組” 演出手掛けた入社3年目若手Dの驚愕の発想力

フジ深夜をザワつかす“カオス番組” 演出手掛けた入社3年目若手Dの驚愕の発想力

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  • 更新日:2022/05/15
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「ここにタイトルを入力」に出演した小峠英二【写真:(C)フジテレビ】

意外にもルーツはテレビではなく劇団だった

“トンデモ企画”の数々で放送後に毎回SNS上をザワつかせているフジテレビの深夜バラエティー「ここにタイトルを入力」。全6回の放送も16日を残すのみとなった。そんな奇想天外な企画の数々を輩出しているのが入社3年目の原田和実ディレクター。どのような思考回路でこういった企画を編み出しているのだろうか。その発想力のルーツを探った。(取材・文=中村彰洋)

横浜国立大学を卒業し、フジテレビに入社した原田D。意外にも“テレビっ子”だったわけではなく、その発想の根源は「演劇」にあると明かす。大学在学中に見た「ウレロ☆」(テレビ東京)をきっかけにテレビではなく、演劇に興味を持った。

「元々大学時代に演劇の脚本を書いていました。それも演劇という演劇ではなく、今とやっていることは変わっていないんです。例えば、普通に最初は演劇をしているんですけど、進んでいくにつれて、実はみんなイス取りゲームをしていることが分かってくるみたいな。そういうギミックや仕掛け、元々あるフォーマットを崩して再構築していくことが好きだったんです。エンタメに関わらず、食や広告などを大学のときからそういう目線で見て、メモすることが無意識に習慣化していました」

そんな原田Dに大きな影響を与えたのが劇団「シベリア少女鉄道」だった。「今でもあれを超えるものには出会ってない」と業界入りのきっかけとなったと熱弁する。

演劇業界ではなく、テレビ局へ入社したのはテレビへの興味というよりもマスメディアとしての発信力の強さが理由だ。「学生がやっている小さな劇団だったので、どんなに見られても500人が限界でした。そういう意味ではもっと多くの人に見てほしいという思いが心のどこかにありました」。当初は作家になろうと考えたが、なり方が分からずたどり着いたのがテレビ局だった。

フジを選んだ理由は「99人の壁」。同番組は企画コンペで採用され、レギュラー化したもの。演出を手掛ける千葉悠矢氏は当時入社2年目だった。若手であっても「ちゃんと企画で見てもらえる会社」と思い、入社を決めたという。

そして、実際に入社2年で企画コンペに通り、「水曜NEXT!」で2週連続で「ここにタイトルを入力」を放送した。さらに3年目には6週連続放送という大きなチャンスをつかみ取った。

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「ここにタイトルを入力」に出演したHARA(左)と朝日奈央【写真:(C)フジテレビ】

「君の企画は難解すぎる」と指摘され葛藤も…

順風満帆にも見えるが、葛藤も吐露する。「1年目で企画が通らなかった頃に『君の企画は難解すぎる』と言われてしまいました」。しかし、その後も同様の企画を提案し続けることで放送までこぎ着けた。

「実際に放送してみると『やっぱりそんなことはないよな』って。こういう企画もやっていいんだ」と手応えを感じたようだ。

“バカバカしさ”の中には緻密に計算された笑いが織り込まれているが、「右脳的な笑いと左脳的な笑い」を意識している。

「そこのバランスを究めることが新しいまだ言語化できていない笑いの感情につながる気がしているんです。『ここにタイトルを入力』の見せ方はそこのバランスを探る挑戦だったような気がしています。構成を練るときに、左脳的な構造の面白さ、説明しない面白さ、考察する面白さをどこまで引っ張って、どこから右脳的なバカバカしさ、絵で笑える、いわゆるお笑いのテンプレートのような部分を出せばいいかという点は視聴者目線の感情を意識して作りました」

番組の反響の大きさから改めてテレビの力も実感した。「思った以上に見てもらえているんだなと。今の時代、テレビ離れが進んでいるとは言われていますが、1回ある程度のところまで広がってしまえばその先はSNSでも広がっていく。1番うれしかったのが『これを見るためにTVerダウンロードしました』という言葉でした。面白ければ広がるという意味ではテレビってまだ強いなと思いました」。

一方で、「ただ演劇をやっていた身からすると、直で笑い声が聞こえないところの寂しさ、文字でしかエゴサでしか感じることができないというのはありますね。やっぱり笑い声が聞きたいです」とも明かす。

「経験値をいろいろ積んでいければと思っています。ここから先はテレビで学んだからこそできる“もう一歩先の崩し方”がまだあるんじゃないかなと思っています。テレビについてもっと勉強して、ちゃんとした番組を作って学んでいった先にまだ見たことのないものを作ることができたらなと思います」

まだまだ入社3年目。今後どういった革新的な番組を届けてくれるのだろうか。まずは「ここにタイトルを入力」の最終回に注目したい。

中村彰洋

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