【高円宮杯プレミアリーグEAST 横浜FCユース×柏レイソルU-18レビュー】 早川知伸と酒井直樹。旧知の2人が火花を散らせた開幕戦。

【高円宮杯プレミアリーグEAST 横浜FCユース×柏レイソルU-18レビュー】 早川知伸と酒井直樹。旧知の2人が火花を散らせた開幕戦。

  • J SPORTS|コラム(サッカー フットサル)
  • 更新日:2021/04/06

試合後のピッチで“再会”した2人は、あの頃の思い出話に花を咲かせる。横浜FCユースの早川知伸監督と、柏レイソルU-18の酒井直樹監督。旧知の2人の間には、この高円宮杯プレミアリーグという最高の舞台で戦い合えた充実感が、確かに漂っていた。

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JFA公認S級コーチ。通称“S級ライセンス”。男子のカテゴリーで言えば、Jリーグや日本代表の監督を務めるには必須の免許であり、その講習を受けられる人数も限られているため、取得するにはいくつもの高いハードルを超える必要がある。

2019年度のS級コーチ養成講習会にエントリーされた指導者は16人。このリストの中に早川と酒井は名前を連ねていた。1年近い時間を掛けて、ライセンス取得に挑む仲間には、当然のように強い連帯感が生まれる。この受講者同期が、監督とコーチとしてJリーグのチームでタッグを組むのもよくあることだ。

3日のプレミア開幕戦。いきなり対峙することになった2人が、お互いを意識しないはずがない。「直樹さんとはライセンスで一緒にやっていて、いろいろ探りながらも『やり方はだいたいわかっているけど、どれぐらいかな』というのはあったので、ちょっと楽しんでいたところもあるんですけど(笑)」(早川監督)「早川監督はS級で同期だったので、『ちょっと負けてられないな』とも思ったんですけど、何かいろいろな情報を知っていて、丸裸にされていたようで焦ってしまいました(笑)」(酒井監督)。

柏U-18は今シーズンから3-1-4-2という新システムにトライ。これまで4-3-3をベースに構築されてきたアカデミーの歴史を考えると、かなりのチャレンジではあるが、S級ライセンスの海外研修にイタリアのラツィオを選んだ酒井監督にとっては、セリエAでも多くの強豪が採用している魅力的なシステム。自信を持って新チームの立ち上げから取り組んできた。

「ちょっと僕が『前から来るぞ』とか言い過ぎた感もあって、だいぶ受けちゃった所はありましたね」と早川監督も振り返ったように、序盤は柏U-18ペース。3バックとアンカーを軸に、きっちりボールを左右に動かしながらチャンスを窺う。だが、飲水タイムを挟んだあたりから、横浜FCユースが反撃開始。とりわけ右の清水悠斗、左の山崎太新と両サイドハーフが裏のスペースに飛び出すことでリズムを引き寄せると、山崎が華麗な先制弾。1点をリードしてハーフタイムに入る。

逆に後半は柏U-18が盛り返す。「ハーフタイムで守備を調整して、後半はしっかり状況判断をして、プレスのハメ方の所を違うオプションで行こうかという所も持ちつつ、入りました」と酒井監督。相手のサイドバックに食い付き気味だったウイングバックを自重させ、スペースをケアする守備対応が奏功し、相手の前に出る勢いを削ぎつつ、自分たちの攻撃を活性化させることに成功する。結果はホームの横浜FCユースが1-0で逃げ切ったものの、両指揮官が繰り出した采配は理に適っており、非常に戦術的な90分間がピッチ上では展開されていた。

試合後。どちらからともなく歩み寄った2人は、2年前のS級ライセンス受講時の話題で盛り上がりつつ、健闘を称え合う。気の置けない仲間との直接対決は、きっと彼らの指導者キャリアの中でも特別な1試合になったのではないだろうか。

早川知伸、43歳。酒井直樹、45歳。クラブOBでもある2人の若き指揮官は、これからどういうキャリアを描いていくのだろうか。こういう有望な指導者の指導現場を見ることができるのも、高校年代のサッカーを楽しむ上での大きな醍醐味であることは間違いない。

文 土屋雅史

【ハイライト】高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ2021 第1節

横浜FCユース vs. 柏レイソルU-18

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